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深刻な日露間の物流問題、解決の糸口は? まもなく日本に子会社設立の露大手トランスコンテナにインタビュー
深刻な日露間の物流問題、解決の糸口は? まもなく日本に子会社設立の露大手トランスコンテナにインタビュー
Sputnik 日本
... 2022年7月27日, Sputnik 日本
2022-07-27T19:35+0900
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スプートニク:現在抱えている物流の問題点についてお聞かせください。フルトコフ氏:現在、日本からロシア、ロシアから日本への貨物輸送拡大のための大きな困難の一つは経済制裁です。日露間の貿易取引の基盤となっていた輸送品の数々(各種建設重機、トラック、ショベルカー)を含む制裁規制があります。そのため、これらのものが運ばれていないか、監視しなければなりません。また、国際決済の条件が変わり、日本の銀行がお金を受け取る際に、送金の正当性を示す輸送契約書や荷受書等を追加で要求されるようになりました。銀行における確認作業や日本の法人への送金に数週間かかることもあり、その間、クライアントは商品の発送を進めることができません。こうした環境下では、対外貿易活動の当事者間で効率的かつ迅速なやりとりを構築し、決済プロセスを迅速化することが必要です。日本に子会社を設立すれば、決済は日本の法人間でのやりとりになるので、送金手続きが簡素化されることを期待しています。日露間海上輸送の担い手の顔ぶれが変わったことを背景に、トランスコンテナでは、複合輸送サービスの一環として海上輸送を手がけるようになりました。日本の港から中型貨物船でまずは韓国・釜山まで運ばれ、そこからロシアのボストーチヌイ港まで輸送されます。釜山とボストーチヌイ間は週に1回、定期的に船が出ています。スプートニク:決済の簡素化以外に、子会社にはどのような機能を期待しますか。フルトコフ氏:トランスコンテナジャパンの設立は、トランスコンテナの日本におけるビジネスのさらなる拡大を促進し、日本の荷主・運送会社とロシアの輸入企業との相互理解と協力関係を強化するものです。新しくできる子会社は、お客様と連携し、トランスコンテナのワンストップ・サービスを推進していきます。ボストーチヌイ港を経由したロシア・欧州向けの複合輸送、コンテナ移設、物流基地(コンテナデポ)のコーディネート、現地企業・団体・当局との契約関係の構築・サポートに焦点を当てていきます。トランスコンテナジャパンでは、ご要望に応じて、日本、ロシア、欧州の協力会社を活用した、特殊コンテナにおける輸送の手配も行います。スプートニク:トランスコンテナは、中国に複数の子会社を設立することを発表しました。中国との物流状況は日本より良好ですか。フルトコフ氏:はい、今のところ、中国との物流構築の機会は増えています。ロシア極東において最大のコンテナターミナルを有する「イースタン・ステべドアリング社」(トランスコンテナの株主Delo Groupが共同出資する「グローバル港」の一部)を利用した複合輸送ソリューション(一つの契約内で複数種類の異なった輸送を行う)だけでなく、様々な地点の陸上国境を越えて貨物を送ることができるためです。例えば7月上旬、トランスコンテナはロシアで初めて、沿海地方にあるカミショーバヤ駅の国境を通過させて、中国からロシアへの貨物を輸入しました。この新ルートは、既存の満州里―ザバイカリスクと綏芬河―グロデコヴォの陸上国境通過を通じたソリューションを補完するものです。日本とヨーロッパの間の輸送は、歴史的にはスエズ運河を経由する海上輸送がメインでしたが、ここ数年は極東の港とシベリア鉄道を経由する複合輸送ルートが効果的で、納期を約1.5倍短縮できます。我が社は従来からこれを活用する方向でルートを構築してきました。スプートニク:アジア、特に日露間の物流について、今後どのような見通しをお持ちですか。フルトコフ氏:多くのことが、地政学的な状況によって左右されると考えています。今は相互の制裁のせいで日露間の輸送が制限されていますが、私たちは、ロシア企業が日本発着の貨物輸送に関心を持っていることはわかっています。トランスコンテナ社の子会社を日本に開設することで、日露間の安定的なコンテナ輸送が可能になると確信しています。関連ニュース
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深刻な日露間の物流問題、解決の糸口は? まもなく日本に子会社設立の露大手トランスコンテナにインタビュー
