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【特集】「ロシア人と日本人は全く別々の人たち。でも、芸術に対する意識は似ている」 ボリショイ・バレエ団のソリスト 千野円句さんにインタビュー
【特集】「ロシア人と日本人は全く別々の人たち。でも、芸術に対する意識は似ている」 ボリショイ・バレエ団のソリスト 千野円句さんにインタビュー
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ボリショイ・バレエ団のソリストである千野円句(まるく)さんは、スプートニクの独占インタビューで、自分にとってのボリショイ劇場について、夢にまで見た役について、ロシア人と日本人の共通点などについて語った。 2023年5月6日, Sputnik 日本
2023-05-06T11:00+0900
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千野円句さんは、ロシア人の父親と日本人の母親のもと、モスクワで生まれた。有名なバレエ教師であった祖母の谷口登美子さん、ボリショイ劇場付属モスクワ国立舞踊アカデミーを卒業しロシアバレエ団(正式にはモスクワ州アカデミー劇場「ロシア•バレエ」)で踊っていた母の千野真沙美さんに続くバレエ王朝の3代目だ。ボリショイ劇場付属モスクワ国立舞踊アカデミーではワレリー・アニシモフ氏に師事し、2017年に卒業。その後ボリショイ・バレエ団に入団。バレエ団では、アレクサンドル・ヴェトロフ氏の指導を受けた。スプートニク:ソリストとしての初舞台を覚えていますか?千野円句さん: 僕はボリショイ・バレエ・アカデミー時代ボリショイ劇場で子役を踊る機会もよくありましたが、プロのバレエ・ダンサーとして初めてソロの舞台に立ったのはバレエ学校を卒業して一年目に『エチュード』というバレエで主役を踊らせていただいた時です。その時は緊張の上をいっていましたね。ほとんど恐怖でした。何カ月前かまで一生徒だったのに、今はもうダンサーとしてこんな大きな舞台でソリストとして踊らせていただけたのはとても緊張しましたし、とても嬉しかったです。僕は、今まで踊った中でボリショイ劇場より大きな舞台はまだ知らないですね。やっぱり、この劇場には歴史がいっぱい詰まっているとすごく感じます。この舞台で今までに踊ってきた偉大なダンサーたちを思うと、すごく大きなプレッシャーですね。スプートニク:日本とロシアのプロのバレエダンサーの共通点と相違点は何ですか?千野円句さん:やはり、日本のダンサーはテクニックがとても素晴らしくて数ある世界中のバレエ団で日本のダンサーはテクニックがものすごく高レベルだと思います。ロシア人のダンサーはそもそもの体型がまず違っていて、日本の方ができる、すごい強いテクニックがロシアのダンサーにはあまりできないこともありますし、逆にロシアのダンサーのすらっとした体型は日本の方々はもっていない方が多くてそれをテクニックで補ったりして全く違うバレエになっていると思います。やはりバレエは個性ですから日本の方は自分の長所を活かして踊れていると思います。僕はロシアで学んできて、人生の多くをロシアで過ごしているのでやっぱりロシア人のダンサーの方が目に焼き付いています。ボリショイで踊っていたウラジーミル・ヴァシーリエフとかミハイル・ラヴロフスキー、ミハイル・バルィシニコフなどロシア人のダンサーをすごく尊敬しています。僕の先生であるアレクサンドル・ヴェトロフとか、王子役だけによらないで幅広い役を踊れるダンサーがとても大好きで自分もそういう、いろんな役、何でも踊れるダンサーを目指しています。自分の先生のアレクサンドル・ヴェトロフを先生としても尊敬していますしダンサーとしても素晴らしいと思っています。誰が一人好きかと言われると正直あまり答えられないんですけど数多くいる素晴らしいダンサーの一人一人に誰も持っていない個性があると思っています。スプートニク:新シーズンではどんな役柄を踊るのでしょうか?千野円句さん:この、僕にとっての第6シーズンでは2つ大きな役を踊らせてもらえました『ファラオの娘』のタオールという男性の主役と『シルフィード』のジェイムズ、この2つの大きな役を今シーズン踊らせてもらえて、これは正直、自分が踊れるとは思っていなかった役なんですね。自分にはとても遠い、まだまだの役だと思っていたんですけど、それが実現できて、もちろん、もっと仕事をして役を完成させないといけないんですけどこれを踊れたことで、僕は今はできるだけ多く舞台に立って一つに絞らず幅広い役を踊れるようにしていきたいですね。スプートニク:ロシア人と日本人の共通点は何だと思いますか?千野円句さん:ロシア人と日本人は全く別々の人たちだと思います。でも日本もロシアも芸術に対する意識はとても高くて音楽だったり絵だったり、文学もまったく別物だけど、それに対する意識は似てると思っていてロシアに数多くの素晴らしい芸術家たちがいるように日本にも多くの文学者や芸術家がいて歴史もそうですし、芸術に対する意識は似ていると思います。千野さんはアカデミー時代に、チャイコフスキー作曲のバレエ「眠れる森の美女」パ・ド・ドゥ(M.プティパ振付)、フォーキン作曲のバレエ「レ・シルフィード」の主役、チャイコフスキー作曲のコンサートナンバー「ロココの主題による変奏曲」(A.ミロシュニチェンコ振付)、シュトラウス作曲の「船乗り」(D.プロツェンコ振付)など、レパートリーを幅広く習得した。
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【特集】「ロシア人と日本人は全く別々の人たち。でも、芸術に対する意識は似ている」 ボリショイ・バレエ団のソリスト 千野円句さんにインタビュー
2023年5月6日, 11:00 (更新: 2023年5月7日, 07:54) ボリショイ・バレエ団のソリストである千野円句(まるく)さんは、スプートニクの独占インタビューで、自分にとってのボリショイ劇場について、夢にまで見た役について、ロシア人と日本人の共通点などについて語った。
千野円句さんは、ロシア人の父親と日本人の母親のもと、モスクワで生まれた。有名なバレエ教師であった祖母の谷口登美子さん、ボリショイ劇場付属モスクワ国立舞踊アカデミーを卒業しロシアバレエ団(正式にはモスクワ州アカデミー劇場「ロシア•バレエ」)で踊っていた母の千野真沙美さんに続くバレエ王朝の3代目だ。ボリショイ劇場付属モスクワ国立舞踊アカデミーではワレリー・アニシモフ氏に師事し、2017年に卒業。その後ボリショイ・バレエ団に入団。バレエ団では、アレクサンドル・ヴェトロフ氏の指導を受けた。
© Sputnik / Vladimir Pesnya / メディアバンクへ移行千野円句とエカテリーナ・クリャヴリナ
スプートニク:ソリストとしての初舞台を覚えていますか?
