【視点】日本の外交政策には頭痛の種

© 写真 : 外務省日中首脳会談
日中首脳会談 - Sputnik 日本, 1920, 18.11.2024
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石破首相と中国の習近平国家主席の初の首脳会談は11月15日、ペルーの首都リマの開催のAPEC首脳会議のフィールドで成立した。これに引き続いて、今度はブラジルでG20サミットが開催される。
日本にとって、対中関係、対米関係はどちらも同じくらい重要だ。だが、トランプ氏が大統領に就任後、中国からの輸入関税を大幅に引き上げる意向を実現させれば、米中関係は貿易戦争の様相を呈する。日本政府は、まさにこうした理由から中国が日本との二国間対話の確立を積極的に模索し始めたと考えている。11月下旬、東南アジア諸国の国防相会合が予定されているラオスで日中防衛相会談の実施がすでに決まっていることも偶然ではない。日本は対中関係を改善しながら、同時に対米関係の強化もできるのだろうか?
人文大学東洋学部の職員、ドミトリー・ミレーエフ氏は日本の外交政策にとってはこれは、頭の痛いところだと指摘している。

‍「これは、石破首相が演説の度に日米関係強化の必要性を述べていることと関連している。今回のAPECフォーラムのフィールドで行われたブリンケン米国務長官と岩屋毅外相の会談でも、両国ともに日米関係のさらなる強化を希求していることが確認された。こうした一方で、日本と中国は互いに最も重要な経済パートナーであり、両国の福祉と経済発展の原動力は、二国間関係が政治的に正常な環境にあることに大きく依存している。 これは、現時点の石破氏にとってより重要性が高い。なぜなら先の選挙で自民党が低調だったのは、日本の有権者が国の経済発展と国民の福祉を優先させたからである。

このため日本政府はなんとしても中国か米国か、どちらか一方を選択することを避け、日中の歴史認識の違いといった鋭利な問題を滑らかにすることで、両方の国との関係のバランスを取ろうとするだろう。ひょっとすると日本政府は、トランプ氏が中国の経済発展を抑制するよう日本にかけてくる圧力を修正し、同時に自国のために譲歩を引き出そうとまでするかもしれない。これまで米国は、経済における日本の特殊な国益や米国との関係の重要性を考慮し、日本に譲歩してきた。しかし今や、トランプ大統領が反中国を明確に志向するチームを政府内に形成していることを考えると、前もって何かを予測することは難しい。こうなると日本はまず米国の政策がどう変わるのかを注意深く観察し、それから具体的な決断を下すだろう」

ロシア高等経済学校、東洋学スクールのアンドレイ・カルネーエフ校長は、日中関係は振り子のような性格を帯びており、現在は比較的安定しているものの、これも多くの要因に左右されるとして、次のように語っている。

「日中間の緊張度が下がり、より建設的な関係を築く条件が現れていた時期もあった。その逆に、どちらか一方の側の行為から、関係はまた悪化にむかうこともあった。安倍政権の最後の数年あたりから、日中関係は比較的安定しており、日本はもちろん、日本は中国と互恵的な関係を続けたいが、米国からも逃げようがない。

日本にとっての今の状態はまだまだ未知数が多いといえる。例えば、トランプ氏が執念深く中国を封じ込めようとするのか、習国家主席との会談で相互の警戒心のレベルが低くなるのか、私たちには見えない。また、石破首相とトランプ氏、石破首相と習国家主席との関係がこの先どうなるかもわからない。多くのことは、それぞれの人物の外交の柔軟性とどこまで妥協の意思があるかにかかっている。

ただ、日中の間に意見の相違があっても、これが両国間の貿易拡大を妨げるものではないことだけは言っておきたい。加えて、日中両国はアジア太平洋地域が経済的にさらに成長を遂げること、そしてそのためには緊張の激化を防ぐ必要があることにも同様に関心を持っている。まとめると、両国は客観的には協力関係の継続に関心があるが、その際に、日本がそれほど米国に依存しているかを無視することはできない。 したがって、この問題はかなり複雑で、多くの要因に左右される」

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