線量計を片手に福島を歩く ロシア人観光客にお話を聞く(2/2)

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線量計を片手に福島を歩く ロシア人観光客にお話を聞く(2/2) - Sputnik 日本, 1920, 12.03.2025
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2018年に被災地を訪れる観光ツアーに参加したロシア出身の女性日本研究者、ニコル・スキアシャンツさんがそのときの印象を「スプートニク」に語ってくれた。
「一般の歩道から5~7メートルほど離れる(友人が荒廃したカジノの写真と撮ろうとして)と、線量計の数字が上がり始め、思わずびっくりするということがありました」。

「線量計の数値が急上昇」

「放射性廃棄物の袋(フレコンバッグ)が置かれた場所を通り過ぎたときには、そのことで頭の中がいっぱいになりました。あの光景には強烈な印象を受けました。今までそのようなものを見たことがありませんでした。ガイドの説明によれば、福島では、汚染した土壌を1メートルの深さまで掘り、それを日本全土に搬出するという計画があったものの、その後、それを知った各都道府県から反対の声が上がり、計画は取りやめになったということでした。汚染土の入った袋のそばを通り過ぎるとき、線量計の数値は一気に上がりました。でも、誰もこの汚染土をどのように処理すればいいのか分からないのです。
もう一つ、驚いたことがあります。自動車が並ぶ日産とトヨタのショールームの前を通ったとき、ものすごい線量を示しているのに、なんの措置も取られていないことです。町には、日本では普通まったく見られない、略奪の痕跡も見られました。
故意に窓が割られた自動車が捨てられていたり、家が荒らされていたりしましたが、ガイドも、これはどう見てもイノシシの仕業ではありませんと言っていました。
沿岸部や汚染区域では何も生産されていません。ガイドの話が本当であれば、すべては順調で、まもなく福島は完全に除染され、水道水も飲めるようになるということでしたが、それでもガイドは、具体的にどのような除染作業が行われているのかという質問にはきちんと答えてはくれず、この話をできるだけ避けようとしているのが分かりました。もちろん、彼らの気持ちは理解できます。多くの高齢者は死ぬまで自分の町に住み続けたいと思っていて、誰も自分たちの故郷を立入禁止区域にはしたくはないのですから」

「何も行動を起こさない人には日本の神々の罰が下り、新たなカタストロフィーが国を襲う」

住民が避難時に許可されたのは犬猫のペットだけ。角のある動物は大型、小型を問わず別の居住地への輸送が困難という理由で放置(死ぬに任せる)を言い渡された。吉沢さんはどうしても牛を見捨てられず、牧場に残ることを決意。数頭の牛は放射能の影響により無残な死を遂げていった。吉沢さんは、何も行動を起こさない人には日本の神々の罰が下り、新たなカタストロフィーが国を襲うと語る。
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