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中国は米国の「最後通牒」に合意するか?
中国は米国の「最後通牒」に合意するか?
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米国政府は、中国に対し、ウクライナ情勢の悪化を受けて欧米諸国が発動した経済制裁によってロシアが被る損害を補填しようとするのをやめるよう勧告している。もし中国がこの勧告を聞き入れなければ、中国自身にもその影響が及ぶことになると米国は警告している。 2022年3月20日, Sputnik 日本
2022-03-20T16:45+0900
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ウクライナでの露特別軍事作戦
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ホワイトハウスからの「最後通牒」は、米国のジェイク・サリバン米大統領補佐官(安全保障問題担当)と中国のヤン・チエチー外交担当政治局員との会談における主なテーマとなった。中国からロシアに輸出されている品目の多くは、欧米が制裁を課したものと重なっている。たとえば、電化製品(半導体など)、自動車、プラスチック、米国製の鉄鋼などである。しかし、中国はこれらの分野における自国製品のロシアへの輸出量を増大させる可能性がある。そこで、米国は、中国がロシアにとって、制限を回避するための「バックドア」(裏口)となり、ロシア経済に対する制裁による影響を低めるものとなるのではないかと危惧しているとフォーブス誌は指摘している。しかし、米国とEU諸国が完全に団結している現在の状況において、中国が米国からの圧力を無視し、ロシアとの2カ国関係に関する自国の利益を追求することなどできるのだろうか?失われた信頼中国問題の専門家であるアレクサンドル・ロマノフ氏(ロシア科学アカデミー・プリマコフ記念世界経済・国際関係研究所・アジア太平洋研究センター所長)は現在の状況について次のようにコメントしている。「今回のローマでの米中の会談は、50年前に行われた米国のリチャード・ニクソン大統領と中国の毛沢東国家主席との歴史的な会談とはかなり異なっています。当時(1972年)、中国は失うものは何もなく、逆に大きな同盟国を得ることとなりました。しかし、あれ以降、米国と中国の間の信頼は大きく損なわれました。中国は、すでに長年にわたって、米国の主な競争相手であると位置付けられ、米国は中国の発展を抑制しようとしてきました。そして、米国が中国との戦略的な競争を止めるようにはわたしには思えません。しかし、ウクライナをめぐる危機を背景に、中国に対し、なんらかの戦略的な譲歩をする可能性はあるかもしれません。とはいえ、米国は中国の台頭の正当性を認めることはありません。つまり、政治や経済において国際的な決定を下す権利を米国と同等に持つことを認めることはないということです」。中国は、ロシアに比べ、制裁に対する準備が整っているさらにロマノフ氏は、次のように指摘する。「トランプ前大統領が始めた米国との貿易戦争が長年にわたって続く中で、中国はさまざまな制限に適応してきました。しかも、輸入代替工業化政策によって、こうした状況をうまく対処しています。たとえば、現在、中国が力を入れている半導体の製造などです。つまり、米国が今、中国に対し、長期的で展望のある、説得力のある提案はできないだろうということです。できたとして、中国企業の制裁解除くらいでしょう。しかも、ウクライナをめぐる危機が終結した後、米国がその制裁を再び発動しないという保障はありません」。中国にとって、ロシアを支援することは有益なのか?中国は、アジアにおけるロシア産エネルギーの最大の輸入国の一つであるが、この2つの国がより高い技術レベルでの協力を発展させるという相互の利益を阻害するものは何もないとロマノフ氏は言う。「たとえば、2021年の秋にスタートした露中共同によるワイドボディー機CR929の開発の実現を加速化することなどです。共同開発される航空機(座席数250〜300)は欧州のエアバスや米国のボーイングなど、世界の主要な航空機メーカーと競争力を持つものになると考えられています。そして、現在のウクライナをめぐる危機はこの分野での今後のそうした展開に大きな影響力を持っています。なぜなら、中国のパイロットはロシア人同様、エアバス機を操縦しているからです。中国は、台湾海峡で米国との紛争が起こった場合、自国が使用する航空機にどのような状況になるかを正しく認識しています。つまり、中国もロシアと同じように、領空での飛行が禁止されたり、あるいは天然ガスや石油の輸送に使われる海上交通手段も禁止される可能性があるのです」。関連ニュース
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中国, ウクライナ, 米国
中国は米国の「最後通牒」に合意するか?
