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ロシアはガスの禁輸措置に踏み切るか?
ロシアはガスの禁輸措置に踏み切るか?
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... 2022年4月4日, Sputnik 日本
2022-04-04T08:30+0900
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3月23日、プーチン大統領は初めて、非友好国に対するロシアのガスの支払いをルーブル決済にするという決定を表明した。これは西側がロシアの資産を凍結したからであると説明。大統領はまた、反ロシア制裁が行われている状況では、ガスの貿易から生じるリスクは、ロシアにとって受け入れられないものであると強調した。G7と欧州委員会はこれに対し、ガス代のルーブル支払いに対するロシアの要求は、ユーロ及びドル建ての契約に明らかに違反していると見なし、企業にそれを遵守しないよう促した。ともかくも、プーチン大統領は妥協案を含む新しい手順を導入した。非友好国であるガスの買い手は、外貨で資金をガスプロムバンクに送金する。ガスプロムバンクは、市場でルーブルを購入し、輸入業者の特別なルーブル口座に送る。まさに、ガスプロム社に向けての支払いは、この口座から送られることになる。これは、対ロシア制裁を破るものではない。プーチン大統領はまた、この提案されたスキームでのガス支払いを拒否する場合は、ガスを送らないことを強調した。3月31日、ドイツのショルツ首相は、ロシアへのガス代は、現行の契約に基づいてユーロで支払うことを表明した。オーストリアのネーハマー首相との共同会見におけるショルツ氏の言葉を、ドイツのフォークス誌は「我々は契約書を見た。その中で、支払いはユーロで行われると買いてある。プーチン大統領との会話の中で、契約は契約通り残らなければならないし、そのようになる、と私は説明した」と伝えている。いっぽう、プーチン大統領は、大統領令の中身を発表しつつ、西側諸国によるロシアの金と外貨準備の凍結の後、彼らが長年にわたってロシアのガスを無料で受け取っていたことが判明したと述べた。情報筋が記者団に語ったところによると、ガスプロムの4月分輸出用ガスのいくつかの契約は、月の後半に支払いがスタートする。5月に支払い開始する契約もある。その後、西側諸国がどのように行動するか、そしてロシアがガス禁輸措置を導入するかどうかが明らかになるだろう。この間、ガス購入側である西側諸国が、支払いプロセスの改変に右往左往したり、何かの行動をしていないことは明らかだ。もしやりたいと思えば、基本契約に加えて、迅速に追加の合意を結ぶことは可能であるが、そうはしていない。世界に対して自身の経済的優位性を誇示している西側からすれば、この制裁戦争とも言うべき中で、うまく逆制裁をしているロシアに対して何らかの譲歩をするということは、受け入れられるものではないのだ。しかし遅かれ早かれ、譲歩を受け入れざるを得なくなるだろう。実際、ロシアだけでなく他の輸出国でも、支払いをを自国通貨に変え始めるという先例が作られている。特に、サウジアラビアはこの問題について中国との協議を開始している。ロシアとインドの間でも、同様のスキームが協議されている。3月31日に発表されたファイナンシャルタイムズとのインタビューで、国際通貨基金(IMF)の第一副マネージングディレクターであるギータ・ゴピナート氏は、米ドルは現在の条件下においてもグローバル通貨であり続けるが、よりローカルなレベルや二国間取引など、参加者が限定される場合は、別の通貨での取引に移行する可能性があると指摘した。これは全く米国の利益に反することである。ロシアにとって今回の措置に踏み切った主要な理由は、ガスと石油の輸出から利益を得ても、将来の凍結されてしまう可能性があるため、そのリスクを排除したいということがある。かつてイランやイラクに経済制裁が行われた際、両国には特別な口座が用意され、そこに原油販売の対価が送られていたが、その口座から引き出す資金は国民が必要な薬などの緊急輸入のためにしか使えなかった。使い道は米国によって限定されていたのだ。ロシアはこのようなリスクを避けたいのである。したがって、EUが新しい決済手続きを拒否した場合、ヨーロッパへのガス輸出を停止することは、ロシアの政治的意思のみの問題となるのだ。関連ニュース
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ロシアはガスの禁輸措置に踏み切るか?