千野円句さん: 僕はボリショイ・バレエ・アカデミー時代ボリショイ劇場で子役を踊る機会もよくありましたが、プロのバレエ・ダンサーとして初めてソロの舞台に立ったのはバレエ学校を卒業して一年目に『エチュード』というバレエで主役を踊らせていただいた時です。その時は緊張の上をいっていましたね。ほとんど恐怖でした。何カ月前かまで一生徒だったのに、今はもうダンサーとしてこんな大きな舞台でソリストとして踊らせていただけたのはとても緊張しましたし、とても嬉しかったです。僕は、今まで踊った中でボリショイ劇場より大きな舞台はまだ知らないですね。やっぱり、この劇場には歴史がいっぱい詰まっているとすごく感じます。この舞台で今までに踊ってきた偉大なダンサーたちを思うと、すごく大きなプレッシャーですね。
スプートニク:日本とロシアのプロのバレエダンサーの共通点と相違点は何ですか?
千野円句さん:やはり、日本のダンサーはテクニックがとても素晴らしくて数ある世界中のバレエ団で日本のダンサーはテクニックがものすごく高レベルだと思います。ロシア人のダンサーはそもそもの体型がまず違っていて、日本の方ができる、すごい強いテクニックがロシアのダンサーにはあまりできないこともありますし、逆にロシアのダンサーのすらっとした体型は日本の方々はもっていない方が多くてそれをテクニックで補ったりして全く違うバレエになっていると思います。やはりバレエは個性ですから日本の方は自分の長所を活かして踊れていると思います。僕はロシアで学んできて、人生の多くをロシアで過ごしているのでやっぱりロシア人のダンサーの方が目に焼き付いています。
ボリショイで踊っていたウラジーミル・ヴァシーリエフとかミハイル・ラヴロフスキー、ミハイル・バルィシニコフなどロシア人のダンサーをすごく尊敬しています。僕の先生であるアレクサンドル・ヴェトロフとか、王子役だけによらないで幅広い役を踊れるダンサーがとても大好きで自分もそういう、いろんな役、何でも踊れるダンサーを目指しています。自分の先生のアレクサンドル・ヴェトロフを先生としても尊敬していますしダンサーとしても素晴らしいと思っています。誰が一人好きかと言われると正直あまり答えられないんですけど数多くいる素晴らしいダンサーの一人一人に誰も持っていない個性があると思っています。
スプートニク:新シーズンではどんな役柄を踊るのでしょうか?
千野円句さん:この、僕にとっての第6シーズンでは2つ大きな役を踊らせてもらえました『ファラオの娘』のタオールという男性の主役と『シルフィード』のジェイムズ、この2つの大きな役を今シーズン踊らせてもらえて、これは正直、自分が踊れるとは思っていなかった役なんですね。自分にはとても遠い、まだまだの役だと思っていたんですけど、それが実現できて、もちろん、もっと仕事をして役を完成させないといけないんですけどこれを踊れたことで、僕は今はできるだけ多く舞台に立って一つに絞らず幅広い役を踊れるようにしていきたいですね。
千野円句とイリーナ・アブリツォワ 「海賊」奴隷のパ・ド・ドゥ
千野円句とイリーナ・アブリツォワ 「海賊」奴隷のパ・ド・ドゥ
スプートニク:ロシア人と日本人の共通点は何だと思いますか?
千野円句さん:ロシア人と日本人は全く別々の人たちだと思います。でも日本もロシアも芸術に対する意識はとても高くて音楽だったり絵だったり、文学もまったく別物だけど、それに対する意識は似てると思っていてロシアに数多くの素晴らしい芸術家たちがいるように日本にも多くの文学者や芸術家がいて歴史もそうですし、芸術に対する意識は似ていると思います。
千野さんはアカデミー時代に、チャイコフスキー作曲のバレエ「眠れる森の美女」パ・ド・ドゥ(M.プティパ振付)、フォーキン作曲のバレエ「レ・シルフィード」の主役、チャイコフスキー作曲のコンサートナンバー「ロココの主題による変奏曲」(A.ミロシュニチェンコ振付)、シュトラウス作曲の「船乗り」(D.プロツェンコ振付)など、レパートリーを幅広く習得した。