シリア危機のもっとも緊迫した段階はまだ先に

米英仏が14日にシリア政府軍や施設に行ったミサイル攻撃にはさらなる攻撃が続くだろう。モスクワに住む軍事専門家らが強い確信を持って語ったほか、攻撃の目的が化学兵器使用ではなく、米国の条件下でロシアがシリアで物事を進めるよう強いることにあったと指摘した。
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ミサイル攻撃についてトランプ米大統領は、「ロシアはこの暗い道(訳注:アサド大統領支援)を進み続けていくか、安定と平和のための力として文明国に加わるか決断する必要がある。いつの日かロシアと、そしてイランとさえも上手くいくと良いが、そうならない可能性もある」と述べた。
プーチン大統領の視点は正反対である。

「ロシアは最も深刻に、ロシア兵士がテロとの戦いにおいて合法政府を支援しているシリア侵略を非難する。自らの行動で米国は、シリアでの人道危機をさらに深刻化させ、民間人に苦しみをもたらし、本質的に、シリア国民を7年間苦しめているテロリストを促進している。」

シリア攻撃 紛争激化となるか?
多極的な世界は可能か?

急いで攻撃に踏み切ったことについてロシア政府は、ロシア航空宇宙軍の支援のもとでどんどん精力的に、過激派組織「ダーイシュ(イスラム国、IS)」や妥協しない反体制派の諸部隊から重要な地区を解放しているシリア政府を、米国はとどめたいのだと説明している。アサド大統領の最終的な軍事的勝利はまだ峠を越しておらず、米国とその同盟国のみが世界の命運を今まで決定してきた現代史における前例となる可能性がある。しかし、もちろん、話は主に、多極世界構築というロシアの原則についてだ。これは中国や「第三国」、BRICsと上海協力機構のパートナー国の大半が支持している。

冷戦2.0

そのため、問題は「冷戦2.0」と呼ばれる状況にも及んだ。冷戦2.0とは、ロシアと米国が再び間接的な対立関係に入ったことを指す。直接衝突に事態は及ぶだろうか?

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軍事専門家で、地政学問題アカデミーの副総長であるウラジーミル・アノヒン予備大佐は次のように指摘する。

「米国とその同盟国にはシリアの解決プロセスをもつれさせる以外の出口がない。彼らは、ダーイシュからの彼らの実質的な同盟者とその他のテロ集団は彼らの手足、そして彼らの武器であり、それを用いて米国がアサド政権を不安定化させなければならないことを、良く理解している。そしてもし、さらなる緊迫化が起きなければ、米国とその同盟国は敗北し、彼らはシリアからただ追い出されるというわけだ。そのため、緊迫化は起こる。そしてそれに対して準備ができていなければならない。」

同様の見方を、ソ連のゴルバチョフ元大統領も、ラトビアのラジオ局「Baltkom」のインタビューで示している。

「今伝えられているような形で、こうした結果をもたらす攻撃は誰にも必要ではないと考える。本格的に撃ち始める直前のトレーニングに酷似している…これは容認されない。」

次の目標

ダマスカス近郊の東グータ地区の解放後、シリア軍とロシア航空宇宙軍の次の目標は、同国南部のヨルダン国境付近の地域、そして、テロリストに占領されている地域になる。その地域への攻撃を停止し、弱めることができるのはシリア軍への定例となった攻撃しかない。口実は明らかなように、本質的なものではない。

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もちろん、戦争の神格化はイドリブの戦いになる。イドリブはシリア北部にある県そして県都で、政府軍により同国の他地域から追い出された戦闘員が流れ込む場所だ。この地域を支配しているのは「シリア征服戦線(旧ヌスラ戦線)。同地における激しい戦闘はすでに、昨年末から行われている。

アサド大統領が勝利する可能性は非常に高いが、そのチャンスを弱める可能性があるのが米国からのさらなる攻撃だ。トランプ氏も新たな攻撃の準備があることを隠さない。しかしその場合、キューバ危機の再来の可能性が高まる。同時に、新たな経済制裁と情報圧力によって、シリアでの力によるロシアの抑止は強まり、強固になっていく。ロシア政府がどう反応するかはまだ明らかではないが、強硬な対抗措置の可能性は疑いないと軍事専門家らは見ている。

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