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新型コロナのパンデミックの影響で 奈良公園のシカの「おじぎ」の回数が減少

シカ - Sputnik 日本, 1920, 04.06.2023
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新型コロナウイルスのパンデミックが、日本の奈良公園のシカの行動を変えた。奈良公園やその周辺に生息するシカは、鹿せんべいをもらうときに「おじぎ」のような仕草をみせることで知られているが、パンデミックが始まってからその「おじぎ」の回数が減少したという。新型コロナのパンデミックの影響で観光客が少なくなったのが原因とみられている。日本の研究グループが調査した。科学雑誌PLoS Oneに論文が掲載された。
調査では、新型コロナウイルス感染症対策の制限措置が人間の生活だけでなく、人間と近い距離で生きている野生動物や鳥の行動にも深刻な影響を与えたことが示された。例えば、米サンフランシスコでは、野鳥ノドジロシトドの鳴き声が小さくなった。研究グループによると、街の喧騒にかき消されないように大きな声を出す必要がなくなったからだという。しかし、コロナ禍における野生動物の行動の変化の最も顕著な例は、奈良のシカだった。
奈良公園には1000年以上にわたって野生のシカが生息している。研究グループによると、奈良公園周辺には現在、野生のニホンジカが1050~1400頭生息している。シカの数は特に2015年から2021年に増加した。研究グループは、この期間に奈良公園を訪れた観光客数が記録的に増加したことを明らかにした。奈良公園ノニホンジカは、人間を恐れず、人間から大好きな鹿せんべいをもらって食べる。鹿せんべいをねだるために「おじぎ」のような仕草を見せるシカもたくさんいる。
しかし、2020年から2021年にかけて新型コロナ対策の制限措置が導入されて以降、鹿せんべいの販売場所の近くでシカをみかけることが少なくなった。研究グループは、シカの数は少なくなったものの、集まってきたシカに鹿せんべいを見せている間にシカが「おじぎ」する回数を調べた。パンデミック前は、1頭あたりの「おじぎ」の回数が10回以上だったが、パンデミック期間中は6回に減ったという。
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研究グループは、奈良公園のシカは人間活動の変化に素早く対応できるとの結論に達した。なお、パンデミックが始まってから奈良のシカの「おじぎ」の回数が減ったことは、人間との継続的な交流がなくなったら、この「おじぎ」をする行動がいずれは消滅することを示しているという。
スプートニク通信は先に、ロシア沿海地方にある国立公園「ヒョウの大地」で、学者たちが世界で初めて、長い間水の中に潜り、水中で餌を探すニホンジカの撮影に成功したと報じた。
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