【視点】「計画してから口実を探した」 シリアの退役軍人、米国のイラク侵攻の本当の理由について語る

© AP Photo / John Mooreバグダッドの大統領宮殿を捜索する米軍兵士、2003年
バグダッドの大統領宮殿を捜索する米軍兵士、2003年 - Sputnik 日本, 1920, 20.03.2023
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シリア軍退役准将のムハンマド・アッバス氏は、スプートニク通信のインタビューに対し、2003年の米国のイラク侵攻は欧州から軍隊を同地域に投入する必要性およびイラクならびに地域の他の国々の石油資源へのアクセスを手に入れるために事前に計画されていたと語った。
2003年3月20日、米国率いる対イラク連合の軍事作戦「Shock and Awe(衝撃と畏怖)」(後の「イラクの自由」作戦)が開始された。侵攻の理由は、イラクのサダム・フセイン政権(当時)と国際テロリズムの関係や、イラクが大量破壊兵器を保有しているという米中央情報局(CIA)の情報だった。しかし、最終的に証拠は見つからなかった。イラク侵攻は国連の承認を得ずに実施された。そして2011年12月18日、米軍の最後の部隊がイラクから撤退して終結した。
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アッバス氏は、米国の同地域への侵攻はかなり昔のソ連崩壊前から計画されていたと考えている。

「米国は常に、特に中東の産油地域に対する管理確立を目指していた。また特に北大西洋条約機構(NATO)軍がソ連を封じ込めるためにそこにいる理由がなくなった後、欧州から自分たちの軍隊を中東に投入する口実を探していた(中略)したがって、米軍はアラブ地域に移動する必要があった」

また米国は、同国による侵略が中東地域全体の安全保障を脅かしている間、メディアで「イラク国民の解放者」というイメージをつくるために大きな努力を払った。
イラクは、ダーイシュ(IS、イスラム国/ロシアではテロ組織に認定され活動禁止) によるテロの脅威にも直面した。アッバス氏は、ダーイシュは中東地域全体における自国のプレゼンスを正当化するための米国の新たな手段となったと指摘している。
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同氏は、米国の軍事作戦の特徴は「焼き払われた土地を進むためにできるだけ多くのイラク軍兵士を殲滅することを目的とした兵力と装備の過度の使用だった」と考えている。
またサダム・フセインに代わって政権を握ったイラクの指導部は、「イラクを破壊し、連邦制を導入してイラクを分割しようとした米国がもたらす脅威の規模を認識していなかった」という。アッバス氏は最後に、現在、かつて連結した社会を持つ主権国家だったイラクを操り、天然資源に関するものや国民の幸福のために主権国家として決定を下すことを妨げる試みが行われていると締めくくった。
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