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この展覧会はナショナルジオグラフィック・ロシア誌と日本政府観光局(JNTO)の共同企画。同誌は、日本を想起させるロシアの風景や日本の表情豊かな写真を選ぶコンクールを発表した。寄せられた900枚の写真から路上展覧会に選抜されたのはわずか数十枚。優勝賞品である日本旅行を獲得したのは聖職者だった。首位に輝く作品は、キーロフに住むアンドレイ・ラスサノフさんが東京の通行人を写したポートレート写真。
ラスサノフさんは、オフィスから出る会社員がネクタイを解き、地下鉄に入る前にポケットに入れる様子に気づいた時に、偶然捉えた構図だと語った。
「仕事場から出てネクタイを取る時の身振りは、私にとって、厳しい規則の大きな世界における小さな人間の自由の身振りになりました」
アンドレイ・ラスサノフさん
© 写真 : Alexey Danilkin
ラスサノフさんは、全く異なるライフスタイルにも関わらず、ロシア人と日本人の間にさほど大きな差はないと考えている。「例えば、人々が人生を喜び、太陽を喜び、この日に富士山に、もしくは花園にやってきたことを喜んでいる様子を見る時です」
聖職者であるラスサノフさんにとって写真とは「人間のポートレートだけでなく、その内面の状態をも写し出す試み」だ。
「私の日本」はニコルスカヤ通りで10月31日まで開催され、モスクワの秋に鮮やかな彩りと日本の色彩をもたらしていく。
あなたは、ラスサノフさんがコンクール優勝作である写真で、東京の会社員の内的世界を示すことに成功したと思いますか?