日本の防衛省は自衛隊を十分に評価していないのか?

© AP Photo / Shizuo Kambayashi日本自衛隊
日本自衛隊 - Sputnik 日本, 1920, 08.09.2022
日本の防衛省は、今後5年で、防衛費を現在の5兆4000億円から、およそ10兆8000億円に倍増するとの提案を示した。防衛省には、新たな武器の開発と購入に関する大規模な計画があるが、防衛費の一部は一見重要ではないように思われる別のものに使われるべきだと思われる。ではそれはどのようなものなのか、そしてそれはなぜなのか、「スプートニク」が分析した。
日本の自衛隊は人員不足に直面している。自衛隊員の数は、必要とされている数より1万6000人不足している。さらに、防衛大学校で学んだ卒業生でさえ、特に祖国を守ろうという気持ちを持っていない。2021年に防衛大学校を卒業した479人のうち、その15%にあたる72人が自衛隊勤務の道を選ばなかった。こうした状況について、「これは非常に残念なことである」と2021年の3月に岸信夫防衛大臣はコメントした。

動員できる人材はある

自衛隊司令部はたびたび、人員不足は、人口削減によるものだとしてたびたび不満を表している。2018年に公布された法に従うと、自衛隊に入隊することができる18歳から32歳までの市民の数は、全人口1億2320万人のうちの1825万人となっている。しかし、そのうち、自衛官として勤務しているのは23万人で、うち女性自衛官は1万8000人ほどである。
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自衛官の給与は平均賃金のほぼ半分

自衛隊の人手不足およびその規模が小さいままである理由は、自衛官の収入が低いからだということも明白である。高等教育機関を卒業した自衛官の勤務1年目の年収は360万円で、その年収が600万円になるのは、20年勤務を継続した後である。この給与が多いか少ないかは、民間部門で働く人々の給料や平均生活水準と比較する必要があるだろう。
2022年の日本の最低年収は184万円、2021年の平均年収は437万円であった。経済部門によって、平均年収のレベルは若干、異なる。たとえば、建設業では330万円、製造業では308万円となっている。また日本の警察官の年収は743万円である。
日本の平均生活費は1人あたり年間144万円、それに住居費74万円を加え、支出は合わせて218万円である。4人家族(両親と子ども2人)だと生活費が444万円、住居費が151万円で、合わせて595万円である。この数字から、自衛官の給与は、日本の最低年収のわずか2倍であることが分かる。つまり、自衛官の給与は、独身者には十分であるが、子どものいる家庭にとっては、まったく足りないことになる。
ちなみに、他国と比較してみると、米軍の連絡官の給与は、すべての支払いや税金込みで8万9115ドル(およそ1284万円)である。
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自衛隊に入隊するのは不出来な卒業生

上記のような事情を考慮すれば、防衛大学校の卒業生が自衛隊への入隊を希望しない理由は明らかである。自衛隊員の給与が少なすぎるのである。
防衛大学校の卒業生は警察官になることもでき、そうすると受け取る給与は2倍になるのである。工場や建設業に就職しても、給与は自衛隊よりは良く、もちろんそれよりも権威のある、条件のよい勤務先があることは言うまでもない。
こうした理由から、自衛隊には防衛大学校やその他の教育機関から、自衛隊以外にどこにも行くところがない、もっとも不出来な卒業生が入隊してくることになるのである。客観的に見て、これにより自衛官養成のレベルが下がることになり、その結果、自衛隊の戦闘能力も下がる。
ちなみに、防衛省の政策がますます厳しさを増しているという見地から言えば、すべてを逆にする必要があるのである。自衛隊の対ミサイル防衛、対空防衛システム、航空部隊、海上部隊など、技術的に発展した部隊は重要な意義を持つものである。これらの部隊で任務に就く自衛官らには、特に優れた学術的、技術的訓練が必要となる。とりわけ、対空防空部隊は、上空および宇宙空間で、特殊で複雑で急速な戦いに対応しなければならないのである。
つまり、防衛省が警察で勤務した方がはるかに高給与を得られる自衛官にこれほど少ない給与を支払っているということは、防衛省は、自衛隊は国を守るべきものであると考えていないということになるのだろうか?
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