トランプ氏声明に見る駆け引き 専門家「暗殺未遂でバイデン氏の勝利のチャンスは小さく」

© AP Photo / Gerald Herbertトランプ・バイデン両氏
トランプ・バイデン両氏 - Sputnik 日本, 1920, 15.07.2024
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米国のドナルド・トランプ前大統領は、暗殺未遂事件の後にジョー・バイデン大統領から電話があったことを明かした。電話は「素晴らしい」もので、バイデン氏は「とてもナイス」だったと振り返った。
これはニューヨーク・ポストによるインタビューでの発言。一見、融和的なムードの醸成にも見えるが、それだけで収まるトランプ氏ではない。バイデン大統領が司法省に命令を出し、トランプ氏への刑事捜査2件を中止すると「聞いている」と付け加えた。しかし、現時点でこれに関するバイデン政権側から公式声明は出ていない。
トランプ氏への憎悪を煽り事件を誘発したとの批判を受け、バイデン氏がネガティブキャンペーンを控えざるを得ないなか、トランプ氏としてこの機に乗じて刑事捜査中止の圧力をかけない手はない。
一方、14日の国民向け演説でバイデン氏は、「我々は敵ではない」「米国では意見の違いを投票箱で解決する。銃弾ではない」などと述べ、政治的暴力を非難。事件が「全員に一歩下がるように促した」として冷静な議論を呼びかけた。
事件を経て暴力に負けない強いリーダー像を印象付けたトランプ氏とは対象的に、バイデン氏はこれまで以上の窮地に立たされている。精彩を欠いた討論会、言い間違い連発のNATOサミットを経て、今度はトランプ氏銃撃の遠因をつくったとする自身への批判と、同情票を奪われる危機に陥っている。
米政治に詳しいメキシコ国立自治大学のロペス・アルバラド氏はスプートニクに対し、暗殺事件はバイデン氏の勝利のチャンスを低下させたと話す。

「ドナルド・トランプがホワイトハウスに戻る確率は、事件を経てかなり大きくなった。だから、民主党がどう反応するか注視する必要がある。だがどう動いても、トランプ氏は逮捕でもされなければ大統領職に戻るつもりでいるだろう」

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