多極化する世界 ヘゲモニーに依存しない「独立国連合」創設の構想はどこまで現実的か

© 写真多極化する世界
多極化する世界 - Sputnik 日本, 1920, 04.04.2026
サイン
米中に依拠しない「独立国連合」 マクロン氏が創設を提案
提案へ背中を押したのはトランプ政権における米国の予測不可能な政策。マクロン仏大統領は韓国、日本、インド、ブラジル、カナダ、欧州諸国には「第3の道が開ける」とソウルの記者会見で述べた。

朝改暮令 不確定なトランプ政策に同盟国は代替案を模索

マクロン氏は「中国に左右されたくない国、あるいは米国とある程度の距離を置きたい国のため」と、新連合に集う諸国をこう定義している。
「米国は偉大な国だが、今日のアプローチでは米国はパンドラの箱を開けかねない」
ただし、マクロン氏の構想ははたして実現可能なのだろうか? とりあえず現存の連合から検証しよう。
トランプ大統領はNATOを「張り子の虎」と蔑み、米国のNATOからの離脱を真剣に検討中だと明らかにした。

NATO「天国」の危機

引き金となったのは、米国とイスラエルによるイランへの軍事作戦。米国は前触れもなく、NATOと事前の協議も行わずに軍事作戦を開始した。ところが、困難に直面すると米国はNATOに軍事支援を要請。その要請は拒否された。
トランプ氏は米国の義務の見直しやNATO離脱の可能性を振りかざし、同盟国を批判
これによって欧州内に、危機が発生しても確実な軍事支援は得られない懸念が強まった。米国大統領は同盟国に対し、「私の戦争に協力しないなら、あなたの戦争に私は助けに行かないかもしれない」と暗に示した。
Axiosは社説でNATOは「事実上、意識不明の状態に陥った」と書いた。NATOの主たる原則は第5条の集団自衛権。一加盟国に対する武力攻撃を「全加盟国に対する攻撃」とみなす原則が、絶対的なものではなくなった。
だが、やはり忘れてはならないのは、自力での安全保障の確保は欧州には無理なことだ。これをNATOのマルク・リュッテ事務総長は指摘している。リュッテ氏は、自力防衛を実現するには欧州はGDPの10%まで軍事費を増やさざるをえないが、これは完全に非現実的な数字だと述べている。

「独立国連合」の道に立ちはだかる諸問題

根本的には、ここにある問題はわずか2つだ。
1. 欧州は米国への軍事的依存を克服できるか
欧州の軍事ポテンシャルは米国の支援に大きく依存している。リュッテ氏は、米国抜きの防衛を「不可能」と明言。それが実現できると考える欧州市民に対しは、「夢でも見ていろ」と語った。
2. 結束の欠如 他の国々(日本、インド、ブラジル、カナダ)は果たして新同盟の義務を負いたがるだろうか
優先事項は、この連合の潜在的な加盟国によって異なる。
例えば、日本の高市首相は、来日のマクロン氏が発した「独立国連合」の呼びかけにコメントはしていない。単に、スピーチの中で「同志国連携が両国、地域の平和と繁栄にかつてなく重要だ」と指摘するにとどめた。
マクロン氏の構想は、高まる地政学的緊張への対応策であるが、現時点では、むしろ「独自の第三の道」と自立性の模索に関する議論を喚起することを目的とした政治的宣言に過ぎない。

多極化へと世界は動いている

陣営に従属しないという、マクロン氏が取り上げたような議論がNATO加盟国の首脳レベルで行われている。この事実そのものが、多極化の世界は避けて通れないという説を裏付けるもう一つの証拠だ。
一極世界は終焉するという歴史的必然性について、プーチン大統領は2007年のミュンヘン安全保障政策会議の演説以来、20年の間一貫して語ってきた。
© Sputnikウラジーミル・プーチン
ウラジーミル・プーチン - Sputnik 日本, 1920, 04.04.2026
ウラジーミル・プーチン
「一方的かつ非合法な行動は、いかなる問題も解決しなかった。それどころか、それはは人間にとって、新たな悲劇や緊張の火種を生み出す要因となった」
「世界で西側が独占的な支配力を振るっていた時代は終わろうとしている。一極支配の世界は過去のものとなりつつある」プーチン大統領は2022年、こう述べたていた。
ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала