EUの天然ガスの共同購入、官僚主義で効果が相殺=専門家

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LNG - Sputnik 日本, 1920, 11.03.2023
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欧州連合(EU)が計画している天然ガスの共同購入の枠組みは、スポット取引では使えるものの、官僚主義が効果を相殺する可能性がある。こうした見方を、市場に詳しいロシアの専門家が示している。
これまでに米ブルームバーグは、欧州委員会のマロシュ・シェフチョビッチ副委員長の話として、EUが燃料価格の安定を目的とし、4月にも天然ガスの共同購入の枠組みを発足させると報じていた。枠組みにはすでに世界の50以上の企業が関心を示しており、特に中・小規模企業がまとまることで、個別ではできなかった大口の取引ができるようになる点で期待が高まっている。
この天然ガスの共同購入について、露コンサルティング会社「VYGON Consulting」でリサーチディレクターを務めるマリア・ベロワ氏は、スプートニクの取材に対し、次のように述べている。

「天然ガス共同購入の枠組みの立ち上げは、すなわちEUの共同購入体の創設であり、一連の市場外調整メカニズムの一つだ。スポット価格での購入時には役に立つかもしれないが、官僚主義が全ての効率性を殺すことにもなりうるだろう」

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ベロワ氏によると、この枠組みでは現在各社が結んでいる天然ガス購入契約が見直されることになると指摘。大方の企業は長期契約をすでに結んでいるため、輸出業者が再交渉に応じるかも定かではないとしている。
「BKSミール・インベストメント」の専門家イーゴリ・ガラクティオノフ氏は次のように述べる。

「共同購入はEU内の再分配におけるボトルネックを解消することにはつながるだろうが、世界市場でのエネルギー資源の入手可能性の問題を取り除くことはできない」

共同購入に関心がある企業を対象とした参加登録は3月15日に始まる。米国や中東、アフリカといった輸出国との最初の契約は6月ごろを予定しており、その後は定期的な共同購入を進めて行きたい考えだ。また、この枠組ではロシア産ガスを買うことはできない。
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