ロシアにおける韓国ビジネス:撤退すべきではあるものの・・・

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ビジネス - Sputnik 日本, 1920, 06.04.2022
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ロシアでビジネスをおこなっている多くの国際企業が、ウクライナ情勢を受けて、世界中の消費者側から「ボイコット」状態となっている。しかし、韓国企業の「オリオン」は、今のところ、利益を得られるロシア市場に残ると言明しており、トヴェリ市にある新たな工場も今年前半に稼働を開始させる計画だと「コリアタイムス」は伝えている
韓国企業が、西側からの圧力に屈することなく、また対露制裁が行われていることを背景に、ロシア国内での事業を継続することができるかどうかについて、「スプートニク」が取材した。
ロシアで2つの製造企業を持つ産業大手菓子メーカーの「オリオン」は、トヴェリの工場が、今後、中央アジア、そしてヨーロッパへと事業を拡大するための足掛かりとなるよう期待している。
ロシア科学アカデミー極東研究所の経済学博士で学術秘書のリュドミラ・ザハロワ氏は、今後の事態の展開はさまざまな要素に左右されるが、自社の経営上の利益だけを追求し、現在の情勢下の新たな現実において、韓国企業が西側の目をかいくぐることは、ほぼ不可能だと指摘する。

「韓国ビジネスは当然、ロシア市場に関心を持っており、自動車製造、電気機器製造、食料品製造などで成功を収めています。しかし、現在、韓国企業には、新たな条件下での事業展開が求められています。韓国の指導部にとっては、アジア太平洋地域における重要な戦略的パートナーである米国の立場が最優先されます。そして韓国ビジネスが米国の圧力に対抗することなどできません。さらに韓国は今月すでに、ロシア政府が承認した48の非友好国のリストに含まれる『西側陣営』に入っているのです」。

しかし現時点では、いわゆるビジネスの「再配置」が行われているだけであり、韓国製品はまだ倉庫に置かれている状況となっている。リテーラーは、在庫の商品(サムスンの電子機器を含む)は2〜3ヶ月は持つだろうとの見方を示している。
さらに、ビジネスのやり方を完全に転換するためには、かなりの時間が必要である。ザハロワ氏は、まず、米国の要求によって義務づけられるロシアに対する輸出規制措置を韓国ビジネスが実行するのに時間がかかると指摘している。

「一方で、韓国も同調すべきとされるロシアに対する西側の厳しい制裁という圧力があります。ですから、現在、輸出規制が遵守されるべき具体的な品目リストが作られています。リストに含まれるのは、半導体、メモリチップなどです。しかしもう一方で、韓国メーカーは利益をもたらしてくれるロシア市場から撤退したくはないのです。そこで、韓国ビジネスは日和見的な立場を取り、ロシアからの撤退時期を引き延ばしています」。

そしてこのような戦法は十分に根拠があるものだと言える。というのも、撤退するのは簡単であるが、その後、再び市場に戻ってくるのは難しいからである。というのも、韓国のビジネス界は、ロシア市場から手をひけば、中国企業にこれまで占めてきたシェアを奪われることになることをよく理解しているからである。
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一方、もしも状況が今後うまく運び、韓国企業がロシア市場における立場をいくらか維持できたとしても、新たな現実においては、いずれは輸送の問題が生じるだろうと専門家は指摘する。

「従来の輸送システムは、制裁の条件下では機能していません。そこで新たなシステムを作り上げる必要があります。加えて、ロシアがSWIFTから除外されたことにより、決済の問題も出てくるでしょう。問題は、韓国ビジネスや投資家がロシアへの投資を続けたとして、どうやってその利益を国外へ持ち出すかということです。しかしビジネスにとってもっとも重要なのは、輸送と決済の問題です。しかも、地政学的状況が恐ろしく混乱しているなかで、この先どうなるかを予測するのは困難です」。

現時点で、これまでロシアに多くの投資を行ってきた韓国ビジネスは、財政的な損失を被ることは覚悟している。しかし、ロシア市場を失うことは深刻なものではあるものの、それは韓国ビジネスにとって「破滅的なもの」ではない。
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