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【解説】名称のように「統一」とはならず:教会の何が統一ではなく、諍いの原因となったのか
【解説】名称のように「統一」とはならず:教会の何が統一ではなく、諍いの原因となったのか
Sputnik 日本
... 2022年10月19日, Sputnik 日本
2022-10-19T06:00+0900
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日本の政治家と旧統一教会のつながり
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統一教会をめぐる今回の事件の重要点はどこにあるのか、また岸田総理大臣は国民の信頼を取り戻すことができるのか、「スプートニク」が分析した。岸田総理大臣は、この団体の活動による被害者が数多く出ており、多くの家族が貧困化や崩壊に苦しみ、然るべき救済措置を受けてこなかったとして、政府はこれを社会的に看過できない深刻な問題と捉えていると指摘した。しかし、なぜこれが可能となったのか?この問題に、宗教史の専門家で、モスクワ国立言語大学世界文化学部のロマン・シランチエフ教授は当惑を隠せないという。しかも、統一教会は日本ですでに1年や2年でなく、長年にわたって、問題なく存在している。この矛盾をどのように説明することができるのだろうか?朝鮮問題の専門家コンスタンチン・アスモロフ氏は、日本でこれほど深く浸透するようになったのは、統一教会はすでにかなり前から、純粋な韓国の団体ではなくなっているからだと説明する。とはいえ、これから行われることになる日本における活動に関する調査からは、何らかの『定説』を導くことができるだろうとアスモロフ氏は指摘する。一方で、何らかのロビー活動が明らかになれば(汚職スキャンダルがあったことが判明すれば)、状況はきわめて深刻なものとなる可能性がある。これに関連し、アスモロフ氏は次のように述べている。8月に新内閣の顔ぶれが決定したが、その中には、かつて日本の統一教会の活動と関係があったと報じられた人物の名前は除外されていた。しかしながら、日本の社会の信頼を回復するのにこれで十分なのだろうか?この事件において、すべては一義的なものなのだろうか?日本問題の専門家であるオレグ・カザコフ氏は、統一教会をめぐる問題は「人工的な性格」を持っていると指摘している。しかし、このような考えが「増殖」し、政治家らは正当化を迫られている。カザコフ氏は、それは、統一教会への寄付も、法的なイベントへの参加も、「非難路線」に立っている日本国民の頭の中で作られたものだからだと結論づけている。そこで、カザコフ氏は、今回の調査は、日本における現在の全体的な不満の真髄にすぎない可能性も否定できないと述べている。今回の調査で、統一教会が詐欺行為あるいは反社会的な活動を行っているということが証明されれば、政府は、解散命令請求をする権利を有している。そうなれば、「統一教会」を、税の優遇から除外し、特別な地位を取り消す可能性はあるものの、その活動を完全に禁止することはできないだろう。宗教史の専門家、ロマン・シランチエフ氏は、日本に「統一教会」という新興宗教が存在することはいずれにせよ「恐るべき歴史」であるとし、活動を禁止できないことは残念なものだと述べている。最後にシランチエフ氏は、こうした状況になっている原因は、日本社会が少しずつアメリカ化し、日本の観光客が日本と聞いて連想するものが、古代のユニークな文化やサムライのイメージ、ひいてはハイテクではなくなり、ポルノやセクトになりつつあることだと述べている。
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【解説】名称のように「統一」とはならず:教会の何が統一ではなく、諍いの原因となったのか
岸田文雄総理大臣は、「旧統一教会」に関する問題について謝罪し、宗教法人法に基づく「調査」を指示した。概して、日本政府は憲法が保障する信教の自由を理由に、宗教団体に対してこのような方策をとるのを避けてきた。あの「オウム真理教」に対してさえ、公式的に活動禁止にはならなかった。しかし、記録的な内閣支持率の低下を受け、政府はこうした方針を変更したとみられる。
統一教会をめぐる今回の事件の重要点はどこにあるのか、また岸田総理大臣は国民の信頼を取り戻すことができるのか、「スプートニク」が分析した。
岸田総理大臣は、この団体の活動による被害者が数多く出ており、多くの家族が貧困化や崩壊に苦しみ、然るべき救済措置を受けてこなかったとして、政府はこれを社会的に看過できない深刻な問題と捉えていると指摘した。
この問題に、宗教史の専門家で、モスクワ国立言語大学世界文化学部のロマン・シランチエフ教授は当惑を隠せないという。
「日本のように、これほど高度に発展した国が、国内に数多く存在するさまざまな新興宗教から守られていないことは非常に矛盾したことです。日本は、1995年に、『オウム真理教』によって、さらに多くの犠牲者が出なかったという点において、『幸運』でした。というのも、ヘリコプターや(大規模なテロ事件を起こすのに十分な量の)ガスを持っていたオウム真理教の信者らには、こうした事件を起こす現実的な可能性があったからです。国内で中毒物質を散布するためにさまざまなものを利用するかもしれないと考えられました。
統一教会も、全体主義的セクトの一つです。創始者である文鮮明の死後、統一教会は枝分かれしたことから、その影響力はいくらか弱まってはいましたが、それでもこの宗教団体は十分に強い影響力を持っています。つまり、完全に消滅していない限り、団体は人々の運命を『破壊』し続けます。しかし、その活動内容においてもっとも驚くべき点は、これが韓国のセクトだということです。両国の複雑な関係を考慮すれば、なぜそれが他でもない日本でこれほど『根付いた』ということ自体が驚異的なことなのです」。
しかも、統一教会は日本ですでに1年や2年でなく、長年にわたって、問題なく存在している。
この矛盾をどのように説明することができるのだろうか?
