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【視点】同性婚:日本は変われるのか?
【視点】同性婚:日本は変われるのか?
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... 2023年2月9日, Sputnik 日本
2023-02-09T19:15+0900
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2022年6月、大阪地方裁判所は、同性婚の禁止は憲法違反ではないとの判断を下した。これは、同姓同士の結婚を認めないのは憲法に違反するとして国に賠償を求める訴えを起こしていた京都府や香川県などに住む男性同士、女性同士の3組の同性カップルに対し下された判決である。一方で、日本全国の60以上の自治体がすでに数年前から、同性カップルに証明書などを発行し、結婚に相当する関係であることを認めている。これは、日本人に対する西側の価値観の「注入」プロセスは進んでいるものの、社会や政府がこれを受け入れることに困難があることを証明している。日本問題に詳しいオレグ・カザコフ氏は、このようなLGBTの人々に対するアプローチに見られる矛盾は、国民のメンタリティーや伝統を原因としていると指摘する。カザコフ氏はまた、自民党は(厳しい社会問題において)問題は自民党の責任であるとする野党側からのあらゆる突き上げにうまく対処しているとも述べている。一方、2023年、日本はG7の議長国を務める。しかし、日本は(現在のところ)G7の中で同性婚を認めていない唯一の国となっていることから、このテーマにおける野党からの圧力が強まる可能性がある。オレグ・カザコフ氏は、「これは日本にとってかなり複雑な状況だ」と指摘する。連立与党である公明党もすでに国会で、今年5月に開かれる「G7」サミットまでに、LGBT法を採択するよう呼びかけている。とはいえ、日本はこの方向性において、2021年にすでに重要な一歩を踏み出している。東京オリンピックには、LGBTを公言している選手が142人出場したが、これは記録的な数字となった。この数は、これまでの夏季オリンピックに出場したLGBT選手の数を上回ったものである。しかし、日本はこの(LGBT運動という)問題を非常に「柔和に」、慎重に進めており、また欧米も日本の国民性を考慮し、きわめてデリケートな態度をとっている。一方で、他国に目をやれば、たとえば2022年にカタールでサッカーのW杯が開かれたときには、西側の(LGBT支持の)強力な情報キャンペーンによる抗議行動が、開催前から行われていた。国民性やその国のメンタリティというものを考慮しなければ、ここに西側のダブルスタンダードがあることは明白である。一方、日本では、(LGBT運動における)大きな変化は、与党側の政治的な合目的性によるものではないかとオレグ・カザコフ氏は推測する。一方、現在、日本にとってもっとも複雑な問題は、岸田総理自身も「先送りできない」と述べている少子化問題である。専門家らは、このまま何も手を打たず、解決策が功を奏さなければ、国の安全保障を脅かし、経済面でも深刻な打撃を受けることになるだろうと危惧している。もっとも、LGBTと同性婚を認めることが、出生率の増加という問題の解決につながることはないかもしれない。しかし、それでもLGBTのテーマは西側のパートナー諸国からも「注目」され続けている。西側諸国は、日本政府に対し、(この問題で)慎重に独自の政策を作り上げるのを妨げないようにしつつ、自らの見解を押し付けようとはしていない。国際舞台において、たびたび西側からの絶対的な圧力に直面している多くの国が、そうした西側からの抑制や理解を羨んでいることは注目に値する。そして、それはLGBT問題についてもまた同様である。関連ニュース
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【視点】同性婚:日本は変われるのか?
国会における岸田総理大臣のLGBT(性的少数者)に関する発言が、日本社会で新たなスキャンダルを巻き起こしている。同性婚を認めれば、「社会が変わってしまう」という岸田総理の発言は、野党やLGBT活動家らの怒りを買うこととなった。総理は、この直前に、同性婚について差別発言をした荒井勝喜秘書官を即時更迭しており、それを考えれば、今回の発言はやや不可解なものである。しかし、日本社会は今、このような価値観の見直しに向け、どれほどその準備が整っているのだろうか?
