紛争の死者数 実は最多はエチオピア 欧州は感知せず=独TV局

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アーカイブ写真 - Sputnik 日本, 1920, 30.06.2023
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グローバルシンクタンク「経済平和研究所」の最近の調査によると、2022年に世界中の紛争で死亡した人数は23万8000人にのぼった。これだけ大きな死亡者数はルワンダのジェノサイド以来、約30年の間、みられなかった。内訳では、エチオピアでの戦争が最も多くの命を奪ったことが判明した。ダス・エルステ(第1ドイツテレビジョン)放送は、にもかかわらず、欧州はこの事実に気づいていないと辛口の報道をしている。
ダス・エルステ放送局は、欧州はエチオピアが地理的に離れているために、2022年の最も血なまぐさい紛争がエチオピア紛争であることに気づいていないと考えている。しかも、エチオピア政府はメディアの報道を抑圧し、インターネットへのアクセスを厳格に制限している。実際、政府軍と反政府勢力のティグレ人民解放戦線(TPLF)の間の戦闘ではすでに10万人以上が死亡している。これに加え、その2倍の数の人々が戦争によって引き起こされた病気や飢餓で亡くなっている。
ダス・エルステ放送局によれば、次に死傷者が多いのはウクライナにおけるロシアの特別軍事作戦。2022年には少なくとも8万2000人が死亡している。さらに、経済平和研究所の推定では、20~24歳のウクライナ人男性の65%が紛争中に逃亡したか、死亡しており、全体ではウクライナの人口の30%以上が国内で、あるいは国外で難民となっている。
ダス・エルステ放送局によれば、経済平和研究所の調査でエチオピア、ミャンマー、ウクライナ、イスラエル、南アフリカをはじめとする79カ国で紛争が増加していることが明らかになった。それと同時に、武力紛争が国境を越えて拡大するケースも増えている。報告書によれば、2022年には91カ国が国外の紛争に巻き込まれていた。このように他国の紛争に巻き込まれる国は、2008年には58カ国だった。
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2022年の冬 EUのエネルギー危機は新型コロナよりも多くの人を死に追いやった
経済平和研究所が出している平和の相対的な位置を測定する指数、世界平和度指数は世界163か国を23項目にわたって分析している。項目には内戦・国際紛争による死者数、殺人率、軍事化の度合い、武器の輸出、テロ、政情不安、囚人数などが入っている。現在、世界で最も平和な国はアイスランド、デンマーク、アイルランド。日本は9位に入っているが、米国にいたっては163か国中131位と低い。
ダス・エルステ放送局によれば、経済平和研究所は武力紛争の経済的コストも試算しており、昨2022年は約16兆ユーロ(2兆5000億円)に上った。この額は世界のGDPの13%に相当する。経済平和研究所はまた、中国による台湾の経済封鎖を予測し、封鎖が起きた場合、それが世界経済に与える影響は2008年の金融・経済危機の2倍になると結論づけた。
ウクライナでは戦場で人が死んでいるだけではない。スプートニクはウクライナ国家警察の情報提供者の発言を引用し、ウクライナがヘルソン市に拷問室を設置し、自分をロシア人ととらえる市民や親ロシアの市民を拘束し、拷問で殺害している事実を報じている。
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