「貿易戦争」は遅かれ早かれ終わる

年間計500億ドル相当となる中国からの輸入品に25%の関税をかけるとトランプ米大統領が発表し、米中は貿易戦争の瀬戸際に立った。中国はより強硬な手段に出て、米国からの主要輸入品に関税を課す構えを見せた。米中貿易戦争のエスカレーションが世界貿易の不均衡に繋がることはありうるか?ロシアは米国の新たな制裁にどう対応し、なぜ世界貿易機関(WTO)の加盟国は規則を守らないのか?スプートニクに対し、これらの問題に関してロシアのアレクセイ・グルズデフ経済開発貿易次官が答えた。
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スプートニク:米国はWTOの主要な義務を守らないとしてロシアと中国を非難しました。中国は対称的な措置に出ました。米中貿易戦争は米国の新たな制裁以上にロシア経済に強い打撃を与えると専門家はもう話しています。あなたはこうした見方に同意しますか?

グルズデフ氏:紛争解決の認められた場がある。それがWTOだ。私たちは協議と意見の相違の解決のためWHOを用いることに賛成している。米中関係に関しては、両国は国際貿易システムの鍵となるプレーヤーで、双方の間の緊張はいかなるものでも、システム全体に反映される。こうした事態の進展が一定の不均衡をもたらし、他国にとっての挑戦になることは明らかだ。

スプートニク:この状況におけるロシアにとっての挑戦とは?

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グルズデフ氏:挑戦はロシアが常に遵守に賛成してきた国際貿易法の規範と規則からの後退にある。今起きていることと、発動されたツールは、このロジックに適合しない。もしこのどんどん加速するプロセスがさらに回り続ければ、再び保護貿易主義、閉鎖市場、ある市場から他の市場への商品の流入、つまり、システム全体の再構築につながる可能性がある。これはすべて、ロシアとユーラシア経済連合市場全体へさらなる圧力を加えるだろう。

スプートニク:あなたは中国で長年働き、彼らの考え方や交渉を行う際の機微はご存知かと思います。中国は米国にある種の譲歩を行うか、それとも自身の立場に固執するか、どうお考えですか?2大国の貿易紛争の結末は?

グルズデフ氏:中国はトランプ氏が取る措置に断固反対だ。措置は明らかに一方的で、WTOの規則に適合しない。米国の一連の商品は関税義務を破っている。しかし米中は、貿易と投資の観点からはあまりに相互に結びついているので、両国の国益に沿った生産的な解決策が見つけられると考えている。中国が貿易戦争の開始に関心を持っているとは思わない。

スプートニク:米国が複数のロシア大企業のビジネスマンに課す新たな制裁を発表したあと、彼らの企業の株価が急落しました。この場合、米国の新たな制裁はWTOの規範を違反していませんか?

グルズデフ氏:個人に対する米国の新たな制裁に関して言えば、これは、非市場競争の要素だ。なぜならこうして、市場におけるプレーヤーの状況が悪くなるからだ。あらゆる決断が会社の時価総額に影響するのだから。そのため、制裁の最初の効果は、企業が米国に与えた被害の事実を裏付けないまま具体的な企業に経済的損害を与えることだ。私たちはこの制裁を根拠がなく、健全な競争の原理を乱すものと見ている。そして私たちは、調節メカニズムを持つWTOの規則の枠内で活動していく。

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