フィリピンの憲法改正 民主化への一歩か、ドゥテルテ大統領の権力強化か

フィリピンの憲法改正案が、ドゥテルテ大統領による検討に向けて提出された。ドゥテルテ大統領本人は大統領任期の延長計画を否定しているものの、一連の専門家は、新憲法の承認がドゥテルテ大統領の個人的権力強化につながる可能性があるとの危惧を表明している。フィリピンの政治機構における今後あり得る変化について、ロシア人専門家がスプートニクのために解説した。
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形式的には、憲法における今回の修正は過去の制限を「ゼロに戻し」、国の政治的活動は再出発することになる。つまり、ドゥテルテ大統領が新たな任期に向け、立候補する可能性があるのだ。現在のところドゥテルテ大統領の全権は、2016年6月30日に始まった1期6年に制限されている。

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憲法改革は、ドゥテルテ氏の主要な選挙前公約の一つ。スプートニクのために解説を行った、ロシア戦略開発センターのアジア専門家、アントン・ツヴェトフ氏の指摘によると、改革の基本的目標は、フィリピンを連邦制国家にすること。これにより、各地方をより公正に統治することが可能になるとされている。

「フィリピンの連邦化の結果を予測することは難しいが、連邦化は確実に、ただでさえ極めて有力な地元氏族を強化することになる(これらの氏族には、ドゥテルテ大統領自身も所属している)。この意味で、地元氏族は連邦化に利害関係を持っているはずで、憲法修正のために実施しなければならなくなる国民投票で、地元氏族は不可欠な票数を保障する可能性がある。だが、既にそれまでに、基本法の新たな案は議会を通過しなければならないが、このこと自体が簡単ではないかもしれない」。

事態がどうなるにせよ、周辺地域ではフィリピンにおける政治的変化を注意深く見守っていくことになる。いずれかの国の国家機構システムをドゥテルテ大統領が盲目的に模倣すると疑い始めることは難しいため、フィリピン式の連邦制がどのような形で発展していくのかということは、大きな関心を呼んでいる。

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