ドイツ外相がウクライナの徹底抗戦を支持、野党の猛烈な批判を呼ぶ
2022年9月2日, 13:15 (更新: 2022年9月2日, 16:47)
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アンナレーナ・ベアボック独外相がドイツにおける有権者の意見を度外視してでもウクライナへの支援を必要な限り実施すると表明したことを受け、野党「ドイツキリスト教民主同盟」や、「左翼党」、「ドイツのための選択肢」の党幹部から批判が相次いだ。
ベアボック外相は8月31日にチェコの首都プラハで演説を行った中で、次のように発言した。
「私がウクライナの皆さんに対し、皆さんが必要と思うまで私たちは共にいると約束した以上、私はこの約束を守ります。ドイツにいる私の有権者が何を思うかは大事ではない。私はウクライナの人々に対する約束を守りたい」
“I want to deliver to the people of Ukraine… No matter what my German voters think.” Foreign Minister of Germany @ABaerbock
— Kim Dotcom (@KimDotcom) September 1, 2022
If only Germany/NATO would have kept their promise to Russia not to expand NATO eastwards in exchange for giving up East Germany. pic.twitter.com/0FjdpUo46h
こうした発言にドイツの野党は批判を強めている。その例として、「左翼党」 の元党首、ザーラ・ヴァーゲンクネヒト議員はベアボック外相の発言について、ドイツの有権者ではなくウクライナの有権者を優先することは間違いであり、ドイツにとって危険であると非難した。
また、「左翼党」のセヴィム・ダグデレン議員は、ドイツ国民の77%が交渉による軍事行動の停止を要求していることを指摘し、徹底抗戦の構えを批判した。
「ドイツキリスト教民主同盟」のノルベルト・レットゲン議員は最後通告ではなく、優れた論拠を提示するようベアボック外相に助言した。
「ドイツのための選択肢」のアリサ・ワイデル共同党首は、外相退陣の機は熟したとツイッターへの投稿で記した。
ドイツではツイッターでハッシュタグ「ベアボックを退陣へ」(#BaerbockRuecktritt)がトレンドのトップに上がっていた。
一方、ドイツ外務省のぺテル・プタセク報道官は親ロシア派勢力の影響を非難した。報道官によると、過激な発言の部分ばかりがクローズアップされ、これが親ロシア派のアカウントによって拡散されることで情報が歪められていると説明した。報道官のコメントはドイツ外務省がツイッターの公式アカウントで公開している。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はベアボック外相の発言について、「驚嘆を禁じ得ない」と評し、一方で、選挙を控えた政治家らには好都合、と評価した。
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