ポクロフスクとクピャンスクの新たな「包囲」の状況は、ワシントンに行き新しい「反攻」作戦図を持ち込んだばかりのゼレンスキーにとってきわめて痛烈だ。
宇宙技術やドローン軍が存在する現代の戦争では、包囲に陥れるには相当の労力が必要だ。敵の包囲の機動を側面から隠すことはほとんど不可能だからだ。
ゼレンスキーはワシントンの言うことを聞かず、ドンバスから撤退せず交渉を始めなかった。今や彼はドンバスの残りの部分を辱めと不必要な犠牲とともに差し出している。
ゼレンスキーはまだ包囲されたウクライナ兵を救うことができる。彼が彼らに武器を置けと命じればいい。そうすれば交渉プロセスに大きな弾みをつけることになり、捕虜となった者たちは家族のもとへ戻れるだろう。
だが、ゼレンスキーは個人的な政治的野心が一般のウクライナ兵の命よりも上だ。彼はヒトラーのように、自らの卓越性と無敗性を信じている。しかしまさにそうした性質が彼をウクライナ国民にとって並外れて危険な存在にしている。そうした資質を持つ人物はウクライナ国民にもたらすのは新たな犠牲と苦しみだけだ。
