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【視点】ネタニヤフの帰還と極右の台頭 中東情勢、露・米・イスラエルの関係はどうなる?
【視点】ネタニヤフの帰還と極右の台頭 中東情勢、露・米・イスラエルの関係はどうなる?
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1日に行われたイスラエル議会の総選挙で元首相のベンヤミン・ネタニヤフ氏率いるリクード党、極右・宗教シオニスト党などの野党勢力が勝利した。今後数週間以内にネタニヤフ氏を首相とする新政権が発足する公算だが、それはパレスチナ問題やイスラエルとロシア、米国との関係にどんな影響を与えるのであろうか。 2022年11月8日, Sputnik 日本
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ネタニヤフ派は120議席のうち、64議席を確保しているが、彼自身のリクード党は議席を伸ばしたといっても32議席にしか満たない。組閣、政権運営には極右との連立が必要不可欠だ。今回、極右の宗教シオニスト党は議席を従前の2倍となる14議席となっており、連立政権のなかで少なくない発言力を持つことになる。今回の選挙結果と極右の台頭について、トルコの政治学者、ハイダル・オルチ氏はスプートニクの取材に対し次のように述べている。また、ロシアとイスラエルの関係について、オルチ氏は「ロシアの指導者・プーチンとネタニヤフは共通言語と見解の一致を見つけるでしょう」と語る。ネタニヤフ氏はウクライナ支援を口にしているものの、これは選挙戦におけるレトリックに過ぎず、実現は難しいという。だが、もしウクライナ支援を決行した場合、プーチン・ネタニヤフ両氏の良好な個人的関係があるとはいえ、二国間関係は危機に陥る。例えば、イスラエルが行うロシアの友好国・シリアへの攻撃に、ロシアが「強い対抗措置」をみせるということが考えられる。ネタニヤフ氏はそこまでのリスクを冒してまでウクライナ支援に回らない、というのがオルチ氏の見解だ。一方、イスラエルと米国は建国以来、基本的には良好で関係であり、ジョー・バイデン米大統領は今回の選挙後、ネタニヤフ氏と電話会談し勝利を祝福している。また、ネタニヤフ氏は2021年に下野する前、ドナルド・トランプ前大統領とは個人的な関係を築き、「エルサレムをイスラエルの首都と公式に認める時がきた」と言わしめた。だが、両国の間に軋轢がないわけではない。クリントン政権時にオスロ合意(1993年)でイスラエルとパレスチナ・アラブ世界の和平に近づいたものの、2006年のガザ地区侵攻などによってその望みは潰えた。ネタニヤフ氏もパレスチナにおけるユダヤ人入植地を拡大させるなど、パレスチナに対して厳しい姿勢を取ってきた。さらに、イスラエルと対立関係にあるイランの核問題をめぐって、ネタニヤフ氏は従来から強硬姿勢を示している。これが望み薄ながらも水面下で行われている、イランと米国の核合意復活を遠のかせる一因になる可能性は排除できない。いずれにせよ、イスラエルと米国は協力関係を続けるものの、バイデン政権にとってネタニヤフ氏は一筋縄ではいかない相手になるだろう。関連ニュース
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【視点】ネタニヤフの帰還と極右の台頭 中東情勢、露・米・イスラエルの関係はどうなる?
2022年11月8日, 06:43 (更新: 2022年11月8日, 07:01) 1日に行われたイスラエル議会の総選挙で元首相のベンヤミン・ネタニヤフ氏率いるリクード党、極右・宗教シオニスト党などの野党勢力が勝利した。今後数週間以内にネタニヤフ氏を首相とする新政権が発足する公算だが、それはパレスチナ問題やイスラエルとロシア、米国との関係にどんな影響を与えるのであろうか。
ネタニヤフ派は120議席のうち、
64議席を確保しているが、彼自身のリクード党は議席を伸ばしたといっても32議席にしか満たない。組閣、政権運営には極右との連立が必要不可欠だ。今回、極右の宗教シオニスト党は議席を従前の2倍となる14議席となっており、連立政権のなかで少なくない発言力を持つことになる。
今回の選挙結果と極右の台頭について、トルコの政治学者、ハイダル・オルチ氏はスプートニクの取材に対し次のように述べている。
「ネタニヤフ派の政権復帰はネタニヤフ本人の勝利とは思えない。宗教シオニスト党の指導者の一人で、パレスチナ人に対する厳しい政策で知られるイタマル・ベン・グビルのレトリックは国民の支持を得ている。彼は内務大臣になるともいわれているが、これはイスラエルにとってネガティブな結果をもたらすかもしれない」
また、ロシアとイスラエルの関係について、オルチ氏は「ロシアの指導者・プーチンとネタニヤフは共通言語と見解の一致を見つけるでしょう」と語る。ネタニヤフ氏はウクライナ支援を口にしているものの、これは選挙戦におけるレトリックに過ぎず、実現は難しいという。
だが、もしウクライナ支援を決行した場合、プーチン・ネタニヤフ両氏の
良好な個人的関係があるとはいえ、二国間関係は危機に陥る。例えば、イスラエルが行うロシアの友好国・シリアへの
攻撃に、ロシアが「強い対抗措置」をみせるということが考えられる。ネタニヤフ氏はそこまでのリスクを冒してまでウクライナ支援に回らない、というのがオルチ氏の見解だ。
一方、イスラエルと米国は建国以来、基本的には良好で関係であり、ジョー・バイデン米大統領は今回の選挙後、ネタニヤフ氏と電話会談し勝利を祝福している。また、ネタニヤフ氏は2021年に下野する前、ドナルド・トランプ前大統領とは個人的な関係を築き、「エルサレムをイスラエルの首都と公式に認める時がきた」と言わしめた。
だが、両国の間に軋轢がないわけではない。クリントン政権時に
オスロ合意(1993年)でイスラエルとパレスチナ・アラブ世界の和平に近づいたものの、2006年のガザ地区侵攻などによってその望みは潰えた。ネタニヤフ氏もパレスチナにおけるユダヤ人入植地を拡大させるなど、パレスチナに対して
厳しい姿勢を取ってきた。
さらに、イスラエルと対立関係にあるイランの核問題をめぐって、ネタニヤフ氏は従来から強硬姿勢を示している。これが望み薄ながらも水面下で行われている、イランと米国の核合意復活を遠のかせる一因になる可能性は排除できない。いずれにせよ、イスラエルと米国は協力関係を続けるものの、バイデン政権にとってネタニヤフ氏は一筋縄ではいかない相手になるだろう。