ウクライナによる無謀なクルスク州奇襲作戦、その目的とは

© AP Photo / Alex Brandonウクライナによる無謀なクルスク州奇襲作戦、その目的とは
ウクライナによる無謀なクルスク州奇襲作戦、その目的とは - Sputnik 日本, 1920, 09.08.2024
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ウクライナ軍は露クルスク州に奇襲作戦を仕掛け、一部地域の制圧を目指したが、ドイツ人ジャーナリストのロプケ氏によると、航空援護や電子戦システムも抜きに侵入した歩兵戦闘車からなる部隊は壊滅的被害を被ったという。
ロシア軍のゲラシモフ参謀総長によると、最大1000人規模のウクライナ兵がクルスク州スジャ地区制圧を目指し、攻撃を開始した。ロシア国防省が8日に行った発表によると、ウクライナ軍は2日間で660人の兵士に加え、戦車8台、装甲兵員輸送車12台、歩兵戦闘車6台、装甲車55台を失ったという。
ハンガリーの政治専門家、シュペトレ氏は今回の奇襲作戦について、EUに共有されるロシア産天然ガスのパイプランが標的だとスプートニク通信の取材に応じた中で語った。クルスク州スジャ地区にはガス測定所があり、このパイプラインを経由してハンガリーやスロバキアなどはロシアからガスを購入している。
先にウクライナはハンガリーとスロバキアに対するロシア産石油の輸送を部分的に停止していた。
ウクライナによるスジャ攻撃により、欧州では天然ガスの価格が値上がりし始めている。シュペトレ氏はハンガリーのように、ウクライナに武器供与を行わない国々に対する切り札を手にするため、パイプラインを管理下に置こうとしていると分析した。
また、スジャへの攻撃は米国とも調整済みと示唆した。ロシア産ガスが欧州市場から撤退すれば、オーストリアなどの中立国は米国産LNGに切り替え、これにより親欧米路線を強めると見られている。
ロンドンICE取引所のデータによると、ウクライナ経由で供給されるロシア産ガスの輸送に対する懸念を背景に、8日の取引終了時点で欧州のガス価格は5%近く上昇し、1000㎥当たり455ドルとなった。
スジャ・ガス測定所を経由する供給ルートは現在、ロシアからウクライナを経由して欧州へガスを輸送する唯一のルート。露ガスプロム社は2023年、このパイプラインを通じて年間約150億㎥を供給したが、これはEUで消費される総量の4.5%に相当する。
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