NARUTOからウィッチャーまで=いかにしてコスプレがロシアのオタク少女の人生の意味になったのか

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NARUTOからウィッチャーまで=いかにしてコスプレがロシアのオタク少女の人生の意味になったのか - Sputnik 日本, 1920, 23.05.2022
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ロシアのナタリヤ・コチェトコワさんが漫画やアニメに夢中になり始めたのはティーンエイジャーの頃。14歳のときに初めて、お気に入りのキャラクターになりたいと思うようになり、以来、彼女はこの趣味に夢中になり、うちはサスケ、奈良テマリ(NARUTO)、アニ・レオンハート、エレン・イェーガー(進撃の巨人)、ツィリ(ウィッチャー)などに姿を変えてきた。「スプートニク」はナタリヤさんに、一番お気に入りのキャラクター、これまでもっとも難しかった衣装、コスプレーヤーがたびたび見る悪い夢などについてお話を伺った。
好きなキャラクターと宇宙―NARUTO、進撃の巨人からウィッチャー、World of Warcraftまで
「2008年に初めて日本のポップカルチャーをテーマにしたフェスティヴァルに行きました。以来、ほぼ14年にわたって、コスプレをしています。最初の衣装は、母と祖母に手伝ってもらって作ったのですが、それがNARUTOのうちはサスケでした。その後、誰の手も借りずに、自力で作った最初の衣装はLamento -BEYOND THE VOID-のコノエで、それがコスプレーヤーとしての道を歩み始めたスタート地点だったと思っています。その後、同じ趣味の人たちと知り合い、それ以来、2〜3ヶ月に1回あるイベントごとに新しい衣装を作るようになりました。こうしてわたしの趣味が始まり、それが時とともに自分にとっての主な活動になりました」。
この間、ナタリヤさんは多くのキャラクターの衣装を作ってきた。その主なものは、エアリス・ゲインズブール、ティファ・ロックハート、ユフィ・キサラギ(ファイナルファンタジーVII)、ユウナ(ファイナルファンタジーX)、アクア(キングダムハーツ)、ソン・ミナ、ティラ (ソウルキャリバー)、ジル・バレンタイン、エイダ・ウォン、クレア・レッドフィールド(レジデントイーヴィルシリーズ)、キリン、アルズロス(モンスターハンター)、レディ(デビルメイクライ) など、ビデオゲームの登場人物である。
この2年ほど、ナタリヤさんは再びアニメのキャラクターのコスプレをするようになった。たとえば、エレン・イェーガー、アニ・レオンハート(進撃の巨人)、紅葉ほむら(Dr.Stone)、テマリ(NARUTO)などだという。
またナタリヤさんはウィッチャー3、League of Legendsの登場人物、そしてWorld of Warcraftの15種類以上の衣装を作った。中でも気に入っているのはツィリ、サリー・ホワイトマン、ティランダなのだそうだ。
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リーグ・オブ・レジェンド

『リーグ・オブ・レジェンド』 - Sputnik 日本
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リーグ・オブ・レジェンド

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『World of Warcraft』

『World of Warcraft』 - Sputnik 日本
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『World of Warcraft』

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『ウォーハンマー』

『ウォーハンマー』 - Sputnik 日本
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『ウォーハンマー』

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『モータルコンバット』

『モータルコンバット』 - Sputnik 日本
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『モータルコンバット』

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「マーベル・シネマティック・ユニバース」

「マーベル・シネマティック・ユニバース」 - Sputnik 日本
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「マーベル・シネマティック・ユニバース」

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『World of Warcraft』

『World of Warcraft』 - Sputnik 日本
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『World of Warcraft』

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リーグ・オブ・レジェンド

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『World of Warcraft』

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『ウォーハンマー』

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『モータルコンバット』

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「マーベル・シネマティック・ユニバース」

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『World of Warcraft』

「自分の手で何かを作れると思えるのは嬉しいこと」

「鎧を作ったり、鎧や小道具に色をつけたり、それをよりリアルに見せるための細かいディーテールを作ったりするのが好きです。それからメイクも好きですね。でも何より好きなのは、出来上がったものを見て、自分の努力が形になったことを確認することです。自分の小さな計画が実際のものとなり、それまではイメージでしかなかったアイデアが形になるのを目にするのは最高です。自分の手で何かを作ることができるというのを感じるのはとても嬉しいことです」。
2020年まで、ナタリヤさんは夫の協力を得ながら、すべてを1人でこなしていた。すべて自分で調べ、情報を収集し、インターネットでチュートリアルを探していた。それは簡単なことではなかったとナタリヤさんは言う。2007年から2010年にかけて、ロシア語では得られる良い情報は少なかったことから、手元にあるもので衣装を作り、工夫を凝らさなければならなかったという。
「2020年にフェスティヴァルが中止されるようになってから、わたしは撮影会に集中するようになり、それまでの何倍も写真を撮るようになりました。質を落とさないために、わたしはパーツをオーダーしたり、ウィッグを職人に頼んだり、友人と衣装を交換したり、ときにはショップで既成の衣装を注文したりするようになりました。そうすることで、より多くのイメージを作り出すことができるようになりました。しかしながら、それで仕事が楽になった訳ではありません。ウィッグは自分の顔に合わせて調整しなければなりませんし、既成の衣装は縫い直したり、体型に合わせて詰めたりしなければならないからです。
わたしにとってクラフトは何よりも面白いので、自分でやるようにしています。概して、コスプレーヤー自身が何もかも自分でしなければならないとは思っていません。わたしは12年間、コスプレの衣装作りをしていますが、実際に作れるのは、作りたいと思っている数よりはるかに少ないです。しかし、誰かの手を借りれば、イメージはずっと早くできますし、職人さんたちに仕事を与えることもできます。
布では限られたものしかできませんが、ウレタンフォームを使えば、剣から鎧までなんでも作ることができます。また布だと色も種類も量も限られるためです。それからウィッグも作るのは難しいです。進撃の巨人のアニのウィッグを作ったときは10日もかかりました。でもウィッグ作りは面白いので、できるだけ頻繁に練習するようにしています」。
© 写真進撃の巨人
進撃の巨人 - Sputnik 日本, 1920, 22.05.2022
進撃の巨人
ナタリヤさんによれば、1つのイメージを作り上げるのに必要な時間は、さまざまな要素に左右されるという。難易度、材料があるかどうか、作りたいという気持ちやインスピレーション、作業に充てられる時間がどれだけあるかなど。たとえば、レジデントイーヴィル2リメイクのクレア・レッドフィールドの普段着のほとんどはクローゼットの中で見つけることができたため、一晩でできたのだそうだ。またどれだけ早く作れるかは、インスピレーションにもよるのだという。またナタリヤさん曰く、彼女のコレクションの中には途中で放り出した衣装もあるとのこと。作り始めたWorld of Warcraftの衣装で、もう何年も置いたままになっているものがいくつかあるのだそうだ。週に数日、衣装作りができるときには、完成までの時間が読みやすく、中程度の難易度の鎧を作るのには3〜4週間、もっとも難しいものだと1ヶ月半から3ヶ月かかることもあるという。これまでにもっとも長くかかった衣装は、ナタリヤさんの夫のために作ったアルタスの衣装で、完成まで半年費やしたそうだ。
© 写真『World of Warcraft』
『World of Warcraft』 - Sputnik 日本, 1920, 22.05.2022
『World of Warcraft』
ナタリヤさんは、コスプレーヤーというのは衣装のことで心配ごとが多いと打ち明ける。「面白いことにコスプレーヤーは同じ筋書きの悪夢を何度も見ることがあるんです。それは、もうフェスティヴァルに行かなきゃならない、コンクールのステージに立たなきゃいけないというときに、まだ衣装ができていないとかまだ作り始めてもいないという夢です。コスプレーヤーなら誰でもそんな夢を一度は見たことがあるのではないでしょうか」。

写真の加工、ナチュラルさ、ヘイター

ナタリヤさんはかなりの人気がある(ナタリヤさんのインスタグラムのアカウント@narga_lifestreamには16万人以上のフォロワーがいる)が、普段の生活でネガティブなことに直面することは少ないと話す。批判や不満はインターネットのコメントで寄せられることが多いのだそうだ。
© 写真『ファイナルファンタジーVII』
『ファイナルファンタジーVII』 - Sputnik 日本, 1920, 22.05.2022
『ファイナルファンタジーVII』
「写真やコスプレについてのあれこれを知らない人たちは、単に照明をうまく使って明暗をつけた加工写真だと思うようです。もちろん、すべての写真が加工されているのは明らかです。ただし、追加的な加工としては、カメラマンに後で3Dに編集できるよう照明を置いてもらうよう頼むことがあります。そうすることで、実際にはありえないような場所を作り出すことができるからです。たとえば、魔法の世界への入り口、あるいは真夏に冬のシーンを作るなどです。オリジナルにある特定のシーンを再現するために、そのような撮影もしました。これがコスプレーヤーとしてのわたしの仕事の意味を軽減するものだとは思いません。逆にこれはカメラマン、レタッチャー、コスプレーヤーが力を合わせた一つの作業になっていると思います」。
加えて、ナタリヤさんは、最近はやさしい色修正を中心としたナチュラルさがトレンドになっていると指摘する。
「ここ数年、実際、写真に過剰に手を加えないよう、マジック効果は使わないようにしています。自分の顔や体を編集されすぎるのはあまり好きではないのです。写真を見たときに、それが自分であると分かることが大事だからです。それに編集作業は少なければ少ないほど、加工も早く終わります。長く待たされるのは好きではないんです」。
© 写真『Dr.STONE』
『Dr.STONE』 - Sputnik 日本
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『Dr.STONE』
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『モンスターハンターシリーズ』 - Sputnik 日本
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『モンスターハンターシリーズ』
© 写真キングダム ハーツ シリーズ
キングダム ハーツ シリーズ - Sputnik 日本
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キングダム ハーツ シリーズ
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『Dr.STONE』
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『モンスターハンターシリーズ』
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キングダム ハーツ シリーズ
現在、ナタリヤさんの生活や仕事のほとんどがコスプレに結びついている。ナタリヤさんは閉ざされた情報空間の中に生きていて、クリエイティブな仕事に関係のない人たちとコンタクトを取ることは少ない。
「夫もコスプレーヤーですし、友人も、コスプレーヤー、カメラマン、クラフトアーティスト、衣装アーティストといった人たちばかりです。わたしがこれまでにした世界旅行もコスプレのおかげでできたものです。夫と共に、招待客や審査員として、コスプレフェスティバルに招かれました。コスプレーヤーに対する批判的な意見は基本的にソーシャルネットワークで目にするだけで、実際に会って何か言われたというような経験はほとんどありません。大体の人は、それが一体何のイメージなのか興味を持ってくれて、なぜそんなことをしているのかと尋ね、それから自分でもコスプレをするようになるんです。それって本当に素晴らしいことだと思います」。
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