Роман Свиридов с оригами - Sputnik 日本

【人物】ロシアの名手 折り紙は知的作業

リュドミラ サーキャン
日本の折り紙アートは世界に広がったが、それは紙を用いてさまざまな形をつくりだすことにとどまらない。この古くから伝わる応用美術、工学、数学が結びついて、折り紙学という新しい科学が出現した。その原理は、建築、デザイン、電子工学、宇宙飛行学で広く使用されている。モスクワ地下鉄の新しい駅「オリホヴァヤ」はすべて折り紙のスタイルでデザインされている。地下鉄の入り口(地上)は紙飛行機を彷彿させ、折り加工されたグラフィックを用いた駅構内は紙細工を模倣している。
折り紙で作った「帽子」 - Sputnik 日本

スプートニク通信は、モスクワ折り紙クラブの会長でロシア芸術家連盟の会員で、折り曲げ変形法による新しい構造を考案したロマン・スヴィリドフ氏にお話を伺った。

スプートニク:もう40年間も折り紙に取り組んでいるそうですね。折り紙との出会いについて教えてください。
スヴィリドフ氏:折り紙の技巧と初めて出会ったのは子どもの頃でした。当時、牛乳瓶のふたに使われていたブリキ製のふたから何かの形をつくることを祖父が教えてくれました。折り紙との本物の出会いは1980年。私がモスクワ教育大学グラフィックアート学部の学生だったときのことです。私たちの大学で元航空技師のミハイル・リトヴィノフ氏が紙を用いた設計を教えていました。同氏は、折り紙のファンでした。そして私たちの国でこの紙の設計におけるエンジニアにとっての将来の展望と、多次元空間を視覚的にモデル化する可能性を見出した最初の人物の1人でした。私は同氏の講義を初めて受けたときにすでにインスピレーションを受けました。そして私たちの交流から、折り紙センターをつくるというアイデアが生まれました。
折り鶴 - Sputnik 日本
折り鶴
スプートニク:1988年に国際基金「文化イニシアチブ」の審査に通って給付された助成金を活用してモスクワ折り紙クラブが設立され、あらゆる年齢の折り紙愛好家が一つになりました。そして、ロシアのさまざまな都市でのマスタークラス、講座、レクチャー、折り紙に関する本や折り方を紹介する本の出版、コンテストや展覧会、その他のプロジェクトへの参加など、仕事が快調に進み始めました。
スヴィリドフ氏:たくさんのプロジェクトがありました。そのうちの1つは、例えば、折り紙の技巧を使って曲げたアルミ板で東洋研究所の天井をつくることです。結果的に、頭上に金色の波ができました。あとはオーダーメイドや美術品としてつくられたたくさんの金属のオブジェクトもありました。広告などを目的とした軽量のスライド可動する骨組みもありました。1枚の紙で高さおよそ3メートル、体長5メートルの大きな恐竜をつくってほしいという注文もありました。私は並行して、一連の連続する動作ではなくて、特別なマトリックスに沿った1つの動作であらゆる箱を素早く折りたたむ技術を開発していました。現在、折り紙の技巧がほぼすべての包装の基盤となっています。
Подвесной потолок в стиле оригами в Институте востоковедения - Sputnik 日本
折り紙の技巧を使って曲げられたアルミ板による天井、東洋研究所
スプートニク:でも大多数の人が折り紙を芸術として認識しています。
スヴィリドフ氏:変化の原理はあらゆるものの中に存在しており、変化のない芸術など考えられません。折り紙の芸術的な側面としては、20世紀半ばに世界中で折り紙ブームが起こりました。そして私たちは最初の展覧会を開きました。それは正真正銘のセンセーションを巻き起こしました。例えば、シンフェロポリの美術館で行われた折り紙展は2週間の開催予定でしたが、1か月半まで延長されました。平日は200人から2000人、休日は最大4000人が訪れました。美術館の館長によると、私たちは入館者数に関するすべての記録を更新したそうです… 折り紙はずいぶん前に日本から海外に飛び出しましたが、もちろん訪れる人たちは常に日本というテーマに惹かれています...
スプートニク:日本の折り紙は他の国よりも象徴的な意味を持っているように思われます。例えば、広島の折り鶴など…
スヴィリドフ氏:鶴や鳩については、平和を求める闘い、核兵器に対する反対を連想させます。これは佐々木禎子さんの物語と関係しています。2007年にロシア外務省附属外交アカデミーで展覧会を開催した際、1950年代に彼女の慰霊碑のために世界中で折り鶴が集められたとき、ソ連の学生たちも折り鶴を折り、大使館を通じて日本に送ったという話を聞きました。ですが一般に折り紙の象徴性には条件があります。この現象の由来は、それがロシア人であれ日本人であれ農民にとって自然が現代人よりもはるかに大きな存在で、自然現象の観察もまたとても重要だった遠い昔に遡ります。
