まだまだ厳しいロシアの郵便事情、Eコマース発展の課題とは?

24日、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに参加した日本郵便の谷垣邦夫執行役員副社長は、オンラインショッピングのビジネスチャンスを討議するセッション「Eコマースへの期待:勝者が全てを手に入れる」に登壇し、日本郵便の取り組みを紹介した。同セッションには、先日新設されたデジタル発展通信・マスコミ省のコンスタンチン・ノスコフ大臣も参加し、注目が集まった。
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日本と比べ、ロシアのオンラインショッピングはまだ発展途上にある。ロシアの大手ショッピングサイト「ヤンデックス・マーケット」のマキシム・グリシャコフ社長は、「ロシアにおけるEコマースには障壁があり、オンラインクレジットや配達サービスの選択など、商品購入にとどまらない総合的なシステムを作る必要がある。せめて大都市では買った次の日に商品が届くようにしたい」と話した。ロシア郵便のニコライ・ポドグゾフ社長も、ロシア国民の間ではカード決済に抵抗を感じ、現金払いを優先する人が多いと述べた。

オンラインショッピングの成否は、物流事情と密に関係している。ロシア郵便を使った場合、荷物は基本的に自分で郵便局まで取りにいかなければならず、家まで持ってきてもらうと追加料金が発生する。戸別配達可能な民間の宅配業者もあるが、日本のように2時間刻みでの時間指定はできず、一日中荷物を待ち続けることもある。このような郵便事情を改善するべく、ロシア郵便は日本の経験を取り入れようとしているところだ。

インタビューに応じる日本郵便・谷垣邦夫執行役員副社長

谷垣氏は、スプートニクのインタビューに応じ、日本とロシアの郵便事情の違いについて次のように語った。

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谷垣氏「ロシアは日本の45倍の国土があり、地域により気候も様々のようです。日本とは初期条件が違いすぎて、日本と同じようなサービスを提供するのは難しいでしょう。ロシアには4万以上の郵便局があるということなので、サービスを拡大して戸別宅配しようとすれば莫大な投資になります。ロシアの場合は、全てのお客様に均一のサービスを提供していくのは困難度が高いように思います。そうした条件にあっても、一定の品質を保ち、発展しているという印象を受けます。一方、日本の宅配便業界はサービスを限界まで高め、ある程度、行き着くところまで行ったのではないでしょうか。サービスレベルが高すぎるために値上げを余儀なくされた部分もあり、むしろこれからは、持続可能な体制を構築していくことが日本の課題です」

25日、日本郵便とロシア郵便は、新たな覚書を締結した。両社はシベリア鉄道を利用した日本発欧州13か国あての船便郵便物の輸送の開始を合意。また、郵便輸送の高度化の推進、物販・Eコマースでの協力、郵便オペレーション及び郵便サービスのベストプラクティス共有の3分野での協力をさらに進めていくことで合意した。両社は、具体的な協力の形を探るための取り組みを積極的に進めている。

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