日本の収容所を探していたら、謎の建造物発見 サハリンの研究者らがクナシル島沖への遠征に向けて準備

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クリル諸島 - Sputnik 日本, 1920, 13.02.2023
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サハリンの地誌研究者、ニコライ・シドロフ氏は2022年8月、調査のためイトゥルップ島(択捉島)に遠征し、日本の収容所の痕跡を探した。収容者たちはクリル諸島(日本名:千島列島)の名高い要塞を建設、ソ連軍は1945年にその作業を懸命に行うことになった。収容所の明確な痕跡は確認できなかったが、シドロフ氏はダイバー暦20年のアンドレイ・シドルキン氏と会うことができた。シドルキン氏は、クナシル島(日本名:国後島)と北海道を隔てるイズメナ海峡(日本名:野付水道)の底にある謎の建造物について語った。そして現在、シドロフ氏は新たな遠征の準備を開始した。
シドロフ氏はこの話を「ソ連のサハリン」誌に語り、同誌はその後、謎の建造物を目撃したシドルキン氏と連絡を取った。

クナシリ沖の謎

クリル諸島で暮らすシドルキン氏は2022年6月8日、クナシル島沖でナマコを採っていたとき、謎の構造物を見つけた。シドルキン氏によると、その海域のナマコは異常に大きかった。またそこではオオカミウオも異常な大きさに成長していたという。さらに、かつてこの海域にはナマコがたくさんいたが徐々に姿を消し、2009年にはほとんどいなくなってしまった。また建造物から約700メートル離れた場所には、植物が生えていない「死んだ底」があるという。
シドルキン氏は建造物の3次元モデルを示し、その大きさについて語った。同氏によると、その建造物はその上面積が1平方メートル弱の頂上を切り取られた低いピラミッド型の土台の上に平行六面体が横たわっており、一番長い辺は約7〜10メートル、その側面板の幅は1.5 メートル。視覚的には不安定感を与えるという。
© 写真 : Andrei Sidorkinアンドレイ・シドルキン氏が示した水中建造物の3次元モデル。
アンドレイ・シドルキン氏が示した水中建造物の3次元モデル。 - Sputnik 日本, 1920, 13.02.2023
アンドレイ・シドルキン氏が示した水中建造物の3次元モデル。
ピラミッドも立体も黒っぽい色の石でできている。シドルキン氏は、黒曜岩の可能性があるとの見方を示している。建造物の表面は、周辺にある石とは異なりきれいで、海洋堆積物がないという。
この海底の謎の建造物の主な特徴は、側面を貫通する長い穴。そのトンネルの幅は約80センチ。シドルキン氏はトンネルの中には入らなかったという。

溶岩それとも古代文明・邪馬台国の残存物か?

シドルキン氏は専門家たちと会い、この建造物について話をした。専門家らはぞれぞれ異なる見方を示した。
科学アカデミー正会員のクラディン氏は、更新世・完新世のテラスの一部の可能性があるとの考えを示した。
水兵たちは、水中発射される際にミサイルが潜水艦から分離するのを助ける装置の一部ではないかとの見方を示した。
太平洋艦隊の救助船「イーゴリ・ベロウソフ」 - Sputnik 日本, 1920, 21.07.2022
ロシア海軍 クリル列島での水中調査を完了
経験豊富な地質学者ダツェンコ氏は、溶岩が冷却してできた、いわゆる玄武岩の柱状の構造物の可能性があるとの考えを示した。また同氏は、この水中の「奇跡」について、支石墓(ドルメン)である可能性もあるとしている。これは巨大な石を用いてつくられた儀式のための古代の建造物だが、どのようにして建てられたのかは依然として謎のままだ。さらに黒曜岩は、古代の人々が死者の霊とコミュニケーションをとるために必要な儀式用の道具をつくるために使われていた。
シドルキン氏本人は、古代文明・邪馬台国に属する人々が陸地でつくった人工構造物が、クリルの火山活動によって海底に沈んだと考えている。

解明に向けて

2022年、建造物が見つかった海域で調査船による調査が行われ、強力なソナーを活用した水中音響調査が実施され、その謎の物体が探知された。シドロフ氏は、新たな遠征の計画をすでに準備した。建造物を調査し、その大きさを測り、写真やビデオでその外観を撮影し、ピラミッドとその上に横たわる物体のサンプルを採取し、ソナーを用いて建造物の周辺を新たに詳細に調査する予定。
またシドロフ氏は、「クナシリの謎」は学者をひきつけるだけでなく、クリル諸島を訪れる旅行者にとってもユニークな体験をするチャンスとなると考えている。
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