中立国と見せかけながら、密かに親ロシア的立場に移行するインド

© Flickr / Sanyam Bahgaインド旗
インド旗 - Sputnik 日本, 1920, 01.09.2022
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サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は、露米の対立において中立的な立場に立っているとするインドの主張は明確な疑いを呼び起こすものだと指摘している。
記事では、新聞社にある情報によれば、ロシア産の石油が米国による制裁を回避する形で、インドの港を通過して輸送され続けており、これはインド政府が自国の地政学的利益を優先し、重要なパートナーである米国との関係を激化させていることを意味すると記されている。インドは、ロシア産石油の輸出を含む米国とそのパートナー国がロシアに対し発動した経済制裁を遂行しておらず、それにより、ロシアは自国の経済を維持することが可能となっているとサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は指摘している。
新聞によれば、最近、もともとロシアから遠回りしてインドの港に輸送され、グジャラート州で加工された石油がニューヨークに運ばれたという。米国はインドのこうした行動に懸念を抱いていると新聞は強調している。また記事では、インド政府は当初から、ウクライナを支援する米国を中心とした同盟国が講じた措置には反対していたと強調されている。
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とりわけ、国連安保理や国連総会で、ロシアに対する決議案が話し合われたときにも、インドは棄権している。しかもインドはロシアとの関係を維持し続けており、貿易経済関係を発展させている。ロシアからの実質的な石油の輸入は、インドの石油製品の買い付け全体のほぼ20%を占めている。
加えて、2022年6月、その輸入量は5月に比べ、15.5%増加し、同時にこれまでの伝統的な供給元であるイラクやサウジアラビアからの輸入は、それぞれ、10.5%、13.5%減少した。
そこでサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は、インドは中立的な立場であると見せかけて、実際には「静かな親ロシア的立場」をとっているということをそろそろ認めるべきときがきたと書いている。
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しかも、インドは、インド太平洋地域における米国の対中国戦略プログラムで中心的な位置を占めており、クアッド(日米豪印戦略対話)の加盟国となっている。またインドはこれ以外にも、さまざまな分野において、米国との協力に関する数多くの協定を締結している。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は、これらの合意によって、インドは地域における極秘の軍事通信や、米国の秘密の兵器などにアクセスすることが可能となっている点を指摘する。しかし、米国からの強力な抵抗にもかかわらず、こうした合意も、インドとロシアとの間で地対空ミサイルS400購入に関する契約が締結される妨げにはなっていない。しかも、インドの兵器の70%は今も、ロシア製のもので構成されていると記事の筆者は指摘している。
またインドは上海協力機構のメンバーでもあり、BRICSの重要なメンバーでもあるが、いずれの組織も、米ドルの支配や現存する世界秩序にはかなり批判的な態度を示しているとサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は強調している。
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記事の筆者によれば、インド政府は米国とのパートナー関係を発展させているが、ロシアとの伝統的な関係を断絶するつもりはないという。なぜならインドは中国およびパキスタンという2つの前線で戦争が勃発した際に、ロシア政府の支援を期待しているからである。しかも、インドの国民の大部分が、ソ連時代から発展してきたロシアとの良好な関係を高く評価している。ウクライナでの特別作戦が開始された直後から、インドでは、ソーシャルネットワーク上で、#IStandWithPutin(プーチンを支持します)や#istandwithrussia(ロシアを支持します)といったハッシュタグが人気となっているのも偶然ではないと筆者は述べている。
米国はインドのこうした二重の立場に不満を感じているが、インドが気分を害し、これまでに締結した地政戦略学的な協定の遂行をインドが拒否するようなことにならないよう、厳格な行動には出られずにいる。
こうしたインドの行動は、結果として、共通した対露戦線を分断させ、ウラジーミル・プーチン大統領を助けることになっているとサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙は指摘し、インドがこの問題においてどちらの側に立つのかはっきりするよう呼びかけている。
2022年の秋に、米国とインドが、中印国境の係争地付近で軍事演習の実施を計画しているというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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