https://sputniknews.jp/20220519/11301963.html
ドンバスからの避難者を自宅で受け入れるモスクワの男性 自身も辛い境遇、でも人助けしたい
ドンバスからの避難者を自宅で受け入れるモスクワの男性 自身も辛い境遇、でも人助けしたい
Sputnik 日本
... 2022年5月19日, Sputnik 日本
2022-05-19T22:00+0900
2022-05-19T22:00+0900
2022-05-20T16:29+0900
ウクライナでの露特別軍事作戦
移民
ウクライナ
ロシア
オピニオン
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/05/13/11301927_0:161:3071:1888_1920x0_80_0_0_4da4bbf299cb760384abc7609bde89e5.jpg
無償で住居を提供するボランティアと避難者のマッチングサイト「ドンバス市民のお助け地図」に登録したうちのひとり、ウラジーミル・ネステロフさんは、モスクワに住む47歳。ネステロフさんが暮らしているのはモスクワ北西部の閑静な住宅地で、学校や幼稚園、公園が近くにあり、地下鉄駅の真横という好立地だ。バストイレとキッチン以外に二部屋あり、うち一部屋を避難者用にした。ひと家族が十分暮らせる快適な部屋だ。ボランティア登録した理由についてネステロフさんは「理由は特にありません。ボランティアの経験も何もありませんが、そういうサイトができたというお知らせを見て、ただ人助けと言うか、そうしたかったから。お金はないけれど、住むところはあるので。3月にサイトに登録し、すぐ問い合わせがありました」と話す。ネステロフさん自身、これまでの人生の中で、今が最も厳しい境遇にある。1年半前に母親を亡くした後、体調を崩して入退院を繰り返した。妻子とも別居し、さらにコロナにかかってしまい、オミクロン株の後遺症に苦しまされている。現在失業中で、仕事を探しているが、目下の経済状況ではどこも新規採用に消極的でなかなか見つからない。賃貸料の高いモスクワでは、空き部屋を貸しに出せば定期収入が得られそうだが、その考えはないという。ペットのラブラドール犬がネステロフさんの癒しだ。ネステロフさん宅では、最初に問い合わせてきた一家をすでに受け入れた。ルガンスク(ルハンシク)出身の30歳の夫と27歳の妻、もうすぐ3歳の女の子の家族だ。もちろんモスクワはロシアの中でも待遇が良く、衣類や食料品の寄付をはじめ、ボランティアも大規模に組織されている。地方都市では、教会関連組織やNPO、赤十字などの組織が避難者支援を行っているが、自分たちで情報収集や手続きをしなければならない。また、就労も大きな問題だ。地方都市への避難者の中には、ウクライナには当面戻らないと決めて全寮制の工場の仕事に就いた人もいれば、あえて一時滞在施設で暮らし、アルバイトでしのぐ人もいる。ドネツクからロストフ州・シャフトィに避難した数学教師の女性は、もといた学校の授業をオンラインでこなしつつ、空き時間に数学の家庭教師のアルバイトをし、わずかな収入を得ている。ロシアで働くこともできるが、できるだけ早く家に帰るため、あえて定職につかないと決めている。ネステロフさんは、今度はドネツクに住む家族から、滞在希望の連絡を受け取った。やはり夫妻と子どもの3人家族で、彼らはまだドネツクにいるが、避難する前にあらかじめ住む場所の目処をつけておきたいのだという。ネステロフさんは「コンロが壊れてしまったので、こちらの修理ができ次第、いつでも来てもらっていい、と話をしました」と、少しでも快適に暮らしてもらえるよう気を配っている。
https://sputniknews.jp/20220519/11298832.html
https://sputniknews.jp/20220506/11193463.html
ウクライナ
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
2022
徳山 あすか
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/703/00/7030049_1221:210:2734:1722_100x100_80_0_0_5796415ffb2e68b4f94b15ab20b3f111.jpg
徳山 あすか
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/703/00/7030049_1221:210:2734:1722_100x100_80_0_0_5796415ffb2e68b4f94b15ab20b3f111.jpg
ニュース
jp_JP
Sputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/07e6/05/13/11301927_170:0:2901:2048_1920x0_80_0_0_119215722462401649ff92d934a8c2fc.jpgSputnik 日本
