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サンクトペテルブルク国立大学アメリカ研究学部のグリゴリー・ヤルィギン准教授は、会談を控えたトランプ氏が注意をそらす動きをして、議題を政治に限定して発表したとして次のように述べた。
トランプ氏のツイートは以下の通り。
「ロシアは私たちの選挙への干渉とは無関係だと言い続けている!DNCサーバーはどこだ、そしてなんで胡散臭いジェームズ・コミーと今面目が潰れたFBI職員らは手にとってこれを入念に調べなかったんだ?なんでヒラリー/ロシアは調べられていないんだ?なんて多くの疑問、なんて多くの汚職!」
現在トランプ氏は何より露米首脳会談の経済的側面を懸念しているとヤルィギン氏。一方では米国はできるだけ早く、そして多くの国でイラン産石油の輸入「ゼロ化」を狙っている。だがこれは石油市場全体に悪影響がある。すでに今、欧州のブレント原油の先物価格は1バレル=80ドルの水準に接近。価格がさらに上昇する可能性を誰も除外しない。そしてこの状況を最も懸念しているのはまさにトランプ米大統領だ。
トランプ氏は、石油輸出国機構(OPEC)は燃料価格低下に向けて何も策を講じていないと見ている。トランプ氏は、米国が多くのOPEC加盟国を守っているが、見返りとして実感できる利益は一切受けていないと主張。トランプ氏はまた、2期目続投に意欲を燃やしており、石油製品の値上がりと選挙期間が一致すること、そしてこれが逆風になりかねないことを理解している。
「対イラン制裁とベネズエラが必要な量の石油を供給できないことから、石油価格のさらなる上昇はやむを得ない。このためトランプ氏は、ロシアがOPECプラスの枠組み、もしくはロシアのみで世界市場での不足を補うために追加の石油供給を行うようプーチン氏と話をつけるだろう。真空を埋めることができるのは必要な資源を持ち、喜んでイランに代わって世界市場でシェアを奪うだろうサウジアラビアだ。だがサウジアラビアもエネルギー分野で時おり米国を抑えるため自らのゲームを進めている。」
このため、まもなく非公開で行われる露米首脳会談でトランプ氏はおそらく、自身にとって突如極めて重要になった世界市場でのロシアの石油供給強化についての「駆け引き」を切り出すだろう。米国側が会談を提案したという事実もこのことを物語るとヤルィギン氏は強調。ロシアは一方、米国が制裁を弱めることに関心を持っている。