2022年3月20日, 16:45 (更新: 2022年5月4日, 22:40) 米国政府は、中国に対し、ウクライナ情勢の悪化を受けて欧米諸国が発動した経済制裁によってロシアが被る損害を補填しようとするのをやめるよう勧告している。もし中国がこの勧告を聞き入れなければ、中国自身にもその影響が及ぶことになると米国は警告している。
ホワイトハウスからの「最後通牒」は、米国のジェイク・サリバン米大統領補佐官(安全保障問題担当)と中国のヤン・チエチー外交担当政治局員との会談における主なテーマとなった。
中国からロシアに輸出されている品目の多くは、欧米が制裁を課したものと重なっている。たとえば、電化製品(半導体など)、自動車、プラスチック、米国製の鉄鋼などである。しかし、中国はこれらの分野における自国製品のロシアへの輸出量を増大させる可能性がある。
そこで、米国は、中国がロシアにとって、制限を回避するための「バックドア」(裏口)となり、ロシア経済に対する制裁による影響を低めるものとなるのではないかと危惧していると
フォーブス誌は指摘している。
しかし、米国とEU諸国が完全に団結している現在の状況において、中国が米国からの圧力を無視し、ロシアとの2カ国関係に関する自国の利益を追求することなどできるのだろうか?
中国問題の専門家であるアレクサンドル・ロマノフ氏(ロシア科学アカデミー・プリマコフ記念世界経済・国際関係研究所・アジア太平洋研究センター所長)は現在の状況について次のようにコメントしている。
「今回のローマでの米中の会談は、50年前に行われた米国のリチャード・ニクソン大統領と中国の毛沢東国家主席との歴史的な会談とはかなり異なっています。当時(1972年)、中国は失うものは何もなく、逆に大きな同盟国を得ることとなりました。しかし、あれ以降、米国と中国の間の信頼は大きく損なわれました。中国は、すでに長年にわたって、米国の主な競争相手であると位置付けられ、米国は中国の発展を抑制しようとしてきました。そして、米国が中国との戦略的な競争を止めるようにはわたしには思えません。しかし、ウクライナをめぐる危機を背景に、中国に対し、なんらかの戦略的な譲歩をする可能性はあるかもしれません。とはいえ、米国は中国の台頭の正当性を認めることはありません。つまり、政治や経済において国際的な決定を下す権利を米国と同等に持つことを認めることはないということです」。
中国は、ロシアに比べ、制裁に対する準備が整っている
さらにロマノフ氏は、次のように指摘する。「トランプ前大統領が始めた米国との貿易戦争が長年にわたって続く中で、中国はさまざまな制限に適応してきました。しかも、輸入代替工業化政策によって、こうした状況をうまく対処しています。たとえば、現在、中国が力を入れている半導体の製造などです。つまり、米国が今、中国に対し、長期的で展望のある、説得力のある提案はできないだろうということです。できたとして、中国企業の制裁解除くらいでしょう。しかも、ウクライナをめぐる危機が終結した後、米国がその制裁を再び発動しないという保障はありません」。
中国は、アジアにおけるロシア産エネルギーの最大の輸入国の一つであるが、この2つの国がより高い技術レベルでの協力を発展させるという相互の利益を阻害するものは何もないとロマノフ氏は言う。
「たとえば、2021年の秋にスタートした露中共同によるワイドボディー機CR929の開発の実現を加速化することなどです。共同開発される航空機(座席数250〜300)は欧州のエアバスや米国のボーイングなど、世界の主要な航空機メーカーと競争力を持つものになると考えられています。そして、現在のウクライナをめぐる危機はこの分野での今後のそうした展開に大きな影響力を持っています。なぜなら、中国のパイロットはロシア人同様、エアバス機を操縦しているからです。中国は、台湾海峡で米国との紛争が起こった場合、自国が使用する航空機にどのような状況になるかを正しく認識しています。つまり、中国もロシアと同じように、領空での飛行が禁止されたり、あるいは天然ガスや石油の輸送に使われる海上交通手段も禁止される可能性があるのです」。