feedback.jp@sputniknews.com
+74956456601
MIA „Rossiya Segodnya“
徳山 あすか
https://cdn1.img.sputniknews.jp/img/703/00/7030049_1221:210:2734:1722_100x100_80_0_0_5796415ffb2e68b4f94b15ab20b3f111.jpg
移民, ウクライナ, ロシア, オピニオン
ドンバスからの避難者を自宅で受け入れるモスクワの男性 自身も辛い境遇、でも人助けしたい
2022年5月19日, 22:00 (更新: 2022年5月20日, 16:29) ウクライナからの避難者は世界各地にいるが、ウクライナからロシアに避難してくる人も日増しに増えている。5月16日現在、軍事作戦の開始以後にウクライナ、ドンバス地方からロシア領内にやってきた人はおよそ130万人。そのうち22万3千人が子どもだ。国境に近い各地方には一時滞在施設が設けられており、その数は528か所にのぼる。しかし一時滞在施設で暮らす人は約3万4千人と、ロシアにいる全避難者の割合からみればごくわずかだ。それ以外の人は、親戚やボランティアの家に身を寄せたり、自力で住居を借りたりしている。
無償で住居を提供するボランティアと避難者のマッチングサイト「ドンバス市民のお助け地図」に登録したうちのひとり、ウラジーミル・ネステロフさんは、モスクワに住む47歳。ネステロフさんが暮らしているのはモスクワ北西部の閑静な住宅地で、学校や幼稚園、公園が近くにあり、地下鉄駅の真横という好立地だ。バストイレとキッチン以外に二部屋あり、うち一部屋を避難者用にした。ひと家族が十分暮らせる快適な部屋だ。
ボランティア登録した理由についてネステロフさんは「理由は特にありません。ボランティアの経験も何もありませんが、そういうサイトができたというお知らせを見て、ただ人助けと言うか、そうしたかったから。お金はないけれど、住むところはあるので。3月にサイトに登録し、すぐ問い合わせがありました」と話す。
ネステロフさん自身、これまでの人生の中で、今が最も厳しい境遇にある。1年半前に母親を亡くした後、体調を崩して入退院を繰り返した。妻子とも別居し、さらにコロナにかかってしまい、
オミクロン株の後遺症に苦しまされている。現在失業中で、仕事を探しているが、目下の経済状況ではどこも新規採用に消極的でなかなか見つからない。賃貸料の高いモスクワでは、空き部屋を貸しに出せば定期収入が得られそうだが、その考えはないという。ペットのラブラドール犬がネステロフさんの癒しだ。
ネステロフさん宅では、最初に問い合わせてきた一家をすでに受け入れた。ルガンスク(ルハンシク)出身の30歳の夫と27歳の妻、もうすぐ3歳の女の子の家族だ。
「女の子がロシア語とウクライナ語をごちゃまぜにしてしゃべるのが面白くてかわいかったです。彼女にはおもちゃと服をプレゼントしました。生活は別々だったので根掘り葉掘り聞くようなことはしなかったんですが、奥さんによると、一家がいたのはロシアのコントロール下ではないところだったので、そこから脱出するのはものすごく大変だったという話をしてくれました。旦那さんが建設現場の仕事を見つけて、職場に近いところに移るということで、つい先日引っ越していかれました。避難者を受け入れてみて、人道支援が行き届いているのを感じました。人道支援センターに避難者として登録すると、色々な支援が受けられます。うちにも、ボランティアグループが、食品がつまった巨大なスーパーの袋を届けにきました。全部で8袋あって、それが1週間分の食料とのことです。それ以外にもおもちゃとか、避難家族全員分の靴、キックボードまであったのには驚きました。」
もちろんモスクワはロシアの中でも待遇が良く、衣類や食料品の寄付をはじめ、ボランティアも大規模に組織されている。地方都市では、教会関連組織やNPO、赤十字などの組織が避難者支援を行っているが、自分たちで情報収集や手続きをしなければならない。
また、就労も大きな問題だ。地方都市への避難者の中には、ウクライナには当面戻らないと決めて全寮制の工場の仕事に就いた人もいれば、あえて一時滞在施設で暮らし、アルバイトでしのぐ人もいる。ドネツクからロストフ州・シャフトィに避難した数学教師の女性は、もといた学校の授業をオンラインでこなしつつ、空き時間に数学の家庭教師のアルバイトをし、わずかな収入を得ている。ロシアで働くこともできるが、できるだけ早く家に帰るため、あえて定職につかないと決めている。
ネステロフさんは、今度はドネツクに住む家族から、滞在希望の連絡を受け取った。やはり夫妻と子どもの3人家族で、彼らはまだドネツクにいるが、避難する前にあらかじめ住む場所の目処をつけておきたいのだという。ネステロフさんは「コンロが壊れてしまったので、こちらの修理ができ次第、いつでも来てもらっていい、と話をしました」と、少しでも快適に暮らしてもらえるよう気を配っている。