【視点】名誉ある義務か、差別か BTSの兵役入隊にファンの反応、芸能記者の見解

© AFP 2022 / Jung Yeon-JeBTS
BTS - Sputnik 日本, 1920, 22.10.2022
韓国では、18歳以上28歳未満の健康な男性であれば、等しく兵役義務がある。韓国の兵役期間は18カ月から21カ月。しかし、現在の法律では、世界的なレベルに達したスポーツ選手や音楽家であれば、文化スポーツ観光省の推薦を受けて、兵役に代わる任務につくことが認められている。にもかかわらず多面的な人気を誇るK-POPグループBTSはメンバー全員が揃って、「自国の必要に敬意を表し、兵役に就く」ことを決意した。BTSの所属する芸能事務所Big Hit Music(HYBE株式会社の子会社)は10月17日、こう発表した。スプートニクは発表へのファンの反応や、BTSの兵役免除の特恵は残すべきというK-STAR NEWSの特派員の見解など、様々な方面から取材した。

BTSの芸能事務所は兵役の「タイミングを熟考」

「本日、Big Hit MusicはBTSのメンバー全員が現在、兵役に就く計画であることを誇らかに発表します。 10年余前の発足以来、BTSは世界的な成功を収め、記録を塗り替え、K-POPを「世界の成層圏」レベルへと押し上げました。Big Hit Musicは、(BTSが)自国の必要性に敬意を表し、同胞と肩を並べて兵役に就くことのできるタイミングを熟考してきましたが、その瞬間が今、到来したのです」

事務所の発表によると、最初に兵役に就くのは1992年生まれでグループ最年長のJIN(ジン、キム・ソクジン)。本人の希望で、歌手の兵役猶予は2022年末まで有効だった。だがジンは10月末に延期願いを撤回し、それから入隊手続きを行う。残りのメンバーはそれぞれ個別に兵役に就く。
BTS は10月17日付で、グループとしての創作活動の一時休止を決めた。Big Hit Musicは、BTSが2025年までに再結成できるものと期待している。BTSのエージェントによると、メンバーは当面はソロ活動に専念するが、それも兵役予定に合わせて行う。
© AP Photo / Ahn Young-joonBTS
Южнокорейская группа BTS на церемонии вручения премии Fact Music Awards в Инчхон  - Sputnik 日本, 1920, 22.10.2022
BTS

ファンたちの意見

ファンの多くは、兵役に就くという会社とBTSの決断を支持しており、自分なりの意見をツイッター上で意見を交わした。
ある日本人ファンは、メンバーのうち1人でも兵役についている間はBTSとしてのグループ活動をしないという決断に敬意を表すると書き込んだ。
また、別のユーザーは、芸術に専心するだけでなく、確固とした道徳観を持つアーティストらのグループのファンであることを心から誇りに思うと書きこんだ。「彼らは特権を持っているにもかかわらず、まずソフトパワーを用いて国への義務を果たし、今度は兵役に就くことを決意した」のだから。
韓国人のファンは、兵役から元気に帰ってくることを祈念するとともに、「信じて2025年を楽しみに待っている」と書き込んでいた

「特例は残すべきだった」 芸能記者の見解

芸能・メディアグループIHQ傘下のK-STAR NEWSのチョ・ウィンビン特派員は、スプートニクからのインタビューに、先日の釜山でのBTSのコンサートについてコメントし、メンバーの兵役に関する「特恵」は維持すべきだったと語った。
「前回のBTSのコンサートは、2030年のEXPOの候補都市である釜山に注目を集めることが目的の1つだった。重要なイベントへアイドルが参加することは珍しくはない。だが、韓国の20~30代の普通の若者にとっては(釜山のコンサートは)率直に言って兵役というテーマに直結していた。BTSはすでに兵役年齢に達しているが、この分野では韓国政府にあらゆる決定権がある。だから社会がこれにどう反応するかを見るべきだという声は常にあった。今でこそ(メンバーの兵役は)決まったが、当時は釜山当局と何らかの取り決めがあり、BTSがいかに重要な存在で、軍に派遣などもってのほかだということを見せつけるために、歌手らが利用された感があった。HYBEは、私が知る限り、釜山でのコンサートは自腹を切っていた。それに合わせて、これまで我々が耳にしてきた発言はすべて、歌手本人の口から出たものではないことに疑問が生じる。政府が『BTSは例外扱いされて当然』というテーマをペダリングしても、世論は真っ二つに割れるだけだ。こうした話が出るようになったのは2020年のことで、それ以降、世論調査ではほぼ半々という結果が出ている。だが、世論調査をする前に市民には徴兵免除の本質について十分な説明を受けていなかったのではないか。多くの人は『特例』という言葉に偏見を持ち、これを『特惠』と受け止めている」
BTS - Sputnik 日本, 1920, 05.07.2022
BTSの活動休止で、韓国では兵役をめぐる論争が再燃
チョ・ウィンビン氏はさらに、POPアーティストを活動分野によって差別化するのは正しくないと思うと強調している。
「私自身はこの特例は本当は残すべきだったと考えている。なぜなら、例えば、BTSに特例を設けないのであれば、他のスポーツ選手やプロのアーティストにも設けず、皆を平等に扱うべきだからだ。平等の必要性は強調すべきというならば、『特恵』は全て無くすべきだということになる。特恵をすべて無くさないのであれば、BTSには当然『特例』の権利が与えられるべきだろう。だから、ここでの問題はBTSが単にポップカルチャーのアーティストとして特例にふさわしいかどうかでも、BTSが例外だというものでもない。POPアーティストを活動分野で差別するのも間違っている。国が定めたルールには国威発揚のための例外規定があるが、BTSは明らかにその範疇に入る。だから、BTSが純粋な意味での芸術家ではないとか、それならBTSと純粋な芸術家とはどこが違うのか、そもそも誰がこういうカテゴリーを定義し、決めているのか、これはすべて議論の余地がある」
チョ・ウィンビン氏は語る。いずれにしてもBTSは独自の地位を確立した。BTSファンは、アーティストを我が子のように愛しているし、BTSもファンの前で誠実に努力し、成長してきたからだ。BTSは、彼らの名前など誰も知らなかった時代から、長い道のりを歩んできた。米国に渡り、無名のストリートダンサーとして踊っていた彼らがリアリティビデオに映ったおかげで、どんなに努力を積んでいるかが知られるようになり、彼らのファンコミュニティが出来上がっていった。
「たとえ2年間解散しても、時間を経て、それぞれがソロ活動を経て再結成すれば、ファンは前よりもっと熱烈に受け入れてくれるだろう」
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