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米生物学者ら、自閉症治療のため遺伝子療法を開発

テキサスとカリフォルニアの学者らが、重度の自閉症進展と関連しているX染色体の損傷を取り除く初の遺伝子療法を開発し、マウスでこの療法を検証することに成功した。学者らの結論は、「Nature Biomedical Engineering」誌に掲載された。
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米テキサス大学オースティン校のリー・ヘヨン氏は、「ある『自閉症の遺伝子』の構造を入れ替え、自閉症の症状の一部消失を達成することに、我々は初めて成功した」と述べている。

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米保健機関のデータでは、世界の子供68人に1人の割合で自閉症スペクトラム障害(ASD)が見受けられる。世界保健機関(WHO)のデータによると、自閉症を抱える子供の数は、毎年13%ずつ増加している。

学者らは、いわゆる「脆弱X症候群(FXS)」と関連のある、最も重度で研究が進んだタイプの自閉症の一つを選択。このタイプの自閉症を抱えた人では、神経細胞間の連絡形成をコード化する遺伝子「FMR1」の中に、デオキシリボ核酸(DNA)の余分な「文字列」が存在する。まさに、この遺伝子の正常な転写ができないことが原因となって、種々の行動障害が発現する。

今や学者らは、異常なFMR1遺伝子をどのように修復するべきかを知っている。このために学者らは、脳のニューロンに良く浸透してニューロンのDNAを編集し、この際に免疫系による強力な反応を呼び起こさない特殊なナノ粒子を利用した。

これらの実験を無事完了したことで、リー氏の指摘によると、自閉症対策に向けた他の遺伝子療法開発に着手することをリー氏のチームは決意した。

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