インドの石油・天然ガス省は一方、自国の石油精製業者に、11月からのイラン産石油輸入の「急減やゼロ化」に備えるよう要請したとロイターが28日に報じた。これは米国からの圧力を受けたインド政府の初めての反応となった。だがインドは、米国が導入した一方的制限は認めず、国連の制裁のみに従うと立場を明らかにした。
以前の対イラン制裁発動中、インドと中国はイラン産石油を購入し続けた数少ない国の1つだった。ロシア戦略リサーチ研究所のアジャル・クルトフ氏はこの方針が保たれるだろうと予測している。
「アジアのどの国も、インドも、ましてや中国も、いずれにせよすぐには折れず、米国に従わないだろう。しかもインドにも中国にもイランとの多様で真剣な繋がりを持ち、輸送および物流などの一連の大規模プロジェクト実現の計画がある。アジア諸国が対イラン制裁に参加すれば、こうしたプロジェクトは実現されない可能性がある。
そのため、今はイラン産石油をめぐるかなり真剣な戦いが展開されるだろう。」
クルトフ氏は、イラン産石油輸入ゼロに備えるべきだとする同盟国とパートナー国への米国の警告には、少なくとも2つの目的があると見ている。1つは制裁措置により減少したイラン産石油輸入量を米国のエネルギー資源で置き換えるための人工的なアドバンテージを得ること。2つ目はイラン産石油の禁輸をアジアの発展途上国の経済成長を抑えるために使うことだとして、クルトフ氏は何よりも対象は中国とインドだという見方を示した。
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