サッカーだけじゃない ロシアで今激論される年金受給年齢引き上げ問題

ロシアではサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の勝敗だけでなく、年金受給年齢引き上げ法案に関して激論が交わされている。男性は現在の60歳から65歳に、女性は55歳から63歳への引き上げが画策されている。年金受給年齢の引き上げは2019年から段階的に行う予定で、引き上げの代わりに年金額が高くなる予定だ。
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現在、早期年金受給の対象となっている人は対象にならない。それは、25年以上勤務している有毒で危険な生産を行う現場で働く人びとや障害者、多くの子どもを持つ母親、医師、教師、そして治安関係者だ。ゴリコワ副首相は「ロシアの生産年齢人口は毎年約40万人減っており、年金受給者は毎年150〜160万人増えている」と指摘。概括すると、ロシアの年金改革は機が熟した。だが改革は念入りにそして根気強く準備する必要がある。言うまでもない経済的理由のほかに、人道的・社会的問題がある。

露、年金受給年齢を引き上げ
年金受給年齢引き上げ賛成者の主張は、現在の年齢が1930年に定められたものだが、それからロシアの寿命は格段に伸び、73歳に迫っているというもの。今のロシアの生産年齢人口は全体の56%だが、このままでは20年後には市民1人につき2人の年金受給者を支えることになる。

反対者は、全ての人が高齢で満足に働けるわけではないと反論。さらに、高齢者が長く雇用され続けると、若者世代の失業に繋がると主張する。

ロシアにとってこれほど劇的なテーマの議論には当然、海外との比較なしにはすまない。英国では2016年〜2017年にかけて女性の年金受給年齢が5年引き上げられ、今では男女ともに受給開始は65歳となっている。続いて2019年〜2020年には66歳に、2026年〜28年には67歳にまで引き上がる。

ドイツでは2012年から男女受給年齢65歳から67歳への段階的な引き上げが進められている。2024年まで1年に1ヶ月受給年齢が引き上げられ、その後2029年までは1年に2ヶ月ずつ引き上げられる方針だ。フランスでは2017年に60歳から62.5歳となり、2023年までに段階的に67歳に引き上げられる予定だ。

ロシアでの年金受給金額引き上げに反対する請願書に100万人以上の署名が集まる
中国では年金制度が全国民に行き渡っているわけではなく、対象は公務員と産業雇用者だけだ。肉体労働に携わる女性は50歳に、行政分野で働く女性は55歳から、そして男性は60歳から年金を受け取る。2012年には段階的引き上げが開始し、2045年までには全員が65歳から年金を受け取れるようにする予定だったが、改革は延期された。

日本では2000年の年金改正までは60歳から年金を受け取っていたが、改正以降は段階的に引き上げられ、2013年には男女ともに65歳となった。65歳以降も働く人に対しては毎年受給額が増える仕組みになっている。.

ロシアの年金受給者は現在約4300万人。労働者1000人に対し400人の非就業者という割合だ。

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