スプートニク:スヴィリドフさんは2018年に日本の「旭日単光章」を受章されました。どんなお気持ちになられましたか?
スヴィリドフ氏:私は表彰されたいと思って頑張ったことは一度もありませんし、他の人が表彰されてもそれを羨ましいと思ったこともありませんでした。彼らはたくさんの労力を費やしたため、その功績によって表彰されたことを理解していました。ですから自分の受章を知ったときは驚きましたが、私のささやかな貢献も評価していただけたことにとても感動し、感謝しました。私は日本大使館と1989年から協力しており、私たちは大使館で折り紙教室を開催し、工科博物館、芸術家会館、トレチャコフ美術館などの大ホールで時には年に2~3回も共同で展覧会を開催しました。毎年恒例の「日本の秋」の展覧会には大勢の人が訪れました。
2019年(令和1年)の旭日単光章を授与されるロマン・スヴィリドフ氏 - Sputnik 日本
2019年(令和1年)の旭日単光章を授与されるロマン・スヴィリドフ氏
スプートニク:幼稚園では指先の細かい動きを促したり、学校では空間的認識能力の発達のために授業で目的意識を持って折り紙をしたほうがいいという意見がありますが、どう思われますか?
スヴィリドフ氏:子どもに折り紙を教えることはとても有益なことです。しかし問題は、子どもたちではなく教師が準備しなければならないということです。なぜなら、子どもたちに折り紙を教えることができる教師、つまり算数の教師、生活技術の教師、図画工作の教師は、折り紙の理解からはほど遠いからです。彼らは折り紙の美学、つまり全体として数学的な美学を理解していません。これが知的作業であることを理解していないのです。折り紙の折り方を紹介する本を2~3冊読み、折り方を学んで、それを子どもたちに見せるのが関の山でしょう。でも子どもたち、特に小さな子どもたちは、例えば、紙を半分に折ったり、対角線で折るということが何なのか理解できません。ですから、うまくいかないと興味を失ってしまいます。私はそれを教える方法を見つけました。子どもの手を取って、一緒に折り始めるんです。そうすると子どもたちはその動きを覚えるんです。
Мастер-класс по оригами - Sputnik 日本
折り紙のマスタークラス
スプートニク:折り紙は独学できますか?
スヴィリドフ氏:先生との生きたやり取りは、少なくとも最初の段階では非常に重要です。なぜなら先生は意欲を与えるからです。その後、紙の折り方や扱い方を理解して、最も基本的なスキルを習得したら、その時はもう自分でやってみることが可能です。ビデオレッスンや本を見て折ることもできますが、試してみてもうまくいかず、そこでやめてしまうケースがたくさんあります。昔の本にはいくつかの基本的な形しか載っていませんでしたが、20世紀半ばに吉澤章氏のおかげで折り方が記号化されて「折り紙言語」ができると、複雑な作品の折り方を簡単に説明できるようになりました。同氏は単なる名手ではなくて、現代折り紙の父でもありました。吉澤氏ご本人にも素晴らしい作品があり、同氏の孫弟子たちも独創的な作品をつくっています。
スプートニク:今も折り紙にたくさんの時間を費やしていますか?
スヴィリドフ氏:昔は多種多様な作品をたくさん考案していました。作品だけでなく、折り方もです。今はSNS上で折り紙のグループを率いていますが、世界中に才能ある折り紙アーティストがとてもたくさんいることに気づきました。くす玉を作っている人もいれば、お札を使って作品を作っている人もいます。また、ものすごく複雑な折り紙をインターネット上でで公開している人もいます。例えば、千枚のうろこを持つ龍や蛇などです。それらはすべて最も薄い1枚の紙からつくられているんです。私は現在、絵画やその修復に取り組んでいることのほうが多いです。その過程で、絵画を修復するためのより現代的で効果的かつ迅速なさまざまな方法を思いつきます。
スプートニク:日本に行ったことはありますか?
スヴィリドフ氏:日本に行ったことはありません。招待されたときはいつも用事や予定がありました。そして招待されなくなったとき、私は啓蒙活動や芸術、また何らかの新しいプロジェクトに資金を費やしたほうが良いと考えるようになりました...
ページ先頭へ戻るホームへ戻る
ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала