スプートニク日本
軍事政治分析局のアレクサンドル・ミハイロフ局長に、スプートニクは「安全保障の不可分性の規則」について話を伺った。
「安全保障の不可分性の規則は国際安全保障の主な原則の1つだ。これは、1国の安全保障は他国の安全保障を犠牲にするべきではないというもの。日本はロシア国境の直近に強力な軍事力を有する隣国だ。日本は北大西洋条約機構(NATO)の加盟国ではないが、その重要な同盟国であると世界では認識されている。日本はNATOのグローバル・パートナーシップ・プログラムに入っており、巨大な在日米軍を公然と駐留させている。当然、これはロシアに懸念を引き起こす。」
この点で日米が共同で行った行動はどのようなものか?
「日本は2000年代中旬から米国のミサイル探知レーダーを配備しているが、2017年12月、日本は地上配備形弾道ミサイル防衛システム『イージス・アショア』の配備を決定。NATOは以前、米国の高高度防衛ミサイル『THAAD』を購入するよう日本にロビー活動を行っていた。しかし米国の出した金額が余りに高く、正式に日本が承認したのはイージス・アショアだった。」
これはロシア政府の懸念を呼ぶ。米国のMDシステムが日本に配備されると、ロシアの1地方が射程範囲内に置かれるとミハイロフ氏は強調する。
「イージス・アショアが用いるSM-3シリーズの迎撃ミサイルは地上からも艦上からも発射可能で、射程は700キロ。近い将来に『SM3ブロック2A』に置き換えられ、射程は2500キロに伸びる。そうなれば、ロシア極東地域は潜在的に『対象下』に置かれる。」
「ロシアの新型兵器は『極超音速』により目標を達成する。新型ミサイルと極超音速ユニットは弾道飛行ではない軌道が可能。このため、米国のMDシステムは標的への『上昇』中や下降中にミサイルを迎撃することができない。だが、ロシアの新型兵器はまだ最終実験段階にある。」
外交レベルでロシアと日本は建設的な対話を続け、注意深くお互いの見解を聴くことで一致したとラブロフ外相は3月の訪日の後に述べた。