2022年6月、
大阪地方裁判所は、同性婚の禁止は憲法違反ではないとの判断を下した。これは、同姓同士の結婚を認めないのは憲法に違反するとして国に賠償を求める訴えを起こしていた京都府や香川県などに住む男性同士、女性同士の3組の同性カップルに対し下された判決である。一方で、日本全国の60以上の自治体がすでに数年前から、同性カップルに証明書などを発行し、結婚に相当する関係であることを認めている。これは、日本人に対する西側の価値観の「注入」プロセスは進んでいるものの、社会や政府がこれを受け入れることに困難があることを証明している。
日本問題に詳しいオレグ・カザコフ氏は、このようなLGBTの人々に対するアプローチに見られる矛盾は、国民のメンタリティーや伝統を原因としていると指摘する。
「家族の在り方というものへのアプローチやその見方に関する伝統を変えるということは、日本の社会においては、まだ複雑で難しい問題だとみなされています。それは、日本の考え方や憲法の特殊性と関係しています。ですから、このテーマをめぐっては、あらゆる問題が激しい議論を呼ぶものとなっています。一方、この社会的に大きな意味を持つ議論が政治レベルに移行していくというのは、至って当然のことです。日本の政治闘争はかなり厳しいものであることから、このような動きは常に起こっていくでしょう。しかし、自民党は自身が直面する問題をうまく解決していると思います」。
カザコフ氏はまた、自民党は(厳しい社会問題において)問題は自民党の責任であるとする野党側からのあらゆる突き上げにうまく対処しているとも述べている。一方、2023年、日本はG7の議長国を務める。
しかし、日本は(現在のところ)G7の中で同性婚を認めていない唯一の国となっていることから、このテーマにおける野党からの圧力が強まる可能性がある。
オレグ・カザコフ氏は、「これは日本にとってかなり複雑な状況だ」と指摘する。
「しかし、複数の要素から(国が開放的であること、またもっとも発展した技術経済国であること)、日本はいくらか変わる用意ができています。(強い伝統があるとはいえ)そのおかげで日本では避けられない変化が起こりました。つまり、世界の状況を認識し、少しずつ西側の価値観に適応させるということです。しかも、性という面において、日本にはヨーロッパと同じような自由があります。この問題では、日本人と欧米のメンタリティはかなり近いものです。つまり、一般的なレベルで、日本はG7のパートナー国の『西側の価値観』(同性婚に対する寛容な態度)を受け入れ、少しずつ(法のレベルで)その価値観を推し進めていくことができるのです」。
連立与党である公明党もすでに国会で、今年5月に開かれる「G7」サミットまでに、LGBT法を採択するよう呼びかけている。とはいえ、日本は
この方向性において、2021年にすでに重要な一歩を踏み出している。東京オリンピックには、LGBTを公言している選手が142人出場したが、これは記録的な数字となった。
この数は、これまでの夏季オリンピックに出場したLGBT選手の数を上回ったものである。しかし、日本はこの(LGBT運動という)問題を非常に「柔和に」、慎重に進めており、また欧米も日本の国民性を考慮し、きわめてデリケートな態度をとっている。
一方で、他国に目をやれば、たとえば2022年にカタールでサッカーのW杯が開かれたときには、西側の(LGBT支持の)強力な情報キャンペーンによる抗議行動が、開催前から行われていた。国民性やその国のメンタリティというものを考慮しなければ、ここに西側のダブルスタンダードがあることは明白である。
一方、日本では、(LGBT運動における)大きな変化は、与党側の政治的な合目的性によるものではないかとオレグ・カザコフ氏は推測する。
「それ以外に話し合うべき『熱い』テーマがないと、LGBTについて話し合うことができます。しかし、これは、価格高騰、日本を含めた世界に『打撃を与える』世界の政治情勢といった、より真剣な議題や現実的な問題から国民の目を逸らそうという試みであるのかもしれません。そこにはロシアとの関係悪化も含まれています。LGBT問題は、より深刻なネガティブ要素を『見えなくする』(つまり注意を逸らす)ために、日本の政治議論に織り交ぜられたテーマの一つなのです」。
一方、現在、日本にとってもっとも複雑な問題は、岸田総理自身も「先送りできない」と述べている少子化問題である。専門家らは、このまま何も手を打たず、解決策が功を奏さなければ、国の安全保障を脅かし、経済面でも深刻な打撃を受けることになるだろうと危惧している。もっとも、LGBTと同性婚を認めることが、出生率の増加という問題の解決につながることはないかもしれない。しかし、それでもLGBTのテーマは西側のパートナー諸国からも「注目」され続けている。西側諸国は、日本政府に対し、(この問題で)慎重に独自の政策を作り上げるのを妨げないようにしつつ、自らの見解を押し付けようとはしていない。国際舞台において、たびたび西側からの絶対的な圧力に直面している多くの国が、そうした西側からの抑制や理解を羨んでいることは注目に値する。そして、それはLGBT問題についてもまた同様である。