2022年4月4日, 08:30 (更新: 2022年4月27日, 22:57) 3月31日、プーチン大統領はパイプラインで行うロシアのガスの輸出について、4月1日からルーブル決済に移行するよう大統領令に署名した。これは「非友好国」を対象にしたもので、欧州の国々が対象である。ロシアの求める方法で決済しなければ、ロシアからのガスが止まる可能性がある。日本も非友好国に入っているが、日本がロシアから購入しているのは液化天然ガスであるため、今回の変更には当てはまらない。しかしロシアが、この決定を、他の分野にも拡大する準備ができているという明確な見通しがある。石油、金属資源、石炭、そして原子力や宇宙産業分野のサービスなどに対象が拡大されるかもしれない。
3月23日、プーチン大統領は初めて、非友好国に対するロシアのガスの支払いをルーブル決済にするという決定を表明した。これは西側がロシアの資産を凍結したからであると説明。大統領はまた、反ロシア制裁が行われている状況では、ガスの貿易から生じるリスクは、ロシアにとって受け入れられないものであると強調した。
G7と欧州委員会はこれに対し、ガス代のルーブル支払いに対するロシアの要求は、ユーロ及びドル建ての契約に明らかに違反していると見なし、企業にそれを遵守しないよう促した。
ともかくも、プーチン大統領は妥協案を含む新しい手順を導入した。非友好国であるガスの買い手は、外貨で資金をガスプロムバンクに送金する。ガスプロムバンクは、市場でルーブルを購入し、輸入業者の特別なルーブル口座に送る。まさに、ガスプロム社に向けての支払いは、この口座から送られることになる。これは、対ロシア制裁を破るものではない。
プーチン大統領はまた、この提案されたスキームでのガス支払いを拒否する場合は、ガスを送らないことを強調した。
3月31日、ドイツのショルツ首相は、ロシアへのガス代は、現行の契約に基づいてユーロで支払うことを表明した。オーストリアのネーハマー首相との共同会見におけるショルツ氏の言葉を、ドイツのフォークス誌は「我々は契約書を見た。その中で、支払いはユーロで行われると買いてある。プーチン大統領との会話の中で、契約は契約通り残らなければならないし、そのようになる、と私は説明した」と伝えている。
いっぽう、プーチン大統領は、大統領令の中身を発表しつつ、西側諸国によるロシアの金と外貨準備の凍結の後、彼らが長年にわたってロシアのガスを無料で受け取っていたことが判明したと述べた。
情報筋が記者団に語ったところによると、ガスプロムの4月分輸出用ガスのいくつかの契約は、月の後半に支払いがスタートする。5月に支払い開始する契約もある。その後、西側諸国がどのように行動するか、そしてロシアがガス禁輸措置を導入するかどうかが明らかになるだろう。
この間、ガス購入側である西側諸国が、支払いプロセスの改変に右往左往したり、何かの行動をしていないことは明らかだ。もしやりたいと思えば、基本契約に加えて、迅速に追加の合意を結ぶことは可能であるが、そうはしていない。
世界に対して自身の経済的優位性を誇示している西側からすれば、この制裁戦争とも言うべき中で、うまく逆制裁をしているロシアに対して何らかの譲歩をするということは、受け入れられるものではないのだ。
しかし遅かれ早かれ、譲歩を受け入れざるを得なくなるだろう。実際、ロシアだけでなく他の輸出国でも、支払いをを自国通貨に変え始めるという先例が作られている。特に、サウジアラビアはこの問題について中国との協議を開始している。ロシアとインドの間でも、同様のスキームが協議されている。3月31日に発表されたファイナンシャルタイムズとのインタビューで、国際通貨基金(IMF)の第一副マネージングディレクターであるギータ・ゴピナート氏は、米ドルは現在の条件下においてもグローバル通貨であり続けるが、よりローカルなレベルや二国間取引など、参加者が限定される場合は、別の通貨での取引に移行する可能性があると指摘した。これは全く米国の利益に反することである。
ロシアにとって今回の措置に踏み切った主要な理由は、ガスと石油の輸出から利益を得ても、将来の凍結されてしまう可能性があるため、そのリスクを排除したいということがある。かつてイランやイラクに経済制裁が行われた際、両国には特別な口座が用意され、そこに原油販売の対価が送られていたが、その口座から引き出す資金は国民が必要な薬などの緊急輸入のためにしか使えなかった。使い道は米国によって限定されていたのだ。ロシアはこのようなリスクを避けたいのである。
したがって、EUが新しい決済手続きを拒否した場合、ヨーロッパへのガス輸出を停止することは、ロシアの政治的意思のみの問題となるのだ。