朝鮮問題の専門家コンスタンチン・アスモロフ氏は、日本でこれほど深く浸透するようになったのは、統一教会はすでにかなり前から、純粋な韓国の団体ではなくなっているからだと説明する。
「韓国では、この団体は、韓国の利益のロビー機関として創設されるようになったものです。これが、統一教会が1976年に起こったいわゆるコリアゲートに関与していた理由の一つです。(当時、この政治スキャンダルには、民主党議員に対し影響を及ぼそうとする韓国の政治家が関与していた)。そしてその後の数年間で統一教会は実質上、国際組織となり、一方、境界に対する韓国国内の態度はかなり慎重なものになりました。とりわけ、創始者の文鮮明が2012年に死去してからその傾向は強くなりました。ですから、統一教会はすでにかなり前から、国際レベルでの韓国の政治上のロビイストではなくなっています」。
とはいえ、これから行われることになる日本における活動に関する調査からは、何らかの『定説』を導くことができるだろうとアスモロフ氏は指摘する。
「一つ目は、日韓関係の緊張を考慮し、この宗教団体が元々韓国のものであると指摘する者が必ずや出てくるだろうということです。また2つ目は―これも重要なことですが、このような宗教団体には、選挙の際に、言われた通りの候補者に投票する信者が多くいるということです。
つまり、政治家にとって、資金のみならず、特定の目的のために必要な数の人員を確保できるというのは、便利なことです。現在、何人かの政治家の名前が上がっているのは、こうしたことで説明がつきます。
ただし、これらの政治家が参加していたのは、何か大々的な汚職のスキームではなく、統一教会が企画した会合への出席やイベントでの発言などに過ぎません」
一方で、何らかのロビー活動が明らかになれば(汚職スキャンダルがあったことが判明すれば)、状況はきわめて深刻なものとなる可能性がある。これに関連し、アスモロフ氏は次のように述べている。
「現時点の(明らかになっている)情報では、統一教会が自身に有益な法や規則を求めて、政治家に金銭による影響を与えていたということはないとされています。しかし、岸田総理大臣が、統一教会に関する今回のスキャンダルを、国内を一掃するために利用する可能性は除外できません」。
8月に新内閣の顔ぶれが決定したが、その中には、かつて日本の統一教会の活動と関係があったと報じられた人物の名前は除外されていた。しかしながら、日本の社会の信頼を回復するのにこれで十分なのだろうか?この事件において、すべては一義的なものなのだろうか?
日本問題の専門家であるオレグ・カザコフ氏は、統一教会をめぐる問題は「人工的な性格」を持っていると指摘している。
「(安倍元首相の殺害事件の捜査に関連して)一連の政治家の関係が発覚したことで、日本人の間にはネガティブな反応を引き起こされました。そして人々は、不満を表すためにこれを口実として利用しています。国内の経済状況全体を含めた不満です。
日本における統一教会の活動は、文字通り、日本の何人かの家庭を破産させました。政府はこれを無視することはできません。ですから、活動の内容を調査すると決定しました。以前のように、これで支持率低下に『ブレーキをかけられる』可能性は高いです。しかしながら、(国民の生活水準の低下という形の)この問題はこれを不可能にしています。おそらく、政府は、国民の考えに耳を傾け、国民の気持ちに寄り添うことができるということを見せるためにこの状況を利用しようとした可能性があります。
今、これは政府のイメージアップのために必要なことなのです。殺害された安倍元首相が統一教会に関与していたかどうかはもはや明らかではありません。というのも、容疑者は、目的は偽りだったと明かしているからです。さらに容疑者には刑事責任能力がなかった可能性もあります。
しかし、もし統一教会のイベントに政治家らが参加していたとしても、団体の活動は法的に認められています。従って、彼らは何の法も犯していないのです。
違法行為の指摘は、政府からもできません。ですから、その活動に対する現在の全体的な不満も、法的には、一部のネガティブな考えだとして評価される可能性もあります」。
しかし、このような考えが「増殖」し、政治家らは正当化を迫られている。
カザコフ氏は、それは、統一教会への寄付も、法的なイベントへの参加も、「非難路線」に立っている日本国民の頭の中で作られたものだからだと結論づけている。そこで、カザコフ氏は、今回の調査は、日本における現在の全体的な不満の真髄にすぎない可能性も否定できないと述べている。
「他でもない、国の経済の低迷、価格高騰、ビジネスの崩壊。日本人の意識の中で、こうしたすべてが統一教会をめぐる状況として昇華し、濃縮したのです。そしてこれは、岸田総理大臣にとっても都合がよいのかもしれません。というのも、人々を、生活悪化の真の理由から、そして、政府は日本が抱える深刻な問題に対処できないという考えから目を反らせることができるからです」。
今回の調査で、統一教会が詐欺行為あるいは反社会的な活動を行っているということが証明されれば、政府は、解散命令請求をする権利を有している。
そうなれば、「統一教会」を、税の優遇から除外し、特別な地位を取り消す可能性はあるものの、その活動を完全に禁止することはできないだろう。
宗教史の専門家、ロマン・シランチエフ氏は、日本に「統一教会」という新興宗教が存在することはいずれにせよ「恐るべき歴史」であるとし、活動を禁止できないことは残念なものだと述べている。
「スキャンダルの規模を考えれば、国の安全への脅威という意味でも、完全に禁止するというのがより良い決定でしょう。しかもこれで、一般の人々を破産や政治家の殺害に終止符を打てるのです」。
最後にシランチエフ氏は、こうした状況になっている原因は、日本社会が少しずつアメリカ化し、日本の観光客が日本と聞いて連想するものが、古代のユニークな文化やサムライのイメージ、ひいてはハイテクではなくなり、ポルノやセクトになりつつあることだと述べている。