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ロシアを非難するために「核レトリック」を用いる西側核大国はどのような条件下で核兵器を用いる可能性があるのか?
ロシアを非難するために「核レトリック」を用いる西側核大国はどのような条件下で核兵器を用いる可能性があるのか?
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ロシアのセルゲイ・リャプコフ外務次官は、ロシアは大量破壊兵器で誰も脅したりしていないが、西側は核レトリックをロシア政府を非難するために使用していると述べた。ではいかなる場合に、ロシアをはじめとする核大国は核兵器を使用する権利を有しているのか。「スプートニク」が取材した。 2022年10月12日, Sputnik 日本
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ロシアの軍事専門家ウラジーミル・エフセーエフ氏はスプートニクからの取材に対して、西側はウクライナ危機における最悪のシナリオを恐れる必要はないとの見方を示している。核攻撃は、ウラジミール・ゼレンスキー氏(ウクライナ大統領)の夢にすぎない。ウクライナの指導者は、ロシアがウクライナで戦術核兵器を使用することを強く望んでいる。なぜならウクライナ政府は、そうすれば北大西洋条約機構(NATO)軍が紛争地帯に投入され、西側の軍事同盟とロシアの間で本格的な戦争が始まると計算しているからだ。ロシアの核ドクトリンロシアは2020年まで、報復措置あるいは報復攻撃という構想を維持してきた。しかし、2020年に、先制攻撃を可能とする新たな軍事ドクトリンが採択された。ただし、これは4つの場合に限定されるとされている。米国一方、米国は予防的核攻撃、敵(主な敵はロシアと中国とされている)の指揮系統と軍備への「迅速なグローバル攻撃」、また大々的な報復を呼び起こさないだろうと大統領府が考える小規模な核爆弾の開発に賭けている。これは2018年に発表された「核戦力態勢見直し(2018NPR)」の中に記されている。ドクトリンによれば、米国は「非常事態」においてのみ、核兵器を使用することができる。つまり、国家および同盟国のきわめて重要な利益を守ることを目的とした場合のみである。「非常事態」には、核攻撃も含まれている。しかも、米国のパトリック・シャナハン国防副長官は、米国の核ドクトリンは、米国は国の安全に対する脅威を受けた場合に核以外の大規模な戦略攻撃を行うとした、すでに存在するルールをより強固なものにするものだと強調した。イスラエル自国の核兵器についてまったく明らかにしていないイスラエル(しかし保有していることは確実)は、公式ではないものの予防的自衛権を採択している。イスラエルのダヴィド・ベン=グリオン元首相(1948〜1953年、1955〜1963年に首相を務めた)は、「もし危険があればなんでもある、危険がなければ何もない」と述べ、イスラエルは周囲のイスラム国家や自治区に必要があればいつでも核攻撃を行う権利を自らに付した。英国一方の英国は、斉射の決定は、首相からの書簡を読んだ後、原子力潜水艦の司令官らが下すことになっている。英国の首相は、原子力潜水艦の司令官に、核戦争が起こり、英国政府と連絡が途絶えた場合にどのように行動すべきかについて書簡を送る。主な方法は、報復攻撃、無反撃、同盟国の司令部に潜水艦を引き渡す、あるいは司令官に独自の判断を委ねるの4つである。英国の核ドクトリンによれば、英国の核兵器の主な目的は、他の国からの侵略行為を抑止することである。このほか、国の核戦力も、国際舞台において高いステータスを維持する要素としてではなく、英国のきわめて重要な利益に対する攻撃を抑止する手段と捉えている。フランスフランスの核兵器に関する公式的な立場は、次のようなものである。核抑止力は、我が民族の安全、保護、自由の最後の保障である。それは、それがどのような国からであっても、どのような理由であっても、どのような形であっても、きわめて重要な利益に対する侵略からフランスを守ることを目的としたものである。フランスの核兵器使用は、非常事態に法的な自衛の枠内で行われるものとされる。中国核保有国の中で、法的に予防的核攻撃を禁止している唯一の国が中国である。1968年から中国は、軍事白書に、核兵器を最初に使用しないという政策を公式に盛り込んでいる。
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ロシア, 米国, 軍事, 武器・兵器, 核兵器, オピニオン, フランス, 中国, 英国, イスラエル
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ロシアを非難するために「核レトリック」を用いる西側核大国はどのような条件下で核兵器を用いる可能性があるのか?
