国際司法裁判所、米国にイランへの賠償命じる 違法な資産凍結で

© AP Photo / Vahid Salemiイラン・テヘランにある米国旗と自由の女神像をモチーフにしたグラフィティ
イラン・テヘランにある米国旗と自由の女神像をモチーフにしたグラフィティ - Sputnik 日本, 1920, 31.03.2023
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国際司法裁判所(ICJ)は30日、米国による一部のイラン資産の凍結を国際条約違反と認定し、米側にイランへの賠償金を支払うよう命じた。

問題となったのは、1983年にレバノンで起きたベイルート・アメリカ海兵隊兵舎爆破事件の遺族らへの補償金約20億ドルを、米国が米銀行に保管されていたイラン中央銀行やイラン企業の資産から支出しようとしたこと。

米国は武装組織「ヒズボラ」がイラン高官の積極的な支援を受け爆破事件を起こしたと主張したが、イラン側はこれに反発し米国内の裁判所で争っていた。だが、米最高裁は2016年4月、イラン側の上告を棄却。これを受け、イランの資産凍結が確定していた。

イラン側は同年6月、米国による資産凍結の解除と非友好的な行為の抑制を求めてICJに訴えを起こしていた。

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キリル・ゲボルギャン判事は、米国は1955年に米イラン間に結ばれた「友好、経済関係、領事権に関する条約」で定められた義務に違反したと指摘。ICJは米国に対し、国際的な義務の違反と生じた結果について、イラン側への賠償金を支払うよう命令した。具体的な額は今後定められる。
賠償の対象になるのはイラン企業の持つ資産のみで、イラン中央銀行が保有する15億ドル超の凍結資産には適用されない。イラン中銀の凍結資産に関しては、ICJは裁判の管轄権を認めなかった。
ICJは国家間の法律的紛争などについての裁判をする国連の機関で、このごろロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)とは別の組織。
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