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肥料由来の硝酸塩 放射性の天然ウランを地下水に溶け込ませる恐れ

© Sputnik / Asuka Tokuyama
川 - Sputnik 日本, 1920, 22.03.2023
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肥料に含まれる硝酸塩が、放射性の天然ウランを地下水に溶け込ませる恐れがある。ネブラスカ大学リンカーン校の研究者らが、アメリカ化学会の学術誌で報告している。
なぜウランは有害な物質だと言われているのか?それは、他の重金属と同様、毒性が強く、腎臓や肝臓で障害を引き起こすことがあるためだ。ウランは微量元素であるため、水や土壌に存在し、食物連鎖で濃縮されて人体に入り込む。また、ウランには同位体が複数存在するが、その全てが放射性同位体。半減期が長く、天然の放射性物質として存在している。
研究者らは、水に溶けた無機炭素化合物が地殻の中にあるウランを溶出させると長年指摘してきた。そういった化合物が地下水に浸透すると、地下水のウラン濃度を上昇させる可能性があるという。今回、研究者らは、硝酸塩が同様の役割を果たすことを突き止めた。
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研究者らは、ネブラスカ州アルダ付近の帯水層から、幅約5センチ、深さ20メートルの円柱状の堆積物を2本採取した。この場所の地中には多くのウランが存在し、地下水は東に向かって近くのプラット川に流れ込んでいる。研究者らは、この堆積物を用いて自然の水の流れを再現し、この水に硝酸塩を加えることでウランの流出量が増加するかどうかを調査した。
その結果、硝酸塩のみを加えた場合は、天然ウランが約 85%流出していることが分かった。しかし、硝酸塩と共に堆積物の中で生息する微生物の生化学的活動を妨げるための阻害剤を加えてみると、その割合は60%になることが判明した。また、阻害剤のみを水に入れた場合は50%。
以上のことから、硝酸塩はウランを地下水に溶出させるものの、ウランが水に溶け出す化合物に変化するのは微生物の活動によるものであると研究者らは指摘している。
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