ロシアのセルゲイ・リャプコフ外務次官は、ロシアは大量破壊兵器で誰も脅したりしていないが、西側は核レトリックをロシア政府を非難するために使用していると述べた。ではいかなる場合に、ロシアをはじめとする核大国は核兵器を使用する権利を有しているのか。「スプートニク」が取材した。
リャプコフ次官は、「ウクライナ情勢を受けて、米国および米国に依存する国々は、核レトリックを積極的に拡散し、我が国が大量破壊兵器を用いた攻撃を準備しているかのように見せかけようとしている。繰り返すが、ロシアは核兵器で誰も脅したりしていない」と指摘した。
ロシアの軍事専門家ウラジーミル・エフセーエフ氏はスプートニクからの取材に対して、西側はウクライナ危機における最悪のシナリオを恐れる必要はないとの見方を示している。核攻撃は、ウラジミール・ゼレンスキー氏(ウクライナ大統領)の夢にすぎない。ウクライナの指導者は、ロシアがウクライナで戦術核兵器を使用することを強く望んでいる。なぜならウクライナ政府は、そうすれば北大西洋条約機構(NATO)軍が紛争地帯に投入され、西側の軍事同盟とロシアの間で本格的な戦争が始まると計算しているからだ。
ロシアは2020年まで、報復措置あるいは報復攻撃という構想を維持してきた。しかし、2020年に、先制攻撃を可能とする
新たな軍事ドクトリンが採択された。ただし、これは4つの場合に限定されるとされている。
1.
ロシアまたはロシアの同盟国の領土を攻撃するような弾道ミサイルの発射に関する正確な情報がもたらされた場合。
2.
ロシアまたはロシアの同盟国の領内で大量破壊兵器が使用された後の核による報復も可能である。
3.
ロシア政府はまた、「きわめて重要な国家施設、軍事施設が敵の行動によって無効化され、核戦力の報復行動ができなくなった場合」にもそのような兵器を用いる権利を有する。
4.
このほか、通常兵器を用いたロシアへの侵略であっても、それが国家の存亡の危機に陥らせるような場合、大量破壊兵器の使用で報復する可能性がある。
一方、米国は予防的核攻撃、敵(主な敵はロシアと中国とされている)の指揮系統と軍備への「迅速なグローバル攻撃」、また大々的な報復を呼び起こさないだろうと大統領府が考える小規模な核爆弾の開発に賭けている。これは2018年に発表された「
核戦力態勢見直し(2018NPR)」の中に記されている。
ドクトリンによれば、米国は「非常事態」においてのみ、核兵器を使用することができる。つまり、国家および同盟国のきわめて重要な利益を守ることを目的とした場合のみである。「非常事態」には、核攻撃も含まれている。
しかも、米国のパトリック・シャナハン国防副長官は、米国の核ドクトリンは、米国は国の安全に対する脅威を受けた場合に核以外の大規模な戦略攻撃を行うとした、すでに存在するルールをより強固なものにするものだと強調した。
自国の核兵器についてまったく明らかにしていないイスラエル(しかし保有していることは確実)は、公式ではないものの予防的自衛権を採択している。
イスラエルのダヴィド・ベン=グリオン元首相(1948〜1953年、1955〜1963年に首相を務めた)は、「もし危険があればなんでもある、危険がなければ何もない」と述べ、イスラエルは周囲のイスラム国家や自治区に必要があればいつでも核攻撃を行う権利を自らに付した。
一方の英国は、斉射の決定は、首相からの書簡を読んだ後、原子力潜水艦の司令官らが下すことになっている。英国の首相は、原子力潜水艦の司令官に、核戦争が起こり、英国政府と連絡が途絶えた場合にどのように行動すべきかについて書簡を送る。
主な方法は、報復攻撃、無反撃、同盟国の司令部に潜水艦を引き渡す、あるいは司令官に独自の判断を委ねるの4つである。
英国の核ドクトリンによれば、英国の核兵器の主な目的は、他の国からの侵略行為を抑止することである。このほか、国の核戦力も、国際舞台において高いステータスを維持する要素としてではなく、英国のきわめて重要な利益に対する攻撃を抑止する手段と捉えている。
フランスの核兵器に関する公式的な立場は、次のようなものである。核抑止力は、我が民族の安全、保護、自由の最後の保障である。それは、それがどのような国からであっても、どのような理由であっても、どのような形であっても、きわめて重要な利益に対する侵略からフランスを守ることを目的としたものである。
フランスの核兵器使用は、非常事態に法的な自衛の枠内で行われるものとされる。
核保有国の中で、法的に予防的核攻撃を禁止している唯一の国が中国である。1968年から中国は、軍事白書に、核兵器を最初に使用しないという政策を公式に盛り込んでいる。