ドネツク人民共和国の自警団 - Sputnik 日本, 1920, 31.01.2022
ウクライナでの露特別軍事作戦
ロシアは2022年2月24日、ウクライナで軍事作戦を開始した。プーチン大統領は、その作戦の目的を「8年間ウクライナ政権によって虐待や大量虐殺にさらされてきた人々を守ること」だと述べた。プーチン大統領は、この目的のために「ウクライナの非軍事化と非ナチ化」を計画していると語った。西側諸国は、特別作戦に関連して、ロシアに対する新たな厳しい制裁を発動した。

特殊軍事作戦の義勇兵志願者はどんな訓練をしている? チェチェンのロシア特殊部隊大学に潜入取材

© Sputnik / Ilya Pitalev / メディアバンクへ移行ロシア特殊部隊大学
ロシア特殊部隊大学 - Sputnik 日本, 1920, 20.07.2022
サイン
筆者は現在、チェチェン共和国グデルメスという町にある、ロシア特殊部隊大学という、一風変わった名前の場所にいる。ここはチェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長のイニシアティブによって2013年に開校した特別訓練所で、ロシアや友好的な諸外国を対象に、プロの軍人から趣味の民間人まで、様々な分野であらゆるレベルの訓練を行ってきた。現在ここではウクライナにおける特殊軍事作戦に参加するため、いわゆる義勇兵と呼ばれる人たちが訓練をしている。その模様を現地からお伝えする。
※本稿はロシア特殊部隊大学取材・前後編の前編です。後編(訓練体験記)はこちらをどうぞ。
そもそも義勇兵とはプロの軍人ではなく、元々は一般人であるが、限られた期間、自分の意思でロシア国防省と契約を結び、軍事作戦に参加する人たちである。自分の身を守り、現地で必要な技術を身につけるため、ロシア中のあらゆるところから志願者が集まってくる。元職業軍人だったという人から、全く軍事には縁遠かった人まで、実に多様だ。
© Sputnik / Ilya Pitalev / メディアバンクへ移行インストラクターは一人一人に丁寧に指導
Российский университет спецназа в Гудермесе - Sputnik 日本, 1920, 20.07.2022
インストラクターは一人一人に丁寧に指導
滞在初日、まずは射撃訓練を見学した。インストラクターは一人一人に、構え方、狙う角度などを細かく指導する。筆者は10メートルほど離れたところにいたのだが、長距離射撃の後では、まずは身体が上下するほどの振動があり、火薬のにおいが漂ってから、ようやく「ブン!」という音がし、灰色の煙が立ち上った。中距離射撃では20人以上が横一列になり、構えて撃つまでのプロセス、撃ってからの流れを細かく確認していた。
義勇兵の訓練を始めて1週間、という人に話を聞いた。全くの素人だったが、かなりの時間を銃の扱いに費やし、今では頭で考えるよりも先に身体が動くようになったという。それ以外にも、応急手当てや負傷した仲間の助け方などの講習がある。通常の訓練は1日6時間で、それを2週間続ける。その間に技術をうまく習得できなかった場合は、次の新人訓練者のコースに入ってやり直すこともできるし、自分が全く向いていないとわかった場合は、訓練そのものを辞めて帰宅することもできる。
© Sputnik / Ilya Pitalev / メディアバンクへ移行様々な体勢から撃つ練習を行う
様々な体勢から撃つ練習を行う - Sputnik 日本, 1920, 20.07.2022
様々な体勢から撃つ練習を行う
初日からたくさんの志願者と会話することができた。年齢層は、下は19歳から上は53歳までと幅広かった。ボルゴグラード出身のアルメニア人男性は、自分は民族的にはアルメニア人だが、ロシア人のメンタリティを理解していて、軍人として働いたこともないが、この状態を黙って見ていられないと義勇兵に応募した。
インストラクターの一人は好ましい義勇兵の素質として「チーム精神が大事」と指摘するが、共通の目的で集まっているだけあって、年齢差が大きくてもチームワークに問題はないようだ。クラスノダール出身の53歳の男性は、すでにウクライナに行って戻ってきた19歳の男性のことを「彼のことを男として尊敬している」と話した。この若者は、帰還後2度目の訓練を受けている最中だ。
義勇兵になった理由は「現在の状況を座って見ているのが耐えられない、自分も貢献しなくては」という人がほとんどだが、ヴォロネジ出身の23歳の青年は「ロシア人は誇り高く強い精神を持っていると証明したいから」と話した。この人もまた、2度目の訓練中だった。2か月間ウクライナで職務をこなし、上官の命令で戻ってきた。
© Asuka Tokuyama取材に応じる訓練中の義勇兵志願者
取材に応じる訓練中の義勇兵志願者 - Sputnik 日本, 1920, 20.07.2022
取材に応じる訓練中の義勇兵志願者
ここでトレーニングをしているのは、義勇兵志願者だけではない。プロの軍隊、主にはロシア国家親衛隊のチェチェン人部隊だ。ピストル射撃の訓練場に行ってみると、先程、義勇兵のインストラクターをやっていた人の姿があった。その人は、腕を鈍らせないため、午後は自分のトレーニングの時間にあてているのだという。15人同時に撃つので、見学していると鼓膜がすごいことになる。
また、自動てき弾銃の訓練も見学した。投射機を使用して爆弾を遠くへ飛ばす。2人1組で携帯し、1分以内に組み立てて標的を狙う。まずは角度や気温など、あらゆる要素を考慮して正確に組み立てることを目標にし、それがクリアできたらスピードを追求する。
© Sputnik / Ilya Pitalev / メディアバンクへ移行チェチェン軍人の訓練
チェチェン軍人の訓練 - Sputnik 日本
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訓練が終わってみると、特殊部隊という名とは裏腹に、とてもフレンドリーな人たちだ。「女性はスナイパーに向いているからどう?」と訓練のお誘いを受けた。もちろんプロとは別だが、冒頭で紹介したように、この大学では民間人も学べ、期間や内容をカスタマイズした「マイコース」も組めるというから、驚きである。筆者が宿泊するホテルは大学の敷地内にあるが、そこにはたくさんの民間人が宿泊していて、実に人気があることがわかる。
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