「炭素爆弾」バイデン政権 環境保護団体の抗議にもかかわらずアラスカの石油開発計画を承認

© Fotolia / NoraDoaアラスカの石油パイプライン
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米国のバイデン政権は13日、アラスカ北西部での石油掘削を可能にする「ウィロー計画」を正式に承認した。米政権は環境保護活動家からの批判を受け、生産はアラスカの国立石油保護区内の数カ所に制限すると発表。だが活動家らは15日、計画中止を求めてバイデン政権を相手取り提訴した。
米紙「ニューヨーク・タイムズ」によると、環境保護活動家や専門家によると、80億ドル(約1兆700億円)規模の同計画は、30年間で6億バレル超の石油を生産するという。これほどの量の石油を燃焼することにより、年間920万トンの二酸化炭素が大気中に放出される。これは道路を走る200万台の新車に相当する。米国は中国に次ぐ二酸化炭素排出国であり、年間約56億トンの二酸化炭素を大気中に排出している。
環境活動家やネイティブアメリカンのコミュニティは、ウィロー計画は真の「炭素爆弾」であると主張。15日には環境団体「Earthjustice」が採掘の中止を求めて米政府を相手取り裁判所に提訴した。
「Earthjustice」は公式サイトで発表した声明で次のように主張している。

「炭素による汚染の巨大発生源となる今回の決定は、2030年までに米国をクリーンエネルギーに移行させるというバイデン政権の公約に反するものだ」

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しかし、バイデン政権が承認したこの計画には支持者もいた。石油業界の代表やアラスカの国会議員らは、この掘削プロジェクトの承認を積極的に推し進めた。彼らは、土地や水の開発を制限するのではなく、エネルギー危機の中で米国のエネルギー安全保障を強化することに重点を置くようバイデン大統領に要請した。同紙によると、掘削と石油生産によって約2500人の雇用が生まれ、連邦政府に170億ドル(約2兆2800億円)の歳入がもたらされることから、この計画には地元の支持者もいるという。
これよりも前、国際エネルギー機関(IEA)の専門家は、世界はよりクリーンなエネルギー源への転換を目指しているにもかかわらず、エネルギー危機に直面しており、2023年の石油需要を満たすのは極めて困難なことになるとの分析を発表した。
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