日露間の物流問題が深刻だ。特に日本からロシア向けはひどく、7月下旬現在、一般レベルでは小包はもちろん、書類さえも送れない。第三国を経由して送ったり、出張者のスーツケースに詰め込むなど、未だかつてない不便に直面している。今、日露間の物流で何が起こっているのか、ロシアの物流大手トランスコンテナ社のアジア太平洋地域ビジネス開発ディレクター、ウラジーミル・フルトコフ氏に話を聞いた。同社はユーラシア大陸におけるコンテナ鉄道物流のリーディングカンパニーで、ロシア国内に37の鉄道ターミナルを持つほか、3つの鉄道ターミナルを子会社や合弁会社の形で運営している。トランスコンテナはまもなく日本で子会社を設立する。
スプートニク:現在抱えている物流の問題点についてお聞かせください。
フルトコフ氏:現在、日本からロシア、ロシアから日本への貨物輸送拡大のための大きな困難の一つは経済制裁です。日露間の貿易取引の基盤となっていた輸送品の数々(各種建設重機、トラック、ショベルカー)を含む制裁規制があります。そのため、これらのものが運ばれていないか、監視しなければなりません。また、国際決済の条件が変わり、日本の銀行がお金を受け取る際に、送金の正当性を示す輸送契約書や荷受書等を追加で要求されるようになりました。銀行における確認作業や日本の法人への送金に数週間かかることもあり、その間、クライアントは商品の発送を進めることができません。こうした環境下では、対外貿易活動の当事者間で効率的かつ迅速なやりとりを構築し、決済プロセスを迅速化することが必要です。日本に子会社を設立すれば、決済は日本の法人間でのやりとりになるので、送金手続きが簡素化されることを期待しています。
日露間海上輸送の担い手の顔ぶれが変わったことを背景に、トランスコンテナでは、複合輸送サービスの一環として海上輸送を手がけるようになりました。日本の港から中型貨物船でまずは韓国・釜山まで運ばれ、そこからロシアのボストーチヌイ港まで輸送されます。釜山とボストーチヌイ間は週に1回、定期的に船が出ています。
スプートニク:決済の簡素化以外に、子会社にはどのような機能を期待しますか。
フルトコフ氏:トランスコンテナジャパンの設立は、トランスコンテナの日本におけるビジネスのさらなる拡大を促進し、日本の荷主・運送会社とロシアの輸入企業との相互理解と協力関係を強化するものです。新しくできる子会社は、お客様と連携し、トランスコンテナのワンストップ・サービスを推進していきます。ボストーチヌイ港を経由したロシア・欧州向けの複合輸送、コンテナ移設、物流基地(コンテナデポ)のコーディネート、現地企業・団体・当局との契約関係の構築・サポートに焦点を当てていきます。トランスコンテナジャパンでは、ご要望に応じて、日本、ロシア、欧州の協力会社を活用した、特殊コンテナにおける輸送の手配も行います。
スプートニク:トランスコンテナは、中国に複数の子会社を設立することを発表しました。中国との物流状況は日本より良好ですか。
フルトコフ氏:はい、今のところ、中国との物流構築の機会は増えています。ロシア極東において最大のコンテナターミナルを有する「イースタン・ステべドアリング社」(トランスコンテナの株主Delo Groupが共同出資する「グローバル港」の一部)を利用した複合輸送ソリューション(一つの契約内で複数種類の異なった輸送を行う)だけでなく、様々な地点の陸上国境を越えて貨物を送ることができるためです。例えば7月上旬、トランスコンテナはロシアで初めて、沿海地方にあるカミショーバヤ駅の国境を通過させて、中国からロシアへの貨物を輸入しました。この新ルートは、既存の満州里―ザバイカリスクと綏芬河―グロデコヴォの陸上国境通過を通じたソリューションを補完するものです。
日本とヨーロッパの間の輸送は、歴史的にはスエズ運河を経由する海上輸送がメインでしたが、ここ数年は極東の港と
シベリア鉄道を経由する複合輸送ルートが効果的で、納期を約1.5倍短縮できます。我が社は従来からこれを活用する方向でルートを構築してきました。
スプートニク:アジア、特に日露間の物流について、今後どのような見通しをお持ちですか。
フルトコフ氏:多くのことが、地政学的な状況によって左右されると考えています。今は
相互の制裁のせいで日露間の輸送が制限されていますが、私たちは、ロシア企業が日本発着の貨物輸送に関心を持っていることはわかっています。トランスコンテナ社の子会社を日本に開設することで、日露間の安定的なコンテナ輸送が可能になると確信しています。