日本一美味しい品種の梨!優れた品種を探る

© iStock.com / Okugawa梨を収穫する農家
梨を収穫する農家 - Sputnik 日本, 1920, 02.10.2023
サイン
梨は、甘さとみずみずしさが人気の果物。夏の終わりから秋がナシの季節。この時期は独特の食感や味を持つこの果物を味わい、さまざまな品種を楽しむのに最適だ。スプートニクが日本の青梨と赤梨や、日本で栽培されている中国梨と洋梨の種類とその特徴をご紹介する。

和梨

日本で梨が食されるようになったのは弥生時代。中国から日本に伝わったと言われている。江戸時代にはすでに100種類以上の品種があった。今日、ナシは沖縄を除く日本全国で栽培されている。
CC BY-SA 3.0 / 663highland / Tottori Nijisseiki Pear Museum鳥取県の倉吉市にある梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館」
鳥取県の倉吉市にある梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館」 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
鳥取県の倉吉市にある梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館」
一方、梨を選ぶときにその品種の多さに注意を払う人はほとんどいない。ナシには定期的に新しい品種が登場している。これはすべて梨の栽培と改良の長い歴史のおかげだ。日本で栽培されているナシは現在、主に日本梨(和梨)、中国梨、洋梨の3種類に分けられる。

和梨の種類

さまざまなデータによると、和梨には50種類以上の品種があり、主に青梨と赤梨の2種類に分けられる。皮の色やさわり心地が違う。一般的に和梨は夏から秋にかけて旬を迎えるが、品種によっては2月まで楽しめるものもある。

青梨

青梨は、ツルツルとした緑色の皮を持っており、丸い形をしている。9月頃に旬を迎える。青梨が日本全体の梨生産量に占める割合は10%未満。

二十世紀梨

日本で栽培されている青梨の中で一番人気があると自信をもって言うことができる。シャリシャリとした食感が特徴で、和梨の中で最も水分が多い。なお、糖度は低く、酸味が強い。最も生産量が多いのは鳥取県で、初秋に旬を迎える。
二十世紀梨 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
二十世紀梨

サンセーキ

二十世紀梨を袋で覆わずに育てた梨。太陽の光を浴びで育つため、甘味が強い。長野県を代表する梨。旬は9月。
サンセーキ - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
サンセーキ

ゴールド二十世紀

二十世紀梨の改良種。市場に出回っている中で最も美味しい梨の1つと考えられており、人気のある梨。果皮の色は黄緑から黄色。果肉はやや緊密で、甘味は中。その「親」である二十世紀梨よりも黒斑病(梨に発生しやすい病気)に強い。
CC BY-SA 4.0 / Hsu, Tzu-hsun / 鳥取二十世紀梨記念館 梨のキッチンギャラリー(cropped photo)鳥取県の倉吉市にある梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館」
鳥取県の倉吉市にある梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館」 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
鳥取県の倉吉市にある梨をテーマにした博物館「鳥取二十世紀梨記念館」

瑞鳥

果形は円形、やや扁平した円形で、果皮の色は緑色。果実重は最大600g。甘味が強いが酸味もあり、その味はリンゴに似ている。主な産地は鳥取県。初秋に旬を迎える。
瑞鳥 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
瑞鳥

八雲

二十世紀梨の品種改良によってできた品種。多くの点で二十世紀梨に似ているが、二十世紀梨よりはやや小ぶり。シャリシャリとした食感で甘いが、心地よい酸味もある。生産者が少ないため、あまり市場に出回ることなのない珍しい梨。8月上旬頃に旬を迎える。
八雲 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
八雲

なつひめ

早生の青梨で、8月中旬に成熟する。鳥取県のオリジナル品種。果形は扁円形。とても甘く、酸味もある。
CC BY-SA 3.0 / 新品種育成者 / Natsuhime-100なつひめ
なつひめ - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
なつひめ

