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独紙デア・シュピーゲルは去年4月、ロナウド選手が2010年、この件の口止め料として37万5千ドル(約4300万円)を女性に支払ったと報じた。この記事は当時、有名サッカー選手に関する流出情報サイト「Football Leaks」の資料に基いていた。女性の名前は言及されず、マヨルガさんはコメントを断った。
そして今月28日、デア・シュピーゲルはマヨルガさんの話を掲載した。何が起き、女性の人生にどう影響し、彼女が口外しない契約を破った理由を、スプートニクがまとめてお伝えする。
- 良い人 だが99%だけ
マヨルガさんの話によると、2009年6月12日、女性の友人とともにナイトクラブRainに向かった。そこでロナウドに出会った。ロナウドがマヨルガさんに近づいて来て、一緒に時間を過ごそうと切り出して連れ合いの人々を紹介した。クラブでパパラッチが彼らの写真を取り、「謎の黒髪女性」とロナウドの写真はすぐに報じられた。
「私は笑いだし、こう思った『これはジョーク?こんなに有名で格好いいのに、負け組の変態だなんて』」とマヨルガさんは当時を思い起こす。
最終的に、キスをすれば放すとロナウドは述べた。だがマヨルガさんがキスすると、よりしつこく付きまとい始めた。マヨルガさんは押しのけようとして、「イヤ」と伝えた。だがロナウドは彼女をベッドに引きずり込み、襲いかかって無理やり肛門性交を行った。ローションやコンドームなどは使わなかった。性行為を終えたロナウドは謝り出し、自分は良い人間だが、それは99%だけだと弁解した。
- 起きたことは誰とも話し合わないこと
暴行のあと帰宅したマヨルガさんは警察に通報。だが警察や両親に相手の名前を明かすことは拒否した。病院に連れて行かれ、怪我があると診断された。
マヨルガさんの記憶によると、暴行から最初の5年間はロナウドが報いを受けるとの思いに「憑かれて」おり、毎日インターネットで、何かロナウドに起きなかったか確認していた。両親の言では、彼女は完全に閉じこもり、両親から遠ざかった。1年目は暴飲に走り、時折自殺を考えた。2017年には心的外傷後ストレス障害(PTSD)とうつ病だと診断された。
- 事件を語る決意
2017年、デア・シュピーゲル誌の記事が出ると、ロナウドが流出源を探し始めると恐れたマヨルガさんは違う弁護士を雇った。弁護士は、2010年に結んだ契約は一連の理由から無効だとの結論に至った。弁護士はその理由として、マヨルガさんがPTSDを発症した上、ロナウドの弁護団が「彼女の精神状態を利用する戦略を構築した」と述べた。
MeToo運動も後押しした。MeTooは、米ハリウッドの大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインからのセクハラと性的暴行を数十人の女性が訴えたことから始まった、セクハラ・性的暴行告発運動。マヨルガさんは、他の女性たちの話を読むことに多くの時間を費やしたと語る。
最終的に彼女は、これがロナウドから暴行された他の女性がいるかを知る唯一の手段だと決意を固めた。
- ロナウドの返答
マヨルガさんの弁護士は、口外禁止契約の無効化を求めて提訴した。記事が出ると、ロナウド側はデア・シュピーゲル誌を訴えるとけん制した。初めてこのテーマの記事が公開された時も同様の対応だったという。ロナウド自身はインスタグラムでフォロワーに対し、「今日伝えられたこと」は「フェイクニュース」だと全面否定し、自分を使った宣伝行為は仕事の一部でもあると述べた。