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NASAによる実験には志願者16人が参加。火星基地を模倣した環境の中で、30日間にわたって活動を行った。休日は1週間に1回与えられた。実験終了直後に実施されたコンピューターによる調査によって、全ての参加者で大脳における同一の変化が起こったことが示された。
記憶や感情、空間定位を司る、大脳の重要な部分である「海馬」の左側の部分が、平均で3%縮小したのだ。
研究グループのメンバーであるアニカ・ウェルナー氏は、海馬の縮小について、社会的孤立と、1日24時間観察されることによるストレスが原因で起こったと推測している。人間の脳の高度な可塑性の恩恵で、これらの変化は可逆的なものだが、いずれにせよ、これらの変化は考慮に入れることが不可欠だと、ウェルナー氏は考えている。というのも、何の結果として縮小が起こるのか、そして、縮小が大脳の働きにどのような否定的影響を与えるのか、学者らは今のところ解明に成功していないからだ。