https://sputniknews.jp/20221124/13941715.html
米国にはより完全なデジタルドルが必要 中国の暗号資産と競合するため
米国にはより完全なデジタルドルが必要 中国の暗号資産と競合するため
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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国の新たなデジタル人民元について、準備通貨として米ドルと競合し、米ドルの世界的な金融的優位性、ひいては米国の覇権をそこねる可能性があるため、米国の国益にかなう強化された形のドルをつくる必要があると報じた。 2022年11月24日, Sputnik 日本
2022-11-24T16:07+0900
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WSJによると、ドルの地位は今のところ最も強いポジションにある。1年間でドルのレートは人民元を含むほとんどの主要通貨に対して10%超上昇した。一方、WSJは、ドルの力は無限ではないと警告している。その理由は、米国の主要な貿易相手国ほど速いテンポではないものの、いずれにせよ米国の生産量が減少しているからだという。またWSJは米当局に対し、自国通貨の保護に関する北京の動きを注視するよう助言している。中国当局は、近年多くの経済的苦境によって弱体化した人民元の状況を正しく評価し、2022年に中国人民銀行(中央銀行)新たなデジタル通貨「e-CNY」の実験を開始した。e-CNYはしだいに大多数の主要な国際取引の技術的基盤になりつつある。WSJはその理由について、外国企業が巨大な中国市場へのアクセス維持を望む場合には、事業を行う際にこのデジタル通貨とそのホールセール決済ネットワークの使用を余儀なくされるからだと説明している。またe-CNYが全面的に使用された場合、このデジタル通貨はリテール決済の主要な形態となり、やがて個人の金融取引の大部分がe-CNYを通じて行われるようになるという。WSJによると、中国はアジア、ロシア、中東でその影響力の範囲を拡大している。中国指導部はe-CNYについて、西側のものに匹敵する国際的な決済および通貨システムだと考えている。中国の台頭と米国の疲弊によって二極化世界が出現した場合、ドルの優位性はそこなわれる可能性がある。米国と中国の2大経済大国の断絶は、物的資源と権力、輸入と投資の分野にとどまらない。WSJは、それは代替的な準備通貨の強化につながる可能性が十分にあると警告している。WSJによると、この分野で米国が中国に対抗するための手段は1つしかない。それは、中国のデジタル人民元のドル版をつくることだ。その場合には、米連邦準備制度(FRS)が、米国の消費者の直接的なカウンターパーティー(相手先の金融機関)を含む、ホールセール決済およびリテール決済を行う際の仲介役となる。その結果、決済が迅速化し、支払いが安くなり、外国への送金が問題なく実行され、通貨作成の透明性が高まるという。WSJは、米国の信用が裏付けとなった新たなデジタルドルは、中国のe-CNYを追い抜いて新時代の準備通貨となり、世界経済システムにおけるリーダーとしての米国の立場を確固たるものにすると考えている。スプートニク通信は6月、中国では一部金融商品や保険証券の購入、銀行ローン提供にデジタル元の使用が可能になると報じた。関連記事
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米国にはより完全なデジタルドルが必要 中国の暗号資産と競合するため
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国の新たなデジタル人民元について、準備通貨として米ドルと競合し、米ドルの世界的な金融的優位性、ひいては米国の覇権をそこねる可能性があるため、米国の国益にかなう強化された形のドルをつくる必要があると報じた。
WSJによると、
ドルの地位は今のところ最も強いポジションにある。1年間でドルのレートは人民元を含むほとんどの主要通貨に対して10%超上昇した。一方、WSJは、ドルの力は無限ではないと警告している。その理由は、米国の主要な貿易相手国ほど速いテンポではないものの、いずれにせよ米国の生産量が減少しているからだという。またWSJは米当局に対し、自国通貨の保護に関する北京の動きを注視するよう助言している。
中国当局は、近年多くの経済的苦境によって弱体化した人民元の状況を正しく評価し、2022年に中国人民銀行(中央銀行)新たなデジタル通貨「e-CNY」の実験を開始した。e-CNYはしだいに大多数の主要な国際取引の技術的基盤になりつつある。WSJはその理由について、外国企業が巨大な中国市場へのアクセス維持を望む場合には、事業を行う際にこのデジタル通貨とそのホールセール決済ネットワークの使用を余儀なくされるからだと説明している。またe-CNYが全面的に使用された場合、このデジタル通貨はリテール決済の主要な形態となり、やがて個人の金融取引の大部分がe-CNYを通じて行われるようになるという。
WSJによると、中国はアジア、ロシア、中東でその影響力の範囲を拡大している。中国指導部はe-CNYについて、西側のものに匹敵する国際的な決済および通貨システムだと考えている。中国の台頭と米国の疲弊によって二極化世界が出現した場合、ドルの優位性はそこなわれる可能性がある。米国と中国の2大経済大国の断絶は、物的資源と権力、輸入と投資の分野にとどまらない。WSJは、それは代替的な準備通貨の強化につながる可能性が十分にあると警告している。
WSJによると、この分野で米国が中国に対抗するための手段は1つしかない。それは、中国のデジタル人民元のドル版をつくることだ。その場合には、米連邦準備制度(FRS)が、米国の消費者の直接的なカウンターパーティー(相手先の金融機関)を含む、ホールセール決済およびリテール決済を行う際の仲介役となる。その結果、決済が迅速化し、支払いが安くなり、外国への送金が問題なく実行され、通貨作成の透明性が高まるという。WSJは、米国の信用が裏付けとなった新たなデジタルドルは、中国のe-CNYを追い抜いて新時代の準備通貨となり、世界経済システムにおけるリーダーとしての米国の立場を確固たるものにすると考えている。
スプートニク通信は6月、中国では一部金融商品や保険証券の購入、銀行ローン提供に
デジタル元の使用が可能になると報じた。