秋麗

同じく青梨の品種の1つで、やや扁平な形をしている。皮の表面に茶色い斑点が出やすい。果肉は柔らかく、みずみずしい。ほとんど酸味は感じられず、柿のような濃厚な甘さを持つ品種。熊本県が主な産地で、8月中旬に収穫が始まる。
秋麗
秋麗  - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
秋麗

秋栄

非常に甘い。青梨と赤梨の交配種であるため、果皮の色は青みがかった赤褐色をしている。やわらかい果肉とシャリシャリとした食感を併せ持っているのが特徴。鳥取生まれの梨。収穫時期は8月下旬から9月中旬。
秋栄 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
秋栄

秀玉

大きさ(大きいものは600g以上になる)や、黄緑色の果皮に赤梨によくみられるサビ状の果点が多いことなどが特徴。非常に甘くてジューシー。あまり栽培されていない希少品種。旬の時期は9月地中旬。
© 写真 : NARO秀玉
秀玉 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
秀玉

甘太

晩生品種。収量性の高さと大きさ(最大600g)が特徴。甘味が濃厚。病気にも強い特徴がある。
甘太 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
甘太

赤梨

日本では赤梨が主流。果皮の色は赤褐色で、表面はややザラザラしている。青梨よりも甘味が強く、シャリシャリとした食感が特徴。

幸水

和梨の中で最も生産量が多く、人気ランキング1位。市場の約半分を占めている。とても甘くてみずみずしい。早生品種で、7月末までには市場に出回る。主な産地は千葉県。
© 写真 : Public domain/Suguri 幸水
幸水 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
幸水

豊水

赤梨だけでなく、和梨全体の中でも2番目に人気がある。その硬さなどがリンゴを彷彿させる。甘くてみずみずしく、程よく酸味もあり、バランスがとれている。食べ頃の旬は8月下旬から始まる。
CC BY 3.0 / Katorisi / Nashi-pear-hosui豊水
豊水 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
豊水

新高

果皮の色は黄金色で、重さが1.5キロに達するものもある「ジャンボ梨」。果肉は柔らかく、ジューシーで、ほんのり酸味がある。9月下旬から収穫が始まり、市場には11月上旬まで出回る。貯蔵性に優れているのも特徴。主な産地は熊本県。
新高 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
新高

愛宕

新高梨と同じくジャンボ梨で、2キロに達するものもある。果皮の色は黄金色で、リンゴを彷彿させる。とてもみずみずしく、程よい甘さにやわらかい酸味がある。旬の時期は11月下旬から12月中旬。貯蔵性がよいことから冷蔵庫で翌春まで保存できる。
© iStock.com / lnzyx愛宕
愛宕 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
愛宕

あきづき

ガク・ヘタが残った果実(有てい果)が多いのが特徴。果肉は硬く、甘みが強いが、酸味はほとんどない。主な産地は千葉県、熊本県、栃木県、福島県。9月上旬から10月上旬にかけて市場に出回る。
© iStock.com / Hana-Photoあきづき
あきづき - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
あきづき

新興

シャリシャリリとした食感で果汁が多く、甘みと酸味のバランスが整っている。貯蔵性にも優れており、涼しいところで保存すれば1ヶ月近くは日持ちする。収穫時期は10月中旬から11月下旬。主な産地は新潟県。
新興 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
新興

南水

長野県生まれの梨。やや扁平な形をしている。果肉は少し硬いが、非常に甘く、果汁が豊富で甘い。収穫時期はやや遅めで、9月下旬から10月上旬。
© 写真 : CC BY-NC-ND 2.0 / Antefixus21南水
南水 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
南水

新甘泉

早生品種。鳥取県でしか栽培が許されていない。旬の時期は8月下旬から9月上旬。果肉の硬度は中、粗密は密。酸味は少なく、濃厚な甘味が特徴。
CC BY-SA 3.0 / 新品種育成者 / Shinkansen新甘泉
新甘泉 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
新甘泉

にっこり

大きいのが特徴で、1キロに達するものもある。円形だが、上の部分と下の部分は狭い。糖度が高く、果汁が多い。晩生品種。旬の時期は10月中旬から下旬。収穫は11月下旬まで続く。
にっこり - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
にっこり

彩玉

埼玉県のオリジナル品種。中生。大玉で、やや扁平な形をしている。甘味が強いのが特徴。収穫時期は8月下旬から9月初旬。
© 写真 : Saitama Prefecture彩玉
彩玉 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
彩玉

中国梨

中国梨は晩生で、形は洋梨(ひょうたん型)に似ているが、シャリシャリした食感と強い香りは和梨に近い。果皮の色は黄色から緑色。

千両(身不知)

豊産性が高かったため、かつて北海道で盛んに栽培されていた。程よい甘さとやさしい酸味がある。さまざまな品種の和梨が誕生する前は安く出回っていた。現在は北海道のみで栽培されている。収穫は10月中旬から下旬と短い。

鴨梨(ヤーリー)

果皮の色は黄白色。甘味は強くないが、シャリっとした食感がある。現在は岡山県でしか生産されていない希少な品種。
© iStock.com / Geshas鴨梨(ヤーリー)
鴨梨(ヤーリー) - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
鴨梨(ヤーリー)

慈梨(ツーリー)

中国梨の品種としてはかなり大きい。果皮の色は黄から黄緑。香りが強いのが特徴。収穫時期は9月下旬から10月中旬。
© 写真 : 一枝笔莱阳梨汁慈梨(ツーリー)
慈梨(ツーリー) - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
慈梨(ツーリー)

その他の品種

フランス産をはじめとした洋梨は特別な人気を誇る。洋梨は和梨とは違って甘さが少なく、ひょうたん型をしている。日本における洋梨の主な生産地は山形県。

ラ・フランス

日本の洋梨の中で一番有名(日本の農林水産省が発表した2020年の統計によると、最も生産量が多かった)。果皮の色は緑色で、サビ色の出るのが特徴。味は濃厚で、甘味と酸味のバランスが整っている。出荷時期は11月上旬から12月上旬。
CC BY-SA 3.0 / 氷鷺 / Pear lafranceラ・フランス
ラ・フランス - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
ラ・フランス

ゼネラル・レクラーク

日本で2番目に生産量の多い洋梨。熟すと黄色くなる。果肉はやわらかく、甘みの中にさわやかな酸味がある。
CC BY-SA 3.0 / Siriusplot / General Leclercゼネラル・レクラーク
ゼネラル・レクラーク - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
ゼネラル・レクラーク

バートレット

果皮の色は黄色。缶詰用の品種として知られている。豊かな香り、甘みと酸味の程よい味わいが特徴。旬の時期は9月上旬から10月上旬。
バートレット - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
バートレット

梨の新品種

育種家たちは、梨の新しい品種をつくり続けている。収量性や甘味度、果実の外観、病害抵抗性の向上が主な目的。
© 写真 : Public domain鳥取県の和梨の青梨の品種「夏さやか」「夏しずく」「真寿」
鳥取県の和梨の青梨の品種「夏さやか」「夏しずく」「真寿」 - Sputnik 日本, 1920, 29.09.2023
鳥取県の和梨の青梨の品種「夏さやか」「夏しずく」「真寿」
「南農ナシ6号(天空のしずく)」は、長野県の農業関係試験場で開発された新品種。黒斑病に抵抗性があるため、袋かけを必要としない。さわやかな甘みがあり、シャキシャキとした歯ごたえがある。
肥沃な大地と日射量が豊富な新潟県では、数年前に「新美月」と「新王」の2品種が誕生した。新潟県のサイトによると、「新王」は和梨最高峰の甘さと少しゴツゴツした手触りが特徴。
関連記事
なぜ梨は「栄養の宝庫」といわれるのか?
庭で異国情緒 キウイの栽培方法
ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала