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マンモスと同時代の生物 ロシア極東の研究者らが古代のヒグマの死骸を調査
マンモスと同時代の生物 ロシア極東の研究者らが古代のヒグマの死骸を調査
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国際研究チームは、ロシア極東で3460年前のヒグマの死骸を永久凍土から完全な形で発掘し、解剖を行った。これまでに研究者らはこのヒグマについて何を知り、何を明らかにできたのだろうか? 2023年3月1日, Sputnik 日本
2023-03-01T22:16+0900
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2020年8月、ロシア極東サハ共和国の北部、ボリショイ・リャホフスキー島の沿岸、ボリショイ・エレティカン川の河口から8キロの地点でトナカイ飼いがこのヒグマを発見した。調査の結果、そのヒグマは2〜3歳で死んだ子グマであることが分かった。死骸は永久凍土の中で一部凍結していたため、軟部組織が完全な状態で保存されていた。この状態での発見例は世界初だという。ロシア北東連邦大学マンモス博物館研究室のマクシム・チェプラソフ主任研究員が指摘しているように、これまでヒグマは後頭部の骨格や頭蓋骨しか発見されなかったという。現在、ロシアや世界の研究者らが「マンモスと同時代の生物」であるこのヒグマの研究を進めている。放射性炭素年代測定法により、このヒグマは3460年前に生息していたことが判明した。また、系統分析の結果、この子グマは現在サハ共和国東北部に生息する同世代の熊と何ら変わっていないことが明らかになった。また、死因は背骨の骨折によるもの。凍土が落下して子グマに直撃したとみられている。解剖では、組織学的、細胞学的、ウイルス学的研究のためのサンプルの採取が行われた。死骸の保存状態が良好であるため、研究者らはヒグマの食生活を調べることも計画している。胃の中には、当時の環境、特に中期完新世の環境を知る上で興味深いものが多く含まれている可能性がある。また研究者らによると、特に興味深い体の一部は、クマの脳だという。完全な状態で発見シベリアの北部では最近、世界中の古生物学者を驚かせるような発見が続いている。2019年、研究者らは、完璧な状態で発見された4万2000年前の子馬の死骸の調査を行った。同大学のマンモス博物館研究室のジュニア研究員であるガブリル・ノヴゴロドフ氏は、この子馬の体内にはすべての内臓が残されており、筋肉組織は赤みがかった色を保ち、皮膚の一部には体毛があったことと指摘している。その発見より1年前、同大学と日本の近畿大学の研究者らは、サハ共和国のユニューゲン(この地域は、マンモス墓地とも呼ばれている)で、不完全な状態ながらも軟組織と体毛を持つマンモスの化石を発見した。2017年には、サハ共和国でマンモスの化石を探していた人たちが、4万3000年前に生息していたホラアナライオンの子どものミイラを完全な保存状態で発見した。その翌年には、その場所からわずか15メートル離れた地点で、2万8000年前に生息していたホラアナライオンの子どもがもう1匹発見された。ホラアナライオンは約70万~1万年前にユーラシア大陸に生息していた、最も大型のライオンの一種。
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マンモスと同時代の生物 ロシア極東の研究者らが古代のヒグマの死骸を調査
2023年3月1日, 22:16 (更新: 2023年3月1日, 22:25) 国際研究チームは、ロシア極東で3460年前のヒグマの死骸を永久凍土から完全な形で発掘し、解剖を行った。これまでに研究者らはこのヒグマについて何を知り、何を明らかにできたのだろうか?
2020年8月、ロシア極東サハ共和国の北部、ボリショイ・リャホフスキー島の沿岸、ボリショイ・エレティカン川の河口から8キロの地点でトナカイ飼いがこのヒグマを発見した。調査の結果、そのヒグマは2〜3歳で死んだ子グマであることが分かった。死骸は永久凍土の中で一部凍結していたため、軟部組織が完全な状態で保存されていた。この状態での発見例は世界初だという。ロシア北東連邦大学マンモス博物館研究室のマクシム・チェプラソフ主任研究員が指摘しているように、これまでヒグマは後頭部の骨格や頭蓋骨しか発見されなかったという。
現在、ロシアや世界の研究者らが「マンモスと同時代の生物」であるこのヒグマの研究を進めている。放射性炭素年代測定法により、このヒグマは3460年前に生息していたことが判明した。また、系統分析の結果、この子グマは現在サハ共和国東北部に生息する同世代の熊と何ら変わっていないことが明らかになった。また、死因は背骨の骨折によるもの。凍土が落下して子グマに直撃したとみられている。
解剖では、組織学的、細胞学的、ウイルス学的研究のためのサンプルの採取が行われた。死骸の保存状態が良好であるため、研究者らはヒグマの食生活を調べることも計画している。胃の中には、当時の環境、特に中期完新世の環境を知る上で興味深いものが多く含まれている可能性がある。また研究者らによると、特に興味深い体の一部は、クマの脳だという。
シベリアの北部では最近、世界中の古生物学者を驚かせるような発見が続いている。2019年、研究者らは、完璧な状態で発見された4万2000年前の子馬の死骸の調査を行った。同大学のマンモス博物館研究室のジュニア研究員であるガブリル・ノヴゴロドフ氏は、この子馬の体内にはすべての内臓が残されており、筋肉組織は赤みがかった色を保ち、皮膚の一部には体毛があったことと指摘している。
その発見より1年前、同大学と日本の近畿大学の研究者らは、サハ共和国のユニューゲン(この地域は、マンモス墓地とも呼ばれている)で、不完全な状態ながらも軟組織と体毛を持つマンモスの化石を発見した。
2017年には、サハ共和国でマンモスの化石を探していた人たちが、4万3000年前に生息していたホラアナライオンの子どものミイラを完全な保存状態で発見した。その翌年には、その場所からわずか15メートル離れた地点で、2万8000年前に生息していたホラアナライオンの子どもがもう1匹発見された。ホラアナライオンは約70万~1万年前にユーラシア大陸に生息していた、最も大型のライオンの一種。