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この方針は、驚くほど静かに決定され、外国人労働者受入れへの慎重な態度で知られる日本社会の反対の嵐を引き起こさなかった。2017年には日本で100人に対して150件の求人があり、過去40年で最大となった。2020年には政府の算出によると、労働力不足が400万人を超える可能性がある。労働者は特に建設業や農業、造船業、宿泊業界、看護・介護業界で足りていない。
元在日本ロシア大使でモスクワ国際関係大学教授であるアレクサンドル・パノフ氏は、日本の新たな方針がすでに始まったプロセスを法文化するだけだと指摘する。
「日本は移民に関してあまり上首尾とはいえず、例えばイランやナイジェリアからの移民の多くはある程度の時間のあと、非合法なビジネスに手を付けた。しかし、日本ではとうの昔から少なくない数の中国や韓国、フィリピン人が働いており、最近ではベトナム人の数が急増している。だが総じて見ると、これは大海の一滴だ。法務省の統計によると、2017年末日本では256万人の外国人が確認され、うち128万人が労働している。これは人口の1%未満だ。外国人の総人口のうち31万人が海外からの大学生で、27万人が日本で研修を受けている技術研修生だ。この5年間で外国から日本へ流れる大学生の数が1.7倍に増え、研修ビザの訪日外国人数が1.8倍に増えたことを考慮すると、これらの人びとは、労働が合法化された場合に主に高度な技能を必要としない労働力不足をこなすことができる重要な労働力として見ることができる。」
「外国人労働力受入れ方針を形成するなかで、安倍政権はEUの経験だけでなく、むしろ現在の外国人流入水準に対する多くの国民からの不満を考慮する必要がある。4度東京都知事に再選して1999年〜2012年まで知事を務めた石原慎太郎氏が移民流入に批判を浴びせた人物の例だ。彼は『移民を入れたら犯罪が急増する』と主張していた。厳しい移民政策の支持者は与党自民党内にも少なくない。2018年6月末に行った世論調査で安倍首相の支持率が上がったことを考慮すると、チーム安倍は、移民を管理しつつ増やす提案が少し自由に行える。だがこれらの提案は9月に行われる自民党総裁選を前に、批判のきっかけに十分なりうる。」
入国管理に関する改正法案は今年秋にも議会提出を目指す。