https://sputniknews.jp/20230412/10-15644439.html
永遠に続く脅威 世界で最も危険な10の火山
永遠に続く脅威 世界で最も危険な10の火山
Sputnik 日本
現在、世界には約800の活火山があり、その多くが今も時折活動を続けている。現代のハイテク技術をもってしても、人間は火山の噴火を防ぐことはできず、予測を出して避難することしかできない。スプートニクは、現在最も危険な10の火山についてお伝えする。 2023年4月12日, Sputnik 日本
2023-04-12T18:23+0900
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自然
火山
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ヴェスヴィオ(イタリア)西暦79年にイタリア南部で起きたヴェスヴィオ火山の大噴火は、原爆10万発分の威力に相当する。溶岩と軽石が毎秒150万トンの割合で噴出し、近くの都市ポンペイとヘルクラネウムをあっという間に覆い、何千人もの人々が即死した。ヴェスヴィオ火山が今日、最も危険な火山だといわれているのには、2つの理由がある。1つ目は、1944年に大噴火が発生し、現在も活動が続いている点。2つ目は、ヴェスヴィオ火山の周辺には、現在300万人もの人々が住んでおり、噴火が起こった場合には人々は避難しなければならないという点だ。桜島(日本)日本の桜島は、非常に活発な性質から「東のヴェスヴィオ」とも呼ばれている。桜島の火山活動は1分たりとも止まることがなく、毎年、大量の火山灰の柱を放出する。最後の大噴火は1914年に発生し、大量に流れ出た溶岩によって桜島と九州は地続きになった。イエローストーン(米国)この火山が最後に噴火したのは2700万年前だが、地下ではとても活発に活動している。イエローストーンの地下には、長さ80キロメートル、幅20キロメートルの広大な空間があり、沸騰するマグマで満たされていると研究者らは推定している。研究者らはこの火山を注視するだけでなく、そのわずかな「動き」についても研究している。もしイエローストーンが「目覚め」たら、アメリカ大陸だけでなく、地球を表面から破壊して消滅させてしまうかもしれないからだ。研究者らは、イエローストーンの噴火がもたらす影響の大きさを核戦争の規模に匹敵するとみている。マウナ・ロア(ハワイ)マウナロア火山の標高は4169メートルだが、そのほとんどは海中にある。したがって、マウナロアはエベレストよりも高く、海面下には他のどの火山よりも多くの溶岩が噴出している。幸いなことに、マウナロアのような火山は突然噴火することはなく、溶岩はゆっくりとした川のように流れ出ている。しかし、海中の斜面には何千年もかけて深い断層が形成され、噴火時には崩落や大規模な地滑りが発生する可能性がある。そして、これによって信じられない規模の津波が発生する。キリマンジャロ(アフリカ・タンザニア)アフリカ最高峰のキリマンジャロ火山(標高5895メートル)は、火山学者たちの間で、永遠の眠りに就いていると思われていた。しかし、2003年、主峰キボの火口からわずか400メートル下で溶岩が発見された。予想によると、この巨大火山から近い将来、新たな噴火が発生する可能性がある。キリマンジャロの噴火口から流れ出る真っ赤な溶岩の川は、約200キロメートルにもわたり、その途中ですべての生命を奪うとみられている。タンザニア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジでは、軍による災害救助訓練が行われている。ポポカテペトル山(メキシコ)ポポカテペトルは、メキシコで2番目に高い山で、非常に活発な火山だ。この火山は1800万人の人々が暮らす首都メキシコシティからわずか70キロメートルと危険なほど近くに位置する。過去500年の間に、ポポカテペトルの大噴火は15回以上発生し、最近に発生したのは1947年の噴火。研究者らによると、この火山の活動が増加しており、溶岩の大規模噴出によって周辺の渓谷が氾濫し、何百万人もの人々の命が危険にさらされる恐れがある。エトナ(イタリア)エトナ山は、同国のヴェスヴィオ火山より2.5倍大きい火山で、ヨーロッパで最も標高が高い活火山。面積は約1250平方キロメートル、高さは3350メートル。エトナ火山では2〜3カ月ごとに小規模な噴火が発生しているが、今のところ大きな被害は出ていない。しかし、研究者らは、大量のマグマを持つこの巨大火山が、アフリカプレートとユーラシアプレートという2つの地殻プレートの境界の真上に位置している点を懸念している。クラカタウ(インドネシア)1883年のクラカタウの噴火は、広島上空に投下された原爆の1万発分よりも強力な威力だった。この噴火により、火山の大部分は水没した。しかし、その後の1930年に海底噴火が起こり、以前の噴火で崩壊したクラカタウの中心部に新たな火山が形成された。その火山の名前は「アナク・クラカタウ」。これは「クラカトアの子ども」を意味する。この「子」は親の伝統を受け継いでおり、その火山活動は年々活発化している。2018年にインドネシアを襲い、約500人が死亡した恐ろしい津波は、アナク・クラカタウ火山の斜面の地滑りが原因だった。ムラピ(インドネシア)インドネシア・ジャワ島のムラピ山では、過去500年間において噴火が定期的に起きており、大規模噴火は10~15年ごとに起きている。この火山は、噴火の際に溶岩流が高速で放出されるような構造になっている。そのため、早期に噴火の危険を発表したとしても、地域住民を避難させるのは困難。2023年3月、高さ1300メートルに達する火山灰の柱がメラピの上空に上がった。当局はその当時、噴火の危険レベルは2だと発表していた。ウラウン(パプアニューギニア)パプアニューギニアで最も活発な火山であるウラウン山が危険なのは、溶岩の噴出や、定期的に大気中に二酸化硫黄を放出している点。研究者は、この有害な汚染物質の排出量の2%近くがウラウンから排出されているとみている。また、ウラウンの斜面が崩壊し、大規模な地滑りが発生すると、周辺地域は壊滅的な被害を受け、多くの死者が出る危険性がある。
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永遠に続く脅威 世界で最も危険な10の火山
現在、世界には約800の活火山があり、その多くが今も時折活動を続けている。現代のハイテク技術をもってしても、人間は火山の噴火を防ぐことはできず、予測を出して避難することしかできない。スプートニクは、現在最も危険な10の火山についてお伝えする。
西暦79年にイタリア南部で起きたヴェスヴィオ火山の大噴火は、原爆10万発分の威力に相当する。溶岩と軽石が毎秒150万トンの割合で噴出し、近くの都市ポンペイとヘルクラネウムをあっという間に覆い、何千人もの人々が即死した。ヴェスヴィオ火山が今日、最も危険な火山だといわれているのには、2つの理由がある。1つ目は、1944年に大噴火が発生し、現在も活動が続いている点。2つ目は、ヴェスヴィオ火山の周辺には、現在300万人もの人々が住んでおり、噴火が起こった場合には人々は避難しなければならないという点だ。
日本の桜島は、非常に活発な性質から「東のヴェスヴィオ」とも呼ばれている。桜島の火山活動は1分たりとも止まることがなく、毎年、大量の火山灰の柱を放出する。最後の大噴火は1914年に発生し、大量に流れ出た溶岩によって桜島と九州は地続きになった。
この火山が最後に噴火したのは2700万年前だが、地下ではとても活発に活動している。イエローストーンの地下には、長さ80キロメートル、幅20キロメートルの広大な空間があり、沸騰するマグマで満たされていると研究者らは推定している。研究者らはこの火山を注視するだけでなく、そのわずかな「動き」についても研究している。もしイエローストーンが「目覚め」たら、アメリカ大陸だけでなく、地球を表面から破壊して消滅させてしまうかもしれないからだ。研究者らは、イエローストーンの噴火がもたらす影響の大きさを核戦争の規模に匹敵するとみている。
マウナロア火山の標高は4169メートルだが、そのほとんどは海中にある。したがって、マウナロアはエベレストよりも高く、海面下には他のどの火山よりも多くの溶岩が噴出している。幸いなことに、マウナロアのような火山は突然噴火することはなく、溶岩はゆっくりとした川のように流れ出ている。しかし、海中の斜面には何千年もかけて深い断層が形成され、噴火時には崩落や大規模な地滑りが発生する可能性がある。そして、これによって信じられない規模の津波が発生する。
アフリカ最高峰のキリマンジャロ火山(標高5895メートル)は、火山学者たちの間で、永遠の眠りに就いていると思われていた。しかし、2003年、主峰キボの火口からわずか400メートル下で溶岩が発見された。予想によると、この巨大火山から近い将来、新たな噴火が発生する可能性がある。キリマンジャロの噴火口から流れ出る真っ赤な溶岩の川は、約200キロメートルにもわたり、その途中ですべての生命を奪うとみられている。タンザニア、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジでは、軍による災害救助訓練が行われている。
ポポカテペトルは、メキシコで2番目に高い山で、非常に活発な火山だ。この火山は1800万人の人々が暮らす首都メキシコシティからわずか70キロメートルと危険なほど近くに位置する。過去500年の間に、ポポカテペトルの大噴火は15回以上発生し、最近に発生したのは1947年の噴火。研究者らによると、この火山の活動が増加しており、溶岩の大規模噴出によって周辺の渓谷が氾濫し、何百万人もの人々の命が危険にさらされる恐れがある。
エトナ山は、同国のヴェスヴィオ火山より2.5倍大きい火山で、ヨーロッパで最も標高が高い活火山。面積は約1250平方キロメートル、高さは3350メートル。エトナ火山では2〜3カ月ごとに小規模な噴火が発生しているが、今のところ大きな被害は出ていない。しかし、研究者らは、大量のマグマを持つこの巨大火山が、アフリカプレートとユーラシアプレートという2つの地殻プレートの境界の真上に位置している点を懸念している。
1883年のクラカタウの噴火は、広島上空に投下された原爆の1万発分よりも強力な威力だった。この噴火により、火山の大部分は水没した。しかし、その後の1930年に海底噴火が起こり、以前の噴火で崩壊したクラカタウの中心部に新たな火山が形成された。その火山の名前は「アナク・クラカタウ」。これは「クラカトアの子ども」を意味する。この「子」は親の伝統を受け継いでおり、その火山活動は年々活発化している。2018年にインドネシアを襲い、約500人が死亡した恐ろしい津波は、アナク・クラカタウ火山の斜面の地滑りが原因だった。
インドネシア・ジャワ島のムラピ山では、過去500年間において噴火が定期的に起きており、大規模噴火は10~15年ごとに起きている。この火山は、噴火の際に溶岩流が高速で放出されるような構造になっている。そのため、早期に噴火の危険を発表したとしても、地域住民を避難させるのは困難。2023年3月、高さ1300メートルに達する火山灰の柱がメラピの上空に上がった。当局はその当時、噴火の危険レベルは2だと発表していた。
パプアニューギニアで最も活発な火山であるウラウン山が危険なのは、溶岩の噴出や、定期的に大気中に二酸化硫黄を放出している点。研究者は、この有害な汚染物質の排出量の2%近くがウラウンから排出されているとみている。また、ウラウンの斜面が崩壊し、大規模な地滑りが発生すると、周辺地域は壊滅的な被害を受け、多くの死者が出る危険性がある。