原発、水素、太陽光… 温暖化世界は石油ガスの代替に何を選ぶ?

© Flickr / Cherrylynx地球温暖化
地球温暖化 - Sputnik 日本, 1920, 29.07.2022
世界各地での異常高温や突然の自然災害に加え、地球規模の気候変動は石油やガスなどの化石燃料資源の生産にも脅威を与えている。スプートニクは、何が石油やガスに代替できるか、欧州の石炭回帰は経済にどう影響するか、パンデミックによる減産も地球のために功を奏さなかったのはなぜかという疑問を専門家らになげかけた。

温暖化で節約は不可能

オブホフ記念大気圏物理学研究所の副所長でロシア科学アカデミー、地理学研究所、気候学実験室のウラジーミル・セミョーノフ室長は、地球温暖化が地球市民の消費に与える影響は二通りあるとして、次のように述べている。
「暖房費は確実に減る。だが、空調により多くのエネルギーが費やされる。しかし、危険性はもうひとつある。暖房設備は、夏場は水の冷却を行う必要がある。気温が25〜27度まで上がると、原子力、ガス、石油、石炭のいずれの発電施設も出力は一気に低下する。エネルギー分野ではこれは大きな問題だ」
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ユネスコの後援する国際持続可能エネルギー開発センターの気候学の専門家、ミハイル・ユルキン氏はスプートニクからの取材に、気候変動で世界が負うリスクは地域によって異なるとして、次のように語っている。
「異常な熱波以外にもリスクはある。例えば永久凍土の破壊がそうだ。これは、銅、錫、金、そして石油ガスといったベースとなる資源の採掘を危険にさらしている」
ユルキン氏は化石燃料へのアクセス問題はその国のエネルギー安全保障にとって潜在的な問題だとして、次のように語っている。

「この地球温暖化は今までに例がない。なぜならこれは人為的であり、極めて急激に起きているからだ。これだけ急速な温暖化は地球は経験したことがない。過去100年で地球の温度は1度上昇した。これはものすごく速いテンポであり、地球がこうした異常事態にどう反応するかは、予測することさえできない。地球の反応速度は小惑星の落下速度に匹敵すると言える。

化石燃料はエネルギー安全保障を100%約束するものにはならない。代替エネルギー源を開発する以外の道は我々には残されていないのだ。この先、一世代から二世代で今、我々が地底から採掘しているエネルギー源はもう手に入らなくなる」

欧州の石炭回帰は二歩後退

ユルキン氏は、気候変動が石炭生産に与える影響は最も小さいとしながらも、石炭は気候にとって最も危険なエネルギー源であると指摘する。
「石炭はガスに比べて燃焼時のCO2排出量が40%多い。欧州が石炭に回帰せざるを得ないのは必要に迫れたからであり、だからといってグリーンエネルギーへ向かう流れに終止符を打つわけではない。
欧州の石炭火力発電所稼働は同時に、代替エネルギーの出力を加速度的に増加させる。なぜなら石炭への回帰は過去への二歩後退であることは皆、百も承知だからだ。現在の化石燃料の価格高騰は、代替エネルギーへの投資に拍車をかけている。水素経済という考え方は、現状ではより切迫感を帯びた。これはもはや気候問題にとどまらず、多くの国々のエネルギー安全保障に関わっている」
ユルキン氏は、もうひとつの潜在的なエネルギー源として近代化された原子力発電所を指摘している。
「これは我々が慣れ親しんできた原子力エネルギーではなく、出力が小さく、追加の安全システムがある原発のことを指している。いかに原子力エネルギーを安全性が高く、調節できるものにするかという方向性では多くの研究が行われている。原子力エネルギーの抱える問題はひとつには、『今日は多く、明日は少なく』といったレジームでは発電できないことがある。原子力エネルギーに大きく依存する、例えば仏などもこの問題に直面している。大気の温度が高い場合、原子炉の冷却はできないため、稼働を止めざるを得なくなる。実際にそうした事態を仏は数度経験している。つまり稼働を抑えざるを得ない。つまり、原発は存在するが、気温が高くて稼働できない。だから原発があるからといって、地球温暖化が災いして送電の保証がなりたたない」
ユルキン氏は代替エネルギーの中で最も進んでいる技術として太陽光と風力エネルギーを挙げ、過去10〜15年で太陽エネルギー価格は5分の1と、従来のエネルギーと同程度の価格になったと指摘している。
「この採掘方法の欠点は、常に太陽が照り、風が吹いているとは限らない点だ。その解決策は、いわゆる「相互接続」というネットワークの拡張。異なる気候帯をカバーするネットワークのボリュームが必要なのです。あるゾーンで風と太陽がなくても、別の部分にはある。つまりシステムはグローバルなものになりつつある。特に多くの欧州諸国のように小国であれば、1カ国の中だけで電力供給を賄うことはできない。もうひとつの方法は、気候変動に影響を与えない『グリーン水素』。これはグローバルなプロジェクトであり、全体を統一する力としてスタートしうるものだが、それは紛争や対立がないことが前提であり、制裁が行われる中でグローバルなエネルギーネットワークの構築はありえない」
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