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【解説】カンボジアは首相が支配する王朝を築きつつある
【解説】カンボジアは首相が支配する王朝を築きつつある
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カンボジアでは新たな支配王朝ができつつある。ロシアの政治アナリスト、グリゴリー・クチェレンコ氏がスプートニクに語ったところによると、それは首相の地位の継承のことだという。 2022年12月1日, Sputnik 日本
2022-12-01T20:55+0900
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クチェレンコ氏は、カンボジアの現首相であるフン・セン氏は、何度も役職名を変えながら45年近く権力の頂点に君臨してきたと述べている。ところが2021年、フン・セン氏は将来、自分の代わりに首相に就いてほしい人物として、息子のフン・マネット氏の名前を挙げたという。選択肢がない選挙にマネット氏は45歳であり、かなり若い政治家だ。父親と違って、軍隊だけでなく民間の分野でも質の高い欧米の教育を受けている。クチェレンコ氏は、「フン・マネット氏は現在、階級が三ツ星の将官であり、カンボジア国軍総司令官、父親の(首相)護衛部隊の副司令官、テロ対策部隊の司令官を務めている。また、マネット氏はカンボジア人民党の青年部も率いており、35歳以下の若者が人口の約65%を占めるカンボジアでは、重要な存在だ。カンボジア軍にも一定の影響力があり、父から子への権力移行を比較的スムーズに行うことができる」と述べている。クチェレンコ氏によると、当初、フン・セン氏の後継者候補は他にいた。その人物とは、フン・セン氏の次男と内務大臣のソー・ケン氏だった。しかし、次男は性犯罪で捕まり、二人目はフン・セン氏への忠誠心が足りなかったことで、候補から脱落した。マネット氏のもとでカンボジアの外交政策はどう変わる?フン・セン首相の権力移行は、カンボジアの国内政策だけでなく、外交政策の観点から見ても重要だとクチェレンコ氏は述べている。現在、カンボジアは人権状況に関して以前と比べて欧米の制裁を受けることが少なくなっているが、フン・セン氏は、首相の椅子を息子に譲り渡す際には、米国やEUからのいかなる制裁を受けないようにすべきだとの考えを示している。この点で、フン・セン氏はカンボジアと米国両政府の関係を強化するためにいくつかのステップを踏んでいる。その一つは、2022年3月の国連総会で、ウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦を非難する米国主導の決議案にカンボジアが承認した点だという。クチェレンコ氏は、マネット氏が権力を握れば、カンボジアと米国の関係はさらに良好になるのではないかとみている。米政権はカンボジアで2023年に行われる総選挙後にマネット氏の首相就任の正統性を認めるだけで十分であり、カンボジアが米国の政策にさらに密接に連携する必要はなくなる。フン・セン氏にフン・マネット氏、その次は誰?クチェレンコ氏によると、フン・セン氏は、カンボジアの首相として自分の後継者の王朝全体をみているという。フン・セン氏がかつて、「私は2023年以降は首相の父親になり、2030年代には首相の祖父になる」と発言したためだ。以上の事柄から、フン・セン氏がカンボジアで長期的な支配王朝を築くことを目指しているとクチェレンコ氏は結論づけている。
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【解説】カンボジアは首相が支配する王朝を築きつつある
2022年12月1日, 20:55 (更新: 2022年12月1日, 20:58) カンボジアでは新たな支配王朝ができつつある。ロシアの政治アナリスト、グリゴリー・クチェレンコ氏がスプートニクに語ったところによると、それは首相の地位の継承のことだという。
クチェレンコ氏は、カンボジアの現首相であるフン・セン氏は、何度も役職名を変えながら45年近く権力の頂点に君臨してきたと述べている。ところが2021年、フン・セン氏は将来、自分の代わりに首相に就いてほしい人物として、息子のフン・マネット氏の名前を挙げたという。
マネット氏は45歳であり、かなり若い政治家だ。父親と違って、軍隊だけでなく民間の分野でも質の高い欧米の教育を受けている。クチェレンコ氏は、「フン・マネット氏は現在、階級が三ツ星の将官であり、カンボジア国軍総司令官、父親の(首相)護衛部隊の副司令官、テロ対策部隊の司令官を務めている。また、マネット氏はカンボジア人民党の青年部も率いており、35歳以下の若者が人口の約65%を占めるカンボジアでは、重要な存在だ。カンボジア軍にも一定の影響力があり、父から子への権力移行を比較的スムーズに行うことができる」と述べている。
クチェレンコ氏によると、当初、フン・セン氏の後継者候補は他にいた。その人物とは、フン・セン氏の次男と内務大臣のソー・ケン氏だった。しかし、次男は性犯罪で捕まり、二人目はフン・セン氏への忠誠心が足りなかったことで、候補から脱落した。
マネット氏のもとでカンボジアの外交政策はどう変わる?
フン・セン首相の権力移行は、カンボジアの国内政策だけでなく、外交政策の観点から見ても重要だとクチェレンコ氏は述べている。現在、カンボジアは人権状況に関して以前と比べて欧米の制裁を受けることが少なくなっているが、フン・セン氏は、首相の椅子を息子に譲り渡す際には、米国やEUからのいかなる制裁を受けないようにすべきだとの考えを示している。この点で、フン・セン氏はカンボジアと米国両政府の関係を強化するためにいくつかのステップを踏んでいる。その一つは、2022年3月の国連総会で、ウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦を非難する米国主導の決議案にカンボジアが承認した点だという。クチェレンコ氏は、マネット氏が権力を握れば、カンボジアと米国の関係はさらに良好になるのではないかとみている。米政権はカンボジアで2023年に行われる総選挙後にマネット氏の首相就任の正統性を認めるだけで十分であり、カンボジアが米国の政策にさらに密接に連携する必要はなくなる。
クチェレンコ氏によると、フン・セン氏は、カンボジアの首相として自分の後継者の王朝全体をみているという。フン・セン氏がかつて、「私は2023年以降は首相の父親になり、2030年代には首相の祖父になる」と発言したためだ。以上の事柄から、フン・セン氏がカンボジアで長期的な支配王朝を築くことを目指しているとクチェレンコ